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第3章
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それから2週間後。
まだ雪が降る時期だった。こんこんとまっしろは落ち、積もる。
盲腸の手術、療養を終えた真鈴が、学校に登校してきた。
人気者の彼女には、ぞろぞろと多くのクラスの女子が群がる。心配されていた。
大河はとてもじゃないけど、そこに飛び込めない。はずかしいとか、そういうわけじゃない。
ぼくは、真鈴になんて声をかけたらいいんだよ。
けれど、群がる女子の隙間から見えた真鈴は笑っていた。しゃんと背筋を伸ばしてる。
ひとりひとりに対して、言葉を返してる。
でもそれは、いつもの真鈴じゃない。
偽り。だって。
目は光っていなかった。
真鈴、傷は癒えていない。全然癒えていない。
ギンギンガンガン、大河は、頭が圧迫されてハンマーで叩かれるような激しい頭痛に襲われた。
休み時間だった。香葉来が3組にやってきた。
香葉来は、血の気が通っていなかった。切羽詰まっていた。
表情筋がこわばって、ブルブルとけいれんしていた。
今すぐにでも、ぶわっと泣き出しそうにも見えた。
大河はすぐに香葉来のもとに駆け寄った。
香葉来の視線は、ずっと真鈴に向いていて、大河は一目も彼女の視線を浴びなかった。
香葉来……。
そのときだ。
真鈴からの視線が、こっちに!
真鈴は、ドアの前に立つ大河、香葉来に気づいた。近づいてくる。
「真鈴ちゃん!」
香葉来の大きな声。教室の奥まで届く。
それに対して真鈴。
うっすらとほほえむ。
そして。距離は埋まり、2メートルほどに。
「ちょうどふたりとしゃべりたかった」
真鈴は、にやりと口角を上げてつぶやいた。
直接的に受け止めれば、うれしい言葉。
だけど真鈴、目には光がなかった。漆黒に染まっていた。
ドクドクドクドク。
大河の心臓は張り裂けそうだった。
これから先、きっと、最悪が起こるって。
最悪な予知をしてしまった。
香葉来は、ぶるぶる唇を震わせて、目をうるうるとさせていた。
誰もいない屋上へ……真鈴は歩き、大河と香葉来は、ついていった。
香葉来が真鈴の腕にしがみつき、あんあん甘えたり……。
真鈴が香葉来の頭を、よしよしとなでたり……。
過剰なくらい、はずかしいくらい、なかよしだったふたり。
その姿は、どこにもなかった。
視点がぐにゃりと歪んでた。真鈴のしゃんとした背筋が波を打ってる。
酔いそうだ。ありえない。
ぼくの目、バカになっちゃったのかな。
そして。
真鈴は、階段を上がった先。踊り場で足を止めた。
でも。
大河には、まだ希望があった。
3人。仲良し3人組。3色のクリオネのストラップ。
あの日の言葉。
『このクリオネ、私たちみたい。なかよし同士。友達だよ』
中学生になっても、高校生になっても、大学生になっても、大人になっても。
恋人ができて、結婚しても……。
3人の絆は終わらない。
『一生友達でいよう』
3人で誓った。
大河は。
あの日のことが、リフレインした。
そして。
真鈴は、口を開いた。
……ガン
「悪いけど……」
――ガンガンッ
「もうあなたたちと、〝ともだちごっご〟はしたくない」
――ガンガンガンッ!!
――ガンガンガンガンッ!!
激しい雷が、大河の脳天に直撃した。
えっ……。
耳を疑った。
しかし。
黒ずんだ真鈴は、現実だ。
「神社でお祈りも、絵馬も、重いし。あなたたちは私のことを想っているかもしれないけど、私はビンボーでカワイソーな子たちと思ってあなたたちのことを同情していただけなの。優越感に浸っていただけ。天から見下している気分。あなたたちといると気分がよかったの。私は、あなたたちが思うほど完璧なイイ子ちゃんじゃない。やさしくしてあげても、内心で人を見下していた偽善者よ。そんなきたない心を持っていたバチなのかしら。こんな、みじめな目にあったわ……。まあ、公立でもいいわ。レールが外れても、3年後、戻るから。あなたたちに、ひとこと言わせてほしい。自分のことじゃないくせに、泣いたり、悲しんだり、腹が立つ。カワイソーなあなたたちに同情されるの、すごくイライラするの。お母さんが、香織さんたちと仲がいいかどうかは知らないけど、私は母同士仲がいいからって、あなたたちと仲がいいなんて、これっぽっちも思ってなかったわ。悔しいでしょ? いきなりこんなカミングアウトをされて」
それは。
――ガンガンガンガンッ!!
何よりも、破滅的で、破壊力のある言葉だ。
さげすむ真鈴。身が凍るほどに冷たい声。
大河の水族館の思い出……リフレインは虚像だった。
はあはあっ……!
