七つの不思議のその先に願い事1つ叶えましょう

桜月 翠恋

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2章 失敗?成功?

間違った?

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-side 沙彩-

カイの手が山本さんへ伸ばされる

何が起きてるかわからず、私と神崎くんはその様子を見ることしかできなかった


「萌奈美ちゃんっ!」

「どうしたの?平橋く……」


グチャリ


嫌な音が響く
山本さんが少女と握っていた手が引き千切られている


「え…な、に…これ」


ブシャッと音がするくらいの勢いで山本さんの手から血が溢れ出る

少女の手には山本さんの両手が握られていた


「っな!」


神崎くんが走り出し、山本さんを助けようと手を伸ばす
私も手を伸ばすが、カイに押し留められる


「なんで!カイ!離して」

「平橋っ!離せ!」

「…だめだよ、もう、無理だ」


カイの目尻から雫が溢れた
この光景をどこかで見た気がするのは私の気のせい?


「っ、があ、あっ!?」


山本さんが逃げようとすると、少女の腕が伸びて彼女の足を掴む


『ど、シテ?にげる、ノ?あゾんで、よァァァ!!』

「ひっ……っ!!」


彼女の顔が恐怖で歪む
そして大きく響く破裂音…


少女の手は大きくなっており、山本さんの身体を叩き潰していた

少女は山本さんの足がまだピクピクと動いているのを見れば、顔の空洞がニタリと笑ったように見えた

そして何度も何度も聞こえる大きな破裂音

私はいつの間にか目を逸らしていた

暫くして破裂音がおさまり、彼女の方を見ると、そこにはケタケタと笑う少女と…

山本さんだった血溜まりができていた


『あは、ハ!たのシかっタぁ』


少女はそう呟くと消えてしまった

震える足を動かし、山本さんの方へと歩き出す


「萌奈美ちゃん…」


カイの表情が絶望に染まる
そして、隣の神崎くんも…暗い表情になっていた

カイはその場で崩れ落ち、山本さんだったものに触れていた

私は隣の神崎くんへ話しかける


「神崎くん…」

「……何だ…?」

「……これから先は……もっと校内を探索してからのほうがいいかもしれないわ。なにか…こうならないためのヒントがあるかもしれないから……」

私の言葉に神崎くんは何も言わずに頷いた

人生で初めてのはずの友人の死を目の前にして私の心は絶望ではなく

この光景を前に見た気がしてならなかった

カイの方へと視線をやれば、流石のカイも無言で山本さんの血溜まりの前で座り込んでいた

何もできなかった

いや、カイに止められたからと言って彼女を見捨てたのは私も同罪だ
そして、カイは私達を救ったのだろう

七不思議、わからないことだらけだけど…始まってしまったコレを止めなくては帰れないことは一目瞭然だった

教室に置いてきた4人が気になるけれど、あそこには森野くんや天谷くんがいるから平気だと思うけれど……

何故か不安が拭いきれず、ぼんやりとカイを見つめることしかできなかった
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