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月光鋼の神秘的な光は、突如として現れたグランツ王国の黒い牙によって、無慈悲に、そして唐突に、希望なき闇へと塗りつぶされた。
洞窟の入り口を塞ぐように、ずらりと並んだ重装備の騎士たち。
その黒い鎧の列の先頭に立つマルクス辺境伯の顔には、獲物を追い詰めた狩人のような、卑劣な愉悦が浮かんでいる。
「ほう……。これが、ヴァルヘイムの新技術を支えるという『至宝』か。見たところ、ただの輝く石に過ぎんがな」
マルクスは地の底を這うような低い声で喉を鳴らした。
「いや、しかし……噂に違わぬ、悪趣味なまでの美しさだ」
その視線は、月光鋼の鉱脈に粘りつくように釘付けになっている。
「だが、残念ながら、その輝きは我がグランツ王国の管理下に移ることになる。ヴァルヘイムの手に余る代物だろうからな、公爵閣下」
重苦しい響きを伴った低い声が、薄暗い洞窟内に反響する。
逃げ場のない袋小路。外界への道は、黒い甲冑に覆われた壁によって完全に封鎖されていた。
エリアーナの顔から、さっと血の気が失せていくのが自分でもわかった。心臓が冷たい氷の塊になったように、脈を打つのを忘れた。
どうして、こんなことに。
私のせいだ。
私が、あの古文書を見つけなければ。私が、この金属の必要性を口にしなければ、カイウス様たちがこんな危険な目に遭うことはなかったのに……。
冷たい鎖に繋がれたような罪悪感と、胸を蝕む後悔が、冷たい霧のように胸に立ち込める。
震える指先をぎゅっと握りしめた、その時だった。
すっと大きな影が、彼女の前に立った。
カイウスだった。
彼はエリアーナを背にかばうように立ち、その鋭い金の瞳でマルクス辺境伯を射抜いていた。その表情には、途方もない恐怖はおろか、焦りの色すらない。
まるで、盤上の駒を眺めるように、ただ静かに、冷徹に、敵を見据えている。
「マルクス辺境伯。ずいぶんと……趣味の悪い真似をする」
カイウスの声は、洞窟の冷気よりもなお冷たく響いた。
「貴殿のこの行いは、ヴァルヘイム公国に対するグランツ王国の宣戦布告と見なすが……異論はあるか?」
「宣戦布告、だと? くくっ、笑わせるな! ヴァルヘイムの小国風情が、グランツ王国に何ができるというのだ?」
マルクスはせせら笑った。
「我々はただ、我が国の領土である『龍の顎』を不法に侵犯した賊を捕らえに来たまで。むしろ、手荒な真似をせず捕縛してやったことを、感謝するべきですぞ、公爵閣下」
「この地が係争地であることは、貴殿も『知らぬ存ぜぬ』とは言えまい」
カイウスは冷ややかに言った。
「領有権が未確定の土地に許可なく侵入したのは、貴殿らグランツ王国の方だ。国際法に照らせば、我々が貴殿らを拘束し、場合によっては殲滅する権利すらあるが?」
「戯言を! つまらぬ詭弁を弄するな、公爵! 力こそが法よ!」
マルクスは鼻で笑い、傲然と言い放った。
だが、カイウスの金の瞳は揺るがない。
「その国際法とやらは、グランツ王国の都合の良い解釈で捻じ曲げられた『法』を指すのか? それとも、この大陸に真に存在する『秩序』か、辺境伯」
カイウスは言葉を続けた。
「そもそも、この『龍の顎』は百年前の協定により、両国の共同管理区域と定められている」
彼はマルクスの目を真っ直ぐに見据えた。
「不法侵犯などという言いがかりは、アルフォンス王太子の差し金と見て間違いないな」
カイウスの的確な指摘に、マルクスの眉がぴくりと動く。
「……口ばかり達者な男め。だが、結局は力。どちらにせよ、ここは我々の管理下にある。公爵閣下には、大人しく首を差し出してもらおうか」
マルクスはにやりと口の端を上げた。
「もちろん、その女もな。アルフォンス殿下が『ご所望』でな。丁重に連れて行かせてもらうぞ」
マルクスのいやらしい視線が、カイウスの背後にいるエリアーナに向けられる。ぞくり、と肌に粟が立った。
あの傲慢な王太子の顔が脳裏に浮かび、吐き気を催す。
「エリアーナに用、だと? ……馬鹿なことを言うな。断る」
