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行き交うは 夢か現か 春の宵 13
第13章 手掛かり
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このときから、山姥夜叉波弥生の時空の割れ目を見つけ出し、時代を渡り歩き、わが子を捜す旅が始まった。
火ノ川国令和時代夏瀬温泉から火ノ川国江戸川時代に時空の割れ目を渡ったとき、人間黒川が無傷だったことは、山姥弥生を大いに心強く勇気づけた。
半妖であるわが子為成も絶対にいずれかの時代で生きている。半妖の寿命から言えば 火ノ川国京都川時代に生まれた為成は、江戸川時代半ばくらいまでだが、時空の割れ目に吸い込まれて令和時代に飛んだ可能性もある。
山姥弥生の遺伝子半分を引き継いでいるので、それなりの距離と時代の時空が近づけば、互いに互いの存在がわかるはずだ。もし鬼籍に入っていたとしても、為成の生きている時代と空間に出現出来れば、生きている為成に会える。リアルで会えなくても、我が子の消息を知りたいのは 人ではない妖であっても母の情である。
火ノ川国 令和時代
神奈々川県警捜査課警部補「山代啓二」は担当事件の情報の少なさにため息が出た。
横浜でおきた失踪?あるいは行方不明事件を担当しているのだが、通常行方不明届が受理されただけでは、担当まではつかない。状況からして事件性が濃厚に疑われて山代が担当することになった。行方不明者の「本名夜叉波弥生、源氏名シェリー」は、行方不明の直前 不動産会社経営者で暴力団組長大波と一緒で、パーティー会場だけでなく、ホテルの部屋に入ったところまでは、確認が取れている。このときの関係者若頭の小波も 大波も逮捕済みで、シェリーについても問いただしている。届出た夜叉波弥生の恋人で同棲していた黒川にも面談した。
確かなのは、この女性が実在していたということだけで、恋人の黒川でさえ、本名と源氏名しか知らなかった。本名さえ、偽名を疑いたくなるほど、なにも出てこない。住民票も戸籍も探せなかった。ホテルの防犯カメラ映像もシェリーがホテルから出てゆく画像は見つからなかった。ホテル内もくまなく探した。
今日は「夜叉波弥生」が黒川と同棲するまえに同居していた「神野真」を訪ねることにした。
神野の住むマンションに入ってすぐ、山代警部補は 懐かしいような不思議な感覚を味わった。
神野真は、なかなかの美青年で、若い男女が一緒に暮らして、関係はなかったと主張されても納得し難いが、神野が嘘をついているとも思えなかった。ただ、夜叉波弥生との出会いと同居にいたる経緯は、曖昧にしか語られなかった。神野と雑談しつつ、正直に隠さず話させることに腐心した。
神野は、「正直に話しても、信じてもらえるとは思えないんです。人に見えるけれど、人間ではない生き物?を信じますか?」と山代に質問で返した。
山代は、生まれて初めて100パーセント人間ではなさそうな人物にあっている自分に自分で驚いていた。
自分も何パーセントかは、人間ではないという普段意識したことのないことをはっきり突き付けられた。山代が半妖よりはずっと妖の度合いが薄い半半妖であることは、ごく最近気づいた。
「僕は半妖 人間と妖との間に生まれたこどもですが、あなたも妖の血が混じってますよね。わかりますよ。あなたも僕が100パーセント人間ではないことに気付いてますよね?」
半妖である神野真と半半妖である山代刑事補は、あらためて互いを観察しつつ、神野真は、夜叉波弥生が妖であることを明かした。
ある朝、突然山姥姿の夜叉波弥生が、神野の部屋の中に居た。マンションエントランスやドアから入ってきたわけではなく、いきなり部屋の中に居た。同居は夜叉波弥生が強引に決めたが、ちゃんと部屋代や光熱水費等は支払ってくれたことを話した。山代には、神野が事実を話していることがわかった。常識では納得できないことだが、妖なら可能だから。はじめて訪問した神野の住まいに感じた懐かしさは、自分の中の妖の部分が反応したと思える。
半半妖「山代刑事補「」が半妖「神野真「」を訪ねている同時刻に、アルゼンタンから100パーセント人間の黒川銀次と妖山姥夜叉波弥生が、帰国した。空港に着いた途端、山姥弥生は、自身と同じ遺伝子を持つものの存在をキャッチした。
次の瞬間、山姥弥生は、神野真の部屋に居た。
山代と神野の前に山姥が突然現れた。同時に山代は山姥が自身のルーツであることを悟った。山姥は、半妖の我が子為成の子孫を見つけたのだ。
