行き交うは 夢か現か 春の宵【山姥は捜す 時空を渡り時代を世界を)

sakura2025

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行き交うは 夢か現か 春の宵 18

第30章 銀月は思う

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 妖長刀のわしは、人形になって 為成と森臣と三日月と 見知らぬ宿場?城下?を歩いている。人の姿をとると こんなにも煩わしく、鬱陶しく 耐え難いとは思わなんだ。限界と感じた途端、わしは刀に戻り、冬眠のごとく静寂の中に引き篭もった。


 物に戻り、十分休息したので、わずかな妖気で 周りを探る。もとの時代にもどった?広い座敷、床の間、副床の間に わしは 黒漆の刀掛けに 飾られていた。
 わしの居る座敷だけの様子では動きようがない。人形になって、あの喧騒に戻るのは絶対避けたい。それに 為成からの呼び出しがあれば、刀のまま瞬間移動ができるようになった。ゆえに、為成から呼び出しがあるまで、かすかな妖気だけて、じっとしていることにした。



 為成、森臣は エントランスまで迎えに来てくれた神野とともに 部屋に上がろうとして 剣道着防具袋がないのに気づいた。このマンションに着いたときに、床に置いた。なぜ 消え失せている。もし 銀月が瞬時にヒトカタにヘンゲして移動したとしても 剣道着防具袋ごとないのはおかしい。

 とりあえず、神野の部屋に上がり、銀月の妖気を探すが、銀月の妖気が捉えられない。海神《わだつみ》神社に居るのなら、妖気が感じられなくても、呼び寄せがかけらるが、いまいるここは、為成にも銀月にもまったくの初めての場所と時なのだ。呼び寄せをかけて スムーズに来れるだろうか?妖気ある何者かを呼び寄せてしまう可能性もある。呼び寄せに応じた銀月が、なんらかの障害に遭遇する可能性も大きい。
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