カイウスの声の温度が、さらに数度下がった。
「彼女は今、私の庇護下にある。グランツ王国には、彼女の髪一本触れる権利もない。指一本でも触れてみろ」
カイウスの金の瞳が、マルクスを真正面から捉えた。
「その時は、マルクス辺境伯領が地図から消えると思え」
それは、凍えるような脅迫だった。
しかし、その言葉に込められた刃のような殺気と圧倒的な威圧感に、マルクスの背後にいた騎士たちが思わず息を呑む。
「……ほざけ! 多勢に無勢だということがわからんのか! 者ども、やれ! 公爵は生け捕りにしろ! 女は傷つけるなよ!」
理屈で敵わないと悟ったマルクスが、ついに力ずくの命令を下した。
グランツの騎士たちが、一斉に剣を抜き放つ。金属の擦れる音が洞窟に響き渡り、緊張が極限まで高まった。
エリアーナは息を詰める。カイウスの護衛はわずか数名。対する敵は数十人。どう考えても、勝ち目はない。
しかし、カイウスの護衛騎士たちは、誰一人として動揺していなかった。彼らは静かに剣を構え、主君の次の命令を待っている。その目は、敵の数ではなく、その質を見極めていた。
「愚かな」
カイウスが低く呟いた。
「お前たちが相手にしているのが、ヴァルヘイムの『黒狼騎士団』であることすら知らんとはな」
その言葉と同時だった。
カイウスの背後から飛び出した一人の騎士が、稲妻のような速さでグランツの騎士たちの懐に飛び込む。剣閃が走り、甲冑がぶつかり合う鈍い音が二つ、三つ。
次の瞬間には、グランツの騎士が三人、呻き声を上げて地面に崩れ落ちていた。
あまりの速さに、何が起こったのか、エリアーナの目には捉えきれなかった。
「なっ……!?」
マルクスが驚愕に目を見開く。
ヴァルヘイムの『黒狼騎士団』。少数精鋭主義を貫き、一人で十人を相手にできると噂される、カイウス直属の騎士団だ。その実力は、噂を遥かに上回っていた。
ドワーフのギデオンも、愛用の戦斧を手に取り、唸り声を上げる。
「へっ、グランツの騎士様なんざ、見かけ倒しよ! このギデオン様の斧の錆にしてくれるわ!」
戦端が開かれようとした、その時だった。
「カイウス様! お待ちください!」
エリアーナが、悲鳴に近い声で叫んだ。
彼女は、カイウスの服の裾を強く掴んでいた。
「だめです……! ここで戦ってはいけません!」
「エリアーナ?」
カイウスが訝しげに振り返る。
「私のせいで……私のせいで、誰かが傷つくのは嫌です……! それに、この洞窟で大きな衝撃を与えたら……!」
そうだ。この場所は、ダメだ。
エリアーナの脳裏に、天から与えられた知識が警鐘を鳴らす。地質学、鉱物学の断片的なビジョン。この『龍の顎』と呼ばれる特異な地形。そして、目の前にある月光鋼の鉱脈。
それらが意味する、一つの危険な可能性。
「カイウス様、この鉱脈……月光鋼は、極めて不安定な魔力構造を持っています。強い物理的、あるいは魔力的な衝撃が加わると、暴走するかもしれません!」
それは、まだ理論上の仮説だった。
しかし、彼女の直感が、天命が、そう告げていた。
もしこの場で大規模な戦闘が起これば、剣戟の衝撃や魔法の行使によって鉱脈が共鳴し、最悪の場合、この洞窟そのものが崩落する。
カイウスは、エリアーナの切羽詰まった表情と、その瞳に宿る確信の色を見て、即座に彼女の言葉の重みを理解した。
「……下がれ」
カイウスが低く命じると、黒狼騎士団の騎士たちは即座に距離を取り、防御態勢に移る。
その様子を見て、マルクスは勝利を確信した笑みを浮かべた。
「どうした、公爵閣下。その狂女の妄言に耳を貸すのか? ははっ、ヴァルヘイムも地に落ちたものよ。観念したか!」
違う。カイウス様は、私の言葉を信じてくださったんだ。
エリアーナは、自分に全幅の信頼を寄せてくれるカイウスの横顔を見つめた。
この人のために、自分にできることはないか。この絶望的な状況を、この天命の知識で覆すことはできないか。
脳を、フル回転させる。
鉱脈の暴走。それは危険であると同時に、一つの可能性も秘めているのではないか?