大河、息が苦しくなる。真鈴が怖くて見れなかった。
やめてよ、なんで、そんな……そんなひどいことを言うんだよ!
心の奥で、全力で叫んだけど、ただの無力だ。
となりの香葉来は。
ぶわっとまぶたから涙をこぼしていた。下唇をちぎれるほどに、きりきり噛みながらも、彼女はへこたれなかった。
全力で、真鈴を否定した。
「嘘! 絶対、嘘だもん! 真鈴ちゃんは、真鈴ちゃんは、友達だもん! あたしは、真鈴ちゃんのおかげで、算数ができなくたって頑張れたもん! いじめも、真鈴ちゃんが助けてくれたから……こんなに学校が楽しいのは、真鈴ちゃんのおかげだもん! 真鈴ちゃんは嘘ついてる! だって、やさしい目で、笑ってくれてた! あたしは、真鈴ちゃんが大大大好き! だから、わかるもん! あの目は、本当だもんっ!」
必死の叫びにも、真鈴は残酷だった。
「おめでたい頭ね。話、ちゃんと聞いてよね? 私はカワイソーな香葉来ちゃんにやさしくしてあげていることが気持ちよかったの。カワイソーな香葉来ちゃんを助けてあげたことが愉快だったの。なぜならそれは、自分が優秀な人間なんだって実感できるから。そんなカワイソーな香葉来ちゃんに同情されること、友達だと思われて熱くなられること、泣かれることがものすごく気持ち悪いの。不愉快なの。ねえ、私の言ってる意味、理解できる? もしかして、算数だけじゃなくて、国語も『もみじ』で受けなきゃダメなの? おバカさん? あははっ」
悪夢だ。真鈴は、きつね目をしたバケモノだ。
ふざけるな!
大河は、香葉来のような気持ちを、もう抱けなかった。
「やめろよ。香葉来にひどいことを言うな!」
「え? 真実だけど。大河も弱弱しい口調じゃないんだ。好きな女の子だから?」
「うるさい! あやまれよ!」
「うるさいのはあなたたちよ! もう二度と私に関わらないで!」
ついカッと頭に血が上り、大河は理性を失い真鈴を怒鳴ってしまった。
鏡のように、真鈴からも反射。
けんか別れだ。真鈴は、その場を離れていった。
香葉来は、ぐしゃっと倒れるように床に膝をつけた。
わあわあわあわあ! 大声で泣き叫び、崩れた。
雪が嫌いだ。
踊り場の窓からは見えた、降りやまぬ雪。
大河は、どうすることもできない苛立ちと悲しみを、何かに打つけたかった。
その日。
真鈴と絶交した。
絆は――散った。
まだ雪が降る時期だった。こんこんとまっしろは落ち、積もる。
盲腸の手術、療養を終えた真鈴が、学校に登校してきた。
人気者の彼女には、ぞろぞろと多くのクラスの女子が群がる。心配されていた。
大河はとてもじゃないけど、そこに飛び込めない。はずかしいとか、そういうわけじゃない。
ぼくは、真鈴になんて声をかけたらいいんだよ。
けれど、群がる女子の隙間から見えた真鈴は笑っていた。しゃんと背筋を伸ばしてる。
ひとりひとりに対して、言葉を返してる。
でもそれは、いつもの真鈴じゃない。
偽り。だって。
目は光っていなかった。
真鈴、傷は癒えていない。全然癒えていない。
ギンギンガンガン、大河は、頭が圧迫されてハンマーで叩かれるような激しい頭痛に襲われた。
休み時間だった。香葉来が3組にやってきた。
香葉来は、血の気が通っていなかった。切羽詰まっていた。
表情筋がこわばって、ブルブルとけいれんしていた。
今すぐにでも、ぶわっと泣き出しそうにも見えた。
大河はすぐに香葉来のもとに駆け寄った。
香葉来の視線は、ずっと真鈴に向いていて、大河は一目も彼女の視線を浴びなかった。
香葉来……。
そのときだ。
真鈴からの視線が、こっちに!
