転生したらドラゴンに拾われた

hiro

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最果ての森編

38. ファムの遊具

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「ウィル君、ライトの魔法はもう自由に使えるようになってるよね」

「あう」

 結構な数のライトを投げてたからね。僕はこくりと頷く。

「それじゃあ、アースショットをやってみてくれるかい?魔力の込め方とか、見せて欲しいんだ」

 ふむ。まだ二発しか放ってないからな。しかもどちらも不幸な事故が起きてしまった。うん、これはまだ練習が必要だ。

「あう」

 目を閉じて、今朝と同じようなイメージをする。そういえば、魔力をたくさん込めると発射のスピードが速くなるかなと思ったんだっけ。その時と同じようにやってみよう。魔力をぎゅっと込めて、目を開ける。

「『土弾あーしゅしょっと』!」

 前よりスムーズに出来るようになった気がする。弾がヒュンッと風を切って、木に当たる。トスッ、トスッ、ドスッと音がした。え、三回音がした?

「あはは!ウィルくん、すごいねー!」

「おお!やっぱ速いぜ!」

「ふふふ、マンティコアのときより速くなってるね?アースショットでこの辺りの木が三本も貫かれるなんてね」

 お、おおう。やっぱり魔力マシマシだと、速くなるのか。その言い方から察すると、この辺りの木って、硬めなのだろうか。···魔物に当たった音じゃなくて、ほっとした。

「貫通力が高すぎると支障が出る場合もあるから、込める魔力や、回転速度などを自由に変えられるようになろうね」

 ふむふむ。必要に応じて、適切な威力の魔法を使うのは大事なことだ。

「それから、イメージするために目を閉じているようだね。でも実践でそれは危険だから、閉じなくてもできるようになろう」

 あ、確かにそうだ。相手が僕のイメージが完了するまで待ってくれるわけがない。変に癖になる前に言ってもらえてよかった。

「アースショットについては、これくらいかな。室内では練習できないから、今みたいに外に出たときに色々試してみようね。ふふ、私もやってみたいしね」

 この後、何度かアースショットを練習し、その度にアドバイスをもらった。ライとテム、ファムも一緒に練習してた。

「あはは!ぎゅるぎゅるって回すの、面白いねー!」

「だな!この形もカッコイイしよ!」

 気に入ってもらえて何よりだ。

「ふふふ、二人とも、上手だね。私ももっと練習するよ」

 あああ、ライが落ち込んでいる!大丈夫!努力は裏切らないよ!
 既存のイメージが定着していると、それを変えるのはなかなか難しいのかもしれない。テムとファムは、きっと例外だ。

「···『土弾アースショット』」

 近くで見ていたジルが、おもむろにアースショットを放った。ヒュンッ、ドスッと音をたてて木を貫く。

「···ほう。威力が高いな」

「ふふふ、そうだよね、君達は、そうなんだよ」

 あああ!ライ!気をしっかり!天才組がライに与えるダメージはかなり大きいようだ。

「あうあう~」

 ライの足をぽんぽん叩いて慰める。

「ふふ、ウィル君、ありがとう。頑張るよ。よし、それじゃあ次に進もうか」

 こういうライの諦めないところが、すごいと思う。

「次は、土壁アースウォールだよ。土の壁を作る、防御魔法なんだ。地面に手を付いて魔法名を唱える人もいるけど、これはイメージのしやすさからだと思う。アースウォールは地面から壁が生えてくるような感じの魔法だから、地面に直接触るとイメージしやすいんじゃないかな。でも、普通に魔力を放っても起こる結果に違いはないから、私はそちらをおすすめするよ」

 そう言ってライは手を前方斜め下に向け、『土壁アースウォール』と唱えた。
 すると手の先の地面が盛り上がり、あっという間に一メートル四方ほどの壁ができた。

「おお~」

 初めて見る魔法に思わず声が出る。

「ふふ、この壁の幅や高さ、そして厚さは、込める魔力の量とイメージで変えられるよ」

 ライが再び『土壁アースウォール』と唱える。すると先ほどの壁の隣に、ニメートル四方の壁ができた。

「おお~!」

 これほどの高さになると、圧迫感がある。

「ふふ、まずは小さくていいからね。ちょっとずつイメージを掴んでいこう」
 
 ふむ。高さはとりあえず僕の身長くらいでいいだろう。幅もそれくらいでいいかな?ぎゅっと魔力を込めて唱える。

「『土壁あーしゅうぉーる』」

 地面が盛り上がる。あ、あれ?これって壁というより···直方体?

「ふふ、一度で発動出来るなんて、やっぱりセンスがあるよ。あとは、厚さはイメージしたかい?」

 あ!忘れてた!もしかして、魔力の余剰分が厚さになったのだろうか。

 よし、今度こそ。高さと幅は今のと同じでいいだろう。厚さは、うーん、十センチくらい?あ、そうだ。アースショットの強度を高めたみたいに、壁もできないだろうか。先ほどから、近くの木が穴だらけになっているのが可哀想だったんだ。そしてさっき、ライの作った壁にファムが体当たりし、ファムの大きさの穴が空いた。···堅固な壁ができれば、アースショットのいい的になるはずだ。···あ、そうだ!倒れにくくするために、地中にもいくらか長さがある方がいいだろう。
 そう考えて、ぎゅーっと固めて少し地面に沈めるイメージをする。

「『土壁あーしゅうぉーる』」

 魔法名を唱えると、目の前ににょきにょきっと壁が生えた。あれ、ライのと色が違う?ライの土壁は土色という感じだけど、これはもっと濃くて、むしろ黒に近い。それに表面が少しつるつるしてる気がする。

「ふふふ、どんなイメージを、したのかな?」

 ライの笑い声が乾いている。
 ファムが早速体当たりするが、ぽよんと跳ね返った。よし、壁が倒れる心配もなさそうだ。

「あはは!ウィルくんの壁、強いねー!」

 ぽよん、ぽよんと体当たりをして遊ぶファム。これ、もっと作ったら面白そうだな。

「『土壁あーしゅうぉーる』」

 今度は高さを二倍にしてみた。その分魔力もぎゅっと込めた。よし、もういっちょ。

「『土壁あーしゅうぉーる』」

 まだまだ。

「『土壁あーしゅうぉーる』」

「『土壁あーしゅうぉーる』」

 ······

 ふう。頑張った。高さや幅、そして地面から生える角度なんかも色々変えて作ってみた。たくさんの壁が無秩序に乱立している。···ちょっと調子に乗ってしまったかもしれない。

「あはははは!これ楽しいー!!」

 ファムがぽよっぽよっぽよっぽよっと壁に体当たりしては跳ね返るのを繰り返している。···ファムが楽しそうで、なによりだ。




 名前:ウィル

 種族:人族ヒューマン
 年齢:1
 レベル:34

 スキル:成長力促進、言語理解、魔力操作、魔力感知
 魔法:土弾アースショットライト土壁アースウォール
 耐性:

 加護:リインの加護
 称号:異世界からの転生者、黒龍帝の愛息子、雷帝の愛弟子
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