制御不能な破壊ではなく、制御された現象として利用できれば……。
そうだ。共鳴。特定の波長。
エリアーナの視線が、自分の足元で不安げに尻尾を揺らしている小さな聖獣――ライテイに向けられた。
この子が放つ、微弱な『流電』。それは、この世界のどんな魔法とも異なる、特異な波長を持っている。
もし、月光鋼がこの子の力にだけ反応するとしたら……?
「カイウス様」
エリアーナは、覚悟を決めた声でカイウスを見上げた。
「一つ、試したいことがあります。私に、少しだけ時間をください。この鉱脈は特定の刺激で共鳴し、不安定になります。それを利用して洞窟を崩落させ、彼らの足止めを」
彼女はカイウスの瞳を真っ直ぐに見返した。
「確かな保証はありませんが、もし成功すれば、私たちだけは安全に脱出できる“可能性”があります。この洞窟そのものを、私たちの盾にする策です」
カイウスは、驚きにわずかに目を見開いた。
しかし、すぐにその金の瞳に深い理解の色を宿し、静かに頷いた。
「……わかった。君を信じよう。必要な時間は?」
「ほんの、わずかな時間で結構です。マルクス辺境伯の注意を、こちらに引きつけてください」
「承知した」
二人の間に、言葉にならない強い信頼が通い合う。
カイウスは再びマルクスへと向き直った。
「辺境伯。取引をしよう」
「……取引だと? 今さら何を寝言を、公爵閣下。その期に及んで、詭弁で時間を稼ぐつもりか?」
「そうだ。この月光鋼の採掘権の半分を、グランツ王国に譲渡する。その代わり、我々の身の安全を保障しろ。これは、ヴァルヘイム公爵カイウス・エトール・ヴァルヘイムの名においての正式な提案だ」
カイウスの突然の提案に、マルクスだけでなく、ギデオンまでもが「なっ、お頭!?」と驚きの声を上げる。
マルクスは、疑念と欲望に満ちた目でカイウスを睨みつけた。
「……本気だと? くっ、何を企んでいる、公爵! 貴様が、そんな安易な譲歩をするはずがない!」
「企みなどない。言ったはずだ。ここで無益な血を流すよりも、互いの利益を追求する方が合理的だと判断したまでだ。どうだ? 悪い話ではあるまい」
カイウスが時間稼ぎの交渉を始めた、その隙だった。
エリアーナは静かに後ずさり、ライテイをそっと抱き上げた。
「ライテイ、お願い。あなたの力を貸して」
キュイ、とライテイが不安げに鳴く。
エリアーナは、この小さな聖獣が持つ『流電』の性質を思い出す。それは、ただの電気ではない。生命力と結びついた、極めて純粋なエネルギーの波。
彼女はライテイを抱いたまま、ゆっくりと月光鋼の鉱脈へと近づいていく。
「あの女、何を……!」
グランツの騎士の一人が気づいて声を上げるが、カイウスが放つ全身を貫くような気迫に阻まれ、動くことができない。
「私の話はまだ終わっていないぞ、辺境伯」
カイウスの凍てつくような声が、騎士たちの動きを縫い止める。
エリアーナは鉱脈の前に立つと、深呼吸を一つ。
そして、ライテイの小さな前脚を、そっと月光鋼の冷たい表面に触れさせた。
その瞬間だった。
――キィィィィン……!