山姥はアルゼンタンのときの妖艶な美女の姿で、黒川と同棲しつつ、山代からその両親、祖父母と遡って辿るべく、時空の割れ目を探している。子孫に会えたことで、ある程度の我が子為成の生存と幸せを確信出来た。
火ノ川国令和時代夏瀬温泉から火ノ川国江戸川時代に時空の割れ目を渡ったとき、人間黒川が無傷だったことは、山姥弥生を大いに心強く勇気づけた。
半妖であるわが子為成も絶対にいずれかの時代で生きている。半妖の寿命から言えば 火ノ川国京都川時代に生まれた為成は、江戸川時代半ばくらいまでだが、時空の割れ目に吸い込まれて令和時代に飛んだ可能性もある。
山姥弥生の遺伝子半分を引き継いでいるので、それなりの距離と時代の時空が近づけば、互いに互いの存在がわかるはずだ。もし鬼籍に入っていたとしても、為成の生きている時代と空間に出現出来れば、生きている為成に会える。リアルで会えなくても、我が子の消息を知りたいのは 人ではない妖であっても母の情である。
火ノ川国 令和時代
神奈々川県警捜査課警部補「山代啓二」は担当事件の情報の少なさにため息が出た。
横浜でおきた失踪?あるいは行方不明事件を担当しているのだが、通常行方不明届が受理されただけでは、担当まではつかない。状況からして事件性が濃厚に疑われて山代が担当することになった。行方不明者の「本名夜叉波弥生、源氏名シェリー」は、行方不明の直前 不動産会社経営者で暴力団組長大波と一緒で、パーティー会場だけでなく、ホテルの部屋に入ったところまでは、確認が取れている。このときの関係者若頭の小波も 大波も逮捕済みで、シェリーについても問いただしている。届出た夜叉波弥生の恋人で同棲していた黒川にも面談した。
確かなのは、この女性が実在していたということだけで、恋人の黒川でさえ、本名と源氏名しか知らなかった。本名さえ、偽名を疑いたくなるほど、なにも出てこない。住民票も戸籍も探せなかった。ホテルの防犯カメラ映像もシェリーがホテルから出てゆく画像は見つからなかった。ホテル内もくまなく探した。
今日は「夜叉波弥生」が黒川と同棲するまえに同居していた「神野真」を訪ねることにした。
神野の住むマンションに入ってすぐ、山代警部補は 懐かしいような不思議な感覚を味わった。
神野真は、なかなかの美青年で、若い男女が一緒に暮らして、関係はなかったと主張されても納得し難いが、神野が嘘をついているとも思えなかった。ただ、夜叉波弥生との出会いと同居にいたる経緯は、曖昧にしか語られなかった。神野と雑談しつつ、正直に隠さず話させることに腐心した。
神野は、「正直に話しても、信じてもらえるとは思えないんです。人に見えるけれど、人間ではない生き物?を信じますか?」と山代に質問で返した。
山代は、生まれて初めて100パーセント人間ではなさそうな人物にあっている自分に自分で驚いていた。
自分も何パーセントかは、人間ではないという普段意識したことのないことをはっきり突き付けられた。山代が半妖よりはずっと妖の度合いが薄い半半妖であることは、ごく最近気づいた。
「僕は半妖 人間と妖との間に生まれたこどもですが、あなたも妖の血が混じってますよね。わかりますよ。あなたも僕が100パーセント人間ではないことに気付いてますよね?」
半妖である神野真と半半妖である山代刑事補は、あらためて互いを観察しつつ、神野真は、夜叉波弥生が妖であることを明かした。
ある朝、突然山姥姿の夜叉波弥生が、神野の部屋の中に居た。マンションエントランスやドアから入ってきたわけではなく、いきなり部屋の中に居た。同居は夜叉波弥生が強引に決めたが、ちゃんと部屋代や光熱水費等は支払ってくれたことを話した。山代には、神野が事実を話していることがわかった。常識では納得できないことだが、妖なら可能だから。はじめて訪問した神野の住まいに感じた懐かしさは、自分の中の妖の部分が反応したと思える。
半半妖「山代刑事補「」が半妖「神野真「」を訪ねている同時刻に、アルゼンタンから100パーセント人間の黒川銀次と妖山姥夜叉波弥生が、帰国した。空港に着いた途端、山姥弥生は、自身と同じ遺伝子を持つものの存在をキャッチした。
次の瞬間、山姥弥生は、神野真の部屋に居た。
山代と神野の前に山姥が突然現れた。同時に山代は山姥が自身のルーツであることを悟った。山姥は、半妖の我が子為成の子孫を見つけたのだ。
山姥はアルゼンタンのときの妖艶な美女の姿で、黒川と同棲しつつ、山代からその両親、祖父母と遡って辿るべく、時空の割れ目を探している。子孫に会えたことで、ある程度の我が子為成の生存と幸せを確信出来た。
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