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冒険の始まり

探しもの side【S】

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金色の長い髪を靡かせている、エルフの青年がいた
エルフなのだから、正確な年齢はわからないが…

青年は何かに苛立っていた


「ガランドル!」


青年のリンとした声が部屋に響く
その声に反応するように、部屋の扉を開け、ガランドルと呼ばれた大男は慌てて青年の前に跪く


「な、何でしょうか」

「…俺が連れてこいと言ったのは誰だ?」

「確か、アリー、ではなかったでしょうか」


青年は机を叩き、立ち上がる


「アリーは赤い瞳の女だと言っただろう!!」

「いやぁ、アリーという呼ばれ方をする赤い目の女なんて、めったにいませんよ」


青年は、その言葉に眉間にシワを寄せた


「もういい、お前はいらない。帰れ」

「は、はぁ」


ガランドルが部屋を出ていくと青年は椅子に座り込んだ


「アリー…この時間の君は、どこに居るんだ」


この青年は一人の女性を探していた
それは自分の部下に殺されてしまった女性



青年が生涯で初めて愛した、たった一人の女性を…


アリー…彼女の呼び方しか知らない彼はまだ、彼女がをしていることをまだ、知らない
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