まるで巨大な音叉を叩いたかのような、高く澄んだ音が洞窟全体に響き渡った。
ライテイが触れた一点から、青白い光の波紋が広がり、瞬く間に鉱脈全体へと伝播していく。
「な、なんだ……!? この光は! これは、一体……!?」
マルクスが叫ぶ。
月光鋼は、まるで呼吸を始めたかのように明滅を繰り返す。洞窟の壁や天井に埋め込まれた無数の鉱脈が、次々と共鳴し、光を放ち始める。
洞窟内は、さながら星空のように幻想的な光に満たされた。
だが、それは美しいだけではなかった。
共鳴音は次第に大きくなり、不快な高周波となって空気を震わせる。ゴゴゴゴ……と、地鳴りのような低い振動が足元から伝わってきた。
「い、岩が……! 天井から岩が!」
騎士の一人が絶叫する。
共鳴振動に耐えきれず、洞窟の天井から小石や土砂がぱらぱらと降り注ぎ始めた。
グランツの騎士団は、完全に混乱に陥った。得体の知れない現象への恐怖が、彼らの戦意を根こそぎ奪い去っていく。
「今だ! 退路を確保する!」
カイウスが鋭く叫ぶ。
彼の指示を待っていた黒狼騎士団は、この洞窟に入るときに斥候が確認していた、もう一つの小さな抜け道へと即座に動き出した。彼らの迷いのない動きは、日頃の訓練の賜物だった。
「エリアーナ!」
カイウスが手を伸ばす。
エリアーナはライテイをしっかりと抱きしめ、その手を強く握り返した。
「くそっ、待て! 逃がすな!」
マルクスが怒鳴るが、彼の声は激しくなる地響きと、降り注ぐ岩石の音にかき消される。騎士たちは、頭上からの落石を避けるので精一杯で、とても追撃どころではなかった。
「こちらへ!」
カイウスはエリアーナの手を固く握り、彼女をかばいながら、崩れゆく洞窟の中を駆け抜ける。ギデオンや他の者たちも、それに続いた。
背後で、ひときわ大きな轟音が響き渡る。
振り返る余裕はなかった。
やがて、一行は狭い岩の裂け目を抜け、ようやく外の冷たい空気にたどり着いた。
安堵が込み上げ、カイウスは反射的にエリアーナを強く抱きしめた。
「はぁ……はぁ……」
エリアーナは、カイウスの腕の中で荒い息をつく。
自分の知識が、これほどの破壊を引き起こしてしまった。その事実に、微かな恐怖が背筋を走る。もし、一歩間違えていたら。私たちも、あの岩の下敷きになっていたかもしれない。
そんな彼女の震えに気づいたのか、カイウスはエリアーナの肩を力強く抱き寄せた。
「……君のおかげで、全員助かった。エリアーナ」
耳元で囁かれた、低く、穏やかな声。
「君の知識は、破壊の力ではない。我々を守るための、希望の力だ」
その言葉が、エリアーナの心の恐怖を、温かい光で溶かしていくようだった。
顔を上げると、真っ直ぐに自分を見つめる、カイウスの金の瞳と視線がぶつかる。その瞳の奥には、絶対的な信頼という言葉だけでは片付けられない、熱く、甘やかな感情が宿っていた。
「カイウス、様……」
二人の間に、張り詰めたような、甘い沈黙が流れる。
数秒遅れて、彼らが今しがたまでいた洞窟の入り口が、おびただしい量の岩石によって完全に崩落し、塞がれてしまった。
その空気を破ったのは、部下からの冷静な報告だった。
「閣下。グランツの騎士団は、洞窟内に閉じ込められたものと思われます。当面、追撃はありますまい」
「……ふむ」
カイウスは、すっと公爵の顔に戻る。
彼はエリアーナから静かに身を離すと、崩落した洞窟の方を冷ややかに一瞥した。
「マルクス辺境伯には、洞窟の中で己の愚かさを反省してもらおう。だが、これでグランツ王国との衝突は決定的となったな」
彼の金の瞳に、冷徹な領主としての光が戻る。
「全軍、撤退準備を急げ。そして、本国に使者を。アルフォンス王太子が仕掛けてきた喧嘩だ。ヴァルヘイム流のやり方で、高くつく授業料を払わせてやると伝えろ」
月光鋼は手に入れた。
しかし、それは同時に、グランツ王国との全面対決の狼煙が上がったことを意味していた。
