行き交うは 夢か現か 春の宵【山姥は捜す 時空を渡り時代を世界を)

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行き交うは 夢か現か 春の宵 18

第20章 為成と 半妖獣(銀の孫)飛ばされた先の世界に干渉しないこと

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 剣道地区大会で、出会った 半妖・為成 と 半妖獣・森臣。
 
 剣道の試合では、初手の為成が、相手チームの4人を勝ち抜き 大将である森臣と対戦。ふたりの あまりに早い剣捌きと動きに 木刀のあたる音でしか 観覧者は 把握できなかった。ふたりとも 久々の 本気モードで戦に夢中になりすぎて 天井近くまで、浮いて 空中戦になっていた。瞬きする間に気付いて、床に足を着けたが、あぶなかった。あきらかに 人間わざではない。


 いまいる令和の時代は、俺(為成)が生まれてから 約1500年くらいたったようだ。
 森臣は、中学3年だから、表面上は、俺より年上だが、俺が生まれた時は、森臣の祖父にあたる妖獣・狼の銀と過ごしていたのだから、年代順で言えば俺がかなりの年上だが、実年齢または生まれてから何年経ったかでは、森臣が15年、俺が13年だから、俺が年下になる。しかも、森臣は、生まれたときから令和時代。この時代で生きる大先輩にあたる。

 この時代をよく知る森臣と一緒に 行動して 時代の暮らしを学んでいる。

 二度と行かないと思っていた騒音にあふれた都会へも 森臣と出かけた。


 見るのも聞くもの 初めてずくしで 珍しいので、ふたりで徒歩移動するほうが早くても あえて コミュニティバスなるものにも乗ってみた。路線バスより小ぶりで、決まったエリアを細かく回るとのこと。

 俺たちが乗り込んだときには、すでに車内は、フラットなエリアの席は埋まっていて、通路には立っている人も多く、ふたつある車椅子乗車エリアに シルバーカートを通路に置いて座っているお年寄り、もうひとつの車椅子エリアに車椅子の方、通路にベビーカーと 混雑していた。さらに 車椅子の方があらたに乗車しようとしていた。通路に立つ人たちやベビーカーに 新たに乗車しようとする車椅子の方が、前に詰めるよう言うのだが、前にシルバーカートがあるので、ベビーカーの人は 動きようがなく、運転手は 乗車客同士に やり取りが剣呑になってゆくのに 口出ししない。階段を上がったエリアの乗客から 時間がかかりそうとみて「降ります」の声。空間を開けないことには、どうにもならないので、俺たちも 降りた。「タクシーで行けよ」と誰かが言って、先に乗車していた車椅子の人が「降ります」と言ったので、通路を開けるために ベビーカーもおり、乗車済みだった車椅子の人も降り、乗車待ちの車椅子が新たに乗車して、コミュニティーバスは発車した。2台目の車椅子の人は乗れたが、1台目の車椅子の人、ベビーカーの人が 小雨の中、歩道を歩いてゆく。
 俺は、森臣に 俺たちだったら、瞬きする間に 全員乗れるよう解決出来たのにと不満を漏らしたら、この時代に飛ばされたのは、自分の意思でどうにもならないことだから、しょうがいないけれど、俺たちから積極的に干渉するのはよくない。ちさなことでも 歴史が変わるスイッチになりかねないからとのこと。

 

 
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