エリアーナの天命は、二つの国を巻き込む、新たな嵐の渦中へと突き進んでいく。
洞窟の入り口を塞ぐように、ずらりと並んだ重装備の騎士たち。
その黒い鎧の列の先頭に立つマルクス辺境伯の顔には、獲物を追い詰めた狩人のような、卑劣な愉悦が浮かんでいる。
「ほう……。これが、ヴァルヘイムの新技術を支えるという『至宝』か。見たところ、ただの輝く石に過ぎんがな」
マルクスは地の底を這うような低い声で喉を鳴らした。
「いや、しかし……噂に違わぬ、悪趣味なまでの美しさだ」
その視線は、月光鋼の鉱脈に粘りつくように釘付けになっている。
「だが、残念ながら、その輝きは我がグランツ王国の管理下に移ることになる。ヴァルヘイムの手に余る代物だろうからな、公爵閣下」
重苦しい響きを伴った低い声が、薄暗い洞窟内に反響する。
逃げ場のない袋小路。外界への道は、黒い甲冑に覆われた壁によって完全に封鎖されていた。
エリアーナの顔から、さっと血の気が失せていくのが自分でもわかった。心臓が冷たい氷の塊になったように、脈を打つのを忘れた。
どうして、こんなことに。
私のせいだ。
私が、あの古文書を見つけなければ。私が、この金属の必要性を口にしなければ、カイウス様たちがこんな危険な目に遭うことはなかったのに……。
冷たい鎖に繋がれたような罪悪感と、胸を蝕む後悔が、冷たい霧のように胸に立ち込める。
震える指先をぎゅっと握りしめた、その時だった。
すっと大きな影が、彼女の前に立った。
カイウスだった。
彼はエリアーナを背にかばうように立ち、その鋭い金の瞳でマルクス辺境伯を射抜いていた。その表情には、途方もない恐怖はおろか、焦りの色すらない。
まるで、盤上の駒を眺めるように、ただ静かに、冷徹に、敵を見据えている。
「マルクス辺境伯。ずいぶんと……趣味の悪い真似をする」
カイウスの声は、洞窟の冷気よりもなお冷たく響いた。
「貴殿のこの行いは、ヴァルヘイム公国に対するグランツ王国の宣戦布告と見なすが……異論はあるか?」
「宣戦布告、だと? くくっ、笑わせるな! ヴァルヘイムの小国風情が、グランツ王国に何ができるというのだ?」
マルクスはせせら笑った。
「我々はただ、我が国の領土である『龍の顎』を不法に侵犯した賊を捕らえに来たまで。むしろ、手荒な真似をせず捕縛してやったことを、感謝するべきですぞ、公爵閣下」
「この地が係争地であることは、貴殿も『知らぬ存ぜぬ』とは言えまい」
カイウスは冷ややかに言った。
「領有権が未確定の土地に許可なく侵入したのは、貴殿らグランツ王国の方だ。国際法に照らせば、我々が貴殿らを拘束し、場合によっては殲滅する権利すらあるが?」
「戯言を! つまらぬ詭弁を弄するな、公爵! 力こそが法よ!」
マルクスは鼻で笑い、傲然と言い放った。
だが、カイウスの金の瞳は揺るがない。
「その国際法とやらは、グランツ王国の都合の良い解釈で捻じ曲げられた『法』を指すのか? それとも、この大陸に真に存在する『秩序』か、辺境伯」
カイウスは言葉を続けた。
「そもそも、この『龍の顎』は百年前の協定により、両国の共同管理区域と定められている」
彼はマルクスの目を真っ直ぐに見据えた。
「不法侵犯などという言いがかりは、アルフォンス王太子の差し金と見て間違いないな」
カイウスの的確な指摘に、マルクスの眉がぴくりと動く。
「……口ばかり達者な男め。だが、結局は力。どちらにせよ、ここは我々の管理下にある。公爵閣下には、大人しく首を差し出してもらおうか」
マルクスはにやりと口の端を上げた。
「もちろん、その女もな。アルフォンス殿下が『ご所望』でな。丁重に連れて行かせてもらうぞ」
マルクスのいやらしい視線が、カイウスの背後にいるエリアーナに向けられる。ぞくり、と肌に粟が立った。
あの傲慢な王太子の顔が脳裏に浮かび、吐き気を催す。
「エリアーナに用、だと? ……馬鹿なことを言うな。断る」
カイウスの声の温度が、さらに数度下がった。
「彼女は今、私の庇護下にある。グランツ王国には、彼女の髪一本触れる権利もない。指一本でも触れてみろ」
カイウスの金の瞳が、マルクスを真正面から捉えた。
「その時は、マルクス辺境伯領が地図から消えると思え」
それは、凍えるような脅迫だった。
しかし、その言葉に込められた刃のような殺気と圧倒的な威圧感に、マルクスの背後にいた騎士たちが思わず息を呑む。
「……ほざけ! 多勢に無勢だということがわからんのか! 者ども、やれ! 公爵は生け捕りにしろ! 女は傷つけるなよ!」
理屈で敵わないと悟ったマルクスが、ついに力ずくの命令を下した。
グランツの騎士たちが、一斉に剣を抜き放つ。金属の擦れる音が洞窟に響き渡り、緊張が極限まで高まった。
エリアーナは息を詰める。カイウスの護衛はわずか数名。対する敵は数十人。どう考えても、勝ち目はない。
しかし、カイウスの護衛騎士たちは、誰一人として動揺していなかった。彼らは静かに剣を構え、主君の次の命令を待っている。その目は、敵の数ではなく、その質を見極めていた。
「愚かな」
カイウスが低く呟いた。
「お前たちが相手にしているのが、ヴァルヘイムの『黒狼騎士団』であることすら知らんとはな」
その言葉と同時だった。
カイウスの背後から飛び出した一人の騎士が、稲妻のような速さでグランツの騎士たちの懐に飛び込む。剣閃が走り、甲冑がぶつかり合う鈍い音が二つ、三つ。
次の瞬間には、グランツの騎士が三人、呻き声を上げて地面に崩れ落ちていた。
あまりの速さに、何が起こったのか、エリアーナの目には捉えきれなかった。
「なっ……!?」
マルクスが驚愕に目を見開く。
ヴァルヘイムの『黒狼騎士団』。少数精鋭主義を貫き、一人で十人を相手にできると噂される、カイウス直属の騎士団だ。その実力は、噂を遥かに上回っていた。
ドワーフのギデオンも、愛用の戦斧を手に取り、唸り声を上げる。
「へっ、グランツの騎士様なんざ、見かけ倒しよ! このギデオン様の斧の錆にしてくれるわ!」
戦端が開かれようとした、その時だった。
「カイウス様! お待ちください!」
エリアーナが、悲鳴に近い声で叫んだ。
彼女は、カイウスの服の裾を強く掴んでいた。
「だめです……! ここで戦ってはいけません!」
「エリアーナ?」
カイウスが訝しげに振り返る。
「私のせいで……私のせいで、誰かが傷つくのは嫌です……! それに、この洞窟で大きな衝撃を与えたら……!」
そうだ。この場所は、ダメだ。
エリアーナの脳裏に、天から与えられた知識が警鐘を鳴らす。地質学、鉱物学の断片的なビジョン。この『龍の顎』と呼ばれる特異な地形。そして、目の前にある月光鋼の鉱脈。
それらが意味する、一つの危険な可能性。
「カイウス様、この鉱脈……月光鋼は、極めて不安定な魔力構造を持っています。強い物理的、あるいは魔力的な衝撃が加わると、暴走するかもしれません!」
それは、まだ理論上の仮説だった。
しかし、彼女の直感が、天命が、そう告げていた。
もしこの場で大規模な戦闘が起これば、剣戟の衝撃や魔法の行使によって鉱脈が共鳴し、最悪の場合、この洞窟そのものが崩落する。
カイウスは、エリアーナの切羽詰まった表情と、その瞳に宿る確信の色を見て、即座に彼女の言葉の重みを理解した。
「……下がれ」
カイウスが低く命じると、黒狼騎士団の騎士たちは即座に距離を取り、防御態勢に移る。
その様子を見て、マルクスは勝利を確信した笑みを浮かべた。
「どうした、公爵閣下。その狂女の妄言に耳を貸すのか? ははっ、ヴァルヘイムも地に落ちたものよ。観念したか!」
違う。カイウス様は、私の言葉を信じてくださったんだ。
エリアーナは、自分に全幅の信頼を寄せてくれるカイウスの横顔を見つめた。
この人のために、自分にできることはないか。この絶望的な状況を、この天命の知識で覆すことはできないか。
脳を、フル回転させる。
鉱脈の暴走。それは危険であると同時に、一つの可能性も秘めているのではないか?
制御不能な破壊ではなく、制御された現象として利用できれば……。
そうだ。共鳴。特定の波長。
エリアーナの視線が、自分の足元で不安げに尻尾を揺らしている小さな聖獣――ライテイに向けられた。
この子が放つ、微弱な『流電』。それは、この世界のどんな魔法とも異なる、特異な波長を持っている。
もし、月光鋼がこの子の力にだけ反応するとしたら……?
「カイウス様」
エリアーナは、覚悟を決めた声でカイウスを見上げた。
「一つ、試したいことがあります。私に、少しだけ時間をください。この鉱脈は特定の刺激で共鳴し、不安定になります。それを利用して洞窟を崩落させ、彼らの足止めを」
彼女はカイウスの瞳を真っ直ぐに見返した。
「確かな保証はありませんが、もし成功すれば、私たちだけは安全に脱出できる“可能性”があります。この洞窟そのものを、私たちの盾にする策です」
カイウスは、驚きにわずかに目を見開いた。
しかし、すぐにその金の瞳に深い理解の色を宿し、静かに頷いた。
「……わかった。君を信じよう。必要な時間は?」
「ほんの、わずかな時間で結構です。マルクス辺境伯の注意を、こちらに引きつけてください」
「承知した」
二人の間に、言葉にならない強い信頼が通い合う。
カイウスは再びマルクスへと向き直った。
「辺境伯。取引をしよう」
「……取引だと? 今さら何を寝言を、公爵閣下。その期に及んで、詭弁で時間を稼ぐつもりか?」
「そうだ。この月光鋼の採掘権の半分を、グランツ王国に譲渡する。その代わり、我々の身の安全を保障しろ。これは、ヴァルヘイム公爵カイウス・エトール・ヴァルヘイムの名においての正式な提案だ」
カイウスの突然の提案に、マルクスだけでなく、ギデオンまでもが「なっ、お頭!?」と驚きの声を上げる。
マルクスは、疑念と欲望に満ちた目でカイウスを睨みつけた。
「……本気だと? くっ、何を企んでいる、公爵! 貴様が、そんな安易な譲歩をするはずがない!」
「企みなどない。言ったはずだ。ここで無益な血を流すよりも、互いの利益を追求する方が合理的だと判断したまでだ。どうだ? 悪い話ではあるまい」
カイウスが時間稼ぎの交渉を始めた、その隙だった。
エリアーナは静かに後ずさり、ライテイをそっと抱き上げた。
「ライテイ、お願い。あなたの力を貸して」
キュイ、とライテイが不安げに鳴く。
エリアーナは、この小さな聖獣が持つ『流電』の性質を思い出す。それは、ただの電気ではない。生命力と結びついた、極めて純粋なエネルギーの波。
彼女はライテイを抱いたまま、ゆっくりと月光鋼の鉱脈へと近づいていく。
「あの女、何を……!」
グランツの騎士の一人が気づいて声を上げるが、カイウスが放つ全身を貫くような気迫に阻まれ、動くことができない。
「私の話はまだ終わっていないぞ、辺境伯」
カイウスの凍てつくような声が、騎士たちの動きを縫い止める。
エリアーナは鉱脈の前に立つと、深呼吸を一つ。
そして、ライテイの小さな前脚を、そっと月光鋼の冷たい表面に触れさせた。
その瞬間だった。
――キィィィィン……!
まるで巨大な音叉を叩いたかのような、高く澄んだ音が洞窟全体に響き渡った。
ライテイが触れた一点から、青白い光の波紋が広がり、瞬く間に鉱脈全体へと伝播していく。
「な、なんだ……!? この光は! これは、一体……!?」
マルクスが叫ぶ。
月光鋼は、まるで呼吸を始めたかのように明滅を繰り返す。洞窟の壁や天井に埋め込まれた無数の鉱脈が、次々と共鳴し、光を放ち始める。
洞窟内は、さながら星空のように幻想的な光に満たされた。
だが、それは美しいだけではなかった。
共鳴音は次第に大きくなり、不快な高周波となって空気を震わせる。ゴゴゴゴ……と、地鳴りのような低い振動が足元から伝わってきた。
「い、岩が……! 天井から岩が!」
騎士の一人が絶叫する。
共鳴振動に耐えきれず、洞窟の天井から小石や土砂がぱらぱらと降り注ぎ始めた。
グランツの騎士団は、完全に混乱に陥った。得体の知れない現象への恐怖が、彼らの戦意を根こそぎ奪い去っていく。
「今だ! 退路を確保する!」
カイウスが鋭く叫ぶ。
彼の指示を待っていた黒狼騎士団は、この洞窟に入るときに斥候が確認していた、もう一つの小さな抜け道へと即座に動き出した。彼らの迷いのない動きは、日頃の訓練の賜物だった。
「エリアーナ!」
カイウスが手を伸ばす。
エリアーナはライテイをしっかりと抱きしめ、その手を強く握り返した。
「くそっ、待て! 逃がすな!」
マルクスが怒鳴るが、彼の声は激しくなる地響きと、降り注ぐ岩石の音にかき消される。騎士たちは、頭上からの落石を避けるので精一杯で、とても追撃どころではなかった。
「こちらへ!」
カイウスはエリアーナの手を固く握り、彼女をかばいながら、崩れゆく洞窟の中を駆け抜ける。ギデオンや他の者たちも、それに続いた。
背後で、ひときわ大きな轟音が響き渡る。
振り返る余裕はなかった。
やがて、一行は狭い岩の裂け目を抜け、ようやく外の冷たい空気にたどり着いた。
安堵が込み上げ、カイウスは反射的にエリアーナを強く抱きしめた。
「はぁ……はぁ……」
エリアーナは、カイウスの腕の中で荒い息をつく。
自分の知識が、これほどの破壊を引き起こしてしまった。その事実に、微かな恐怖が背筋を走る。もし、一歩間違えていたら。私たちも、あの岩の下敷きになっていたかもしれない。
そんな彼女の震えに気づいたのか、カイウスはエリアーナの肩を力強く抱き寄せた。
「……君のおかげで、全員助かった。エリアーナ」
耳元で囁かれた、低く、穏やかな声。
「君の知識は、破壊の力ではない。我々を守るための、希望の力だ」
その言葉が、エリアーナの心の恐怖を、温かい光で溶かしていくようだった。
顔を上げると、真っ直ぐに自分を見つめる、カイウスの金の瞳と視線がぶつかる。その瞳の奥には、絶対的な信頼という言葉だけでは片付けられない、熱く、甘やかな感情が宿っていた。
「カイウス、様……」
二人の間に、張り詰めたような、甘い沈黙が流れる。
数秒遅れて、彼らが今しがたまでいた洞窟の入り口が、おびただしい量の岩石によって完全に崩落し、塞がれてしまった。
その空気を破ったのは、部下からの冷静な報告だった。
「閣下。グランツの騎士団は、洞窟内に閉じ込められたものと思われます。当面、追撃はありますまい」
「……ふむ」
カイウスは、すっと公爵の顔に戻る。
彼はエリアーナから静かに身を離すと、崩落した洞窟の方を冷ややかに一瞥した。
「マルクス辺境伯には、洞窟の中で己の愚かさを反省してもらおう。だが、これでグランツ王国との衝突は決定的となったな」
彼の金の瞳に、冷徹な領主としての光が戻る。
「全軍、撤退準備を急げ。そして、本国に使者を。アルフォンス王太子が仕掛けてきた喧嘩だ。ヴァルヘイム流のやり方で、高くつく授業料を払わせてやると伝えろ」
月光鋼は手に入れた。
しかし、それは同時に、グランツ王国との全面対決の狼煙が上がったことを意味していた。
エリアーナの天命は、二つの国を巻き込む、新たな嵐の渦中へと突き進んでいく。
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