真鈴は、ドアの前に立つ大河、香葉来に気づいた。近づいてくる。
「真鈴ちゃん!」
香葉来の大きな声。教室の奥まで届く。
それに対して真鈴。
うっすらとほほえむ。
そして。距離は埋まり、2メートルほどに。
「ちょうどふたりとしゃべりたかった」
真鈴は、にやりと口角を上げてつぶやいた。
直接的に受け止めれば、うれしい言葉。
だけど真鈴、目には光がなかった。漆黒に染まっていた。
ドクドクドクドク。
大河の心臓は張り裂けそうだった。
これから先、きっと、最悪が起こるって。
最悪な予知をしてしまった。
香葉来は、ぶるぶる唇を震わせて、目をうるうるとさせていた。
誰もいない屋上へ……真鈴は歩き、大河と香葉来は、ついていった。
香葉来が真鈴の腕にしがみつき、あんあん甘えたり……。
真鈴が香葉来の頭を、よしよしとなでたり……。
過剰なくらい、はずかしいくらい、なかよしだったふたり。
その姿は、どこにもなかった。
視点がぐにゃりと歪んでた。真鈴のしゃんとした背筋が波を打ってる。
酔いそうだ。ありえない。
ぼくの目、バカになっちゃったのかな。
そして。
真鈴は、階段を上がった先。踊り場で足を止めた。
でも。
大河には、まだ希望があった。
3人。仲良し3人組。3色のクリオネのストラップ。
あの日の言葉。
『このクリオネ、私たちみたい。なかよし同士。友達だよ』
中学生になっても、高校生になっても、大学生になっても、大人になっても。
恋人ができて、結婚しても……。
3人の絆は終わらない。
『一生友達でいよう』
3人で誓った。
大河は。
あの日のことが、リフレインした。
そして。
真鈴は、口を開いた。
……ガン
「悪いけど……」
――ガンガンッ
「もうあなたたちと、〝ともだちごっご〟はしたくない」
――ガンガンガンッ!!
――ガンガンガンガンッ!!
激しい雷が、大河の脳天に直撃した。
えっ……。
耳を疑った。
しかし。
黒ずんだ真鈴は、現実だ。
「神社でお祈りも、絵馬も、重いし。あなたたちは私のことを想っているかもしれないけど、私はビンボーでカワイソーな子たちと思ってあなたたちのことを同情していただけなの。優越感に浸っていただけ。天から見下している気分。あなたたちといると気分がよかったの。私は、あなたたちが思うほど完璧なイイ子ちゃんじゃない。やさしくしてあげても、内心で人を見下していた偽善者よ。そんなきたない心を持っていたバチなのかしら。こんな、みじめな目にあったわ……。まあ、公立でもいいわ。レールが外れても、3年後、戻るから。あなたたちに、ひとこと言わせてほしい。自分のことじゃないくせに、泣いたり、悲しんだり、腹が立つ。カワイソーなあなたたちに同情されるの、すごくイライラするの。お母さんが、香織さんたちと仲がいいかどうかは知らないけど、私は母同士仲がいいからって、あなたたちと仲がいいなんて、これっぽっちも思ってなかったわ。悔しいでしょ? いきなりこんなカミングアウトをされて」
それは。
――ガンガンガンガンッ!!
何よりも、破滅的で、破壊力のある言葉だ。
さげすむ真鈴。身が凍るほどに冷たい声。
大河の水族館の思い出……リフレインは虚像だった。
はあはあっ……!
大河、息が苦しくなる。真鈴が怖くて見れなかった。
やめてよ、なんで、そんな……そんなひどいことを言うんだよ!
心の奥で、全力で叫んだけど、ただの無力だ。
となりの香葉来は。
ぶわっとまぶたから涙をこぼしていた。下唇をちぎれるほどに、きりきり噛みながらも、彼女はへこたれなかった。
全力で、真鈴を否定した。
「嘘! 絶対、嘘だもん! 真鈴ちゃんは、真鈴ちゃんは、友達だもん! あたしは、真鈴ちゃんのおかげで、算数ができなくたって頑張れたもん! いじめも、真鈴ちゃんが助けてくれたから……こんなに学校が楽しいのは、真鈴ちゃんのおかげだもん! 真鈴ちゃんは嘘ついてる! だって、やさしい目で、笑ってくれてた! あたしは、真鈴ちゃんが大大大好き! だから、わかるもん! あの目は、本当だもんっ!」
必死の叫びにも、真鈴は残酷だった。
「おめでたい頭ね。話、ちゃんと聞いてよね? 私はカワイソーな香葉来ちゃんにやさしくしてあげていることが気持ちよかったの。カワイソーな香葉来ちゃんを助けてあげたことが愉快だったの。なぜならそれは、自分が優秀な人間なんだって実感できるから。そんなカワイソーな香葉来ちゃんに同情されること、友達だと思われて熱くなられること、泣かれることがものすごく気持ち悪いの。不愉快なの。ねえ、私の言ってる意味、理解できる? もしかして、算数だけじゃなくて、国語も『もみじ』で受けなきゃダメなの? おバカさん? あははっ」
悪夢だ。真鈴は、きつね目をしたバケモノだ。
ふざけるな!
大河は、香葉来のような気持ちを、もう抱けなかった。
「やめろよ。香葉来にひどいことを言うな!」
「え? 真実だけど。大河も弱弱しい口調じゃないんだ。好きな女の子だから?」
「うるさい! あやまれよ!」
「うるさいのはあなたたちよ! もう二度と私に関わらないで!」
ついカッと頭に血が上り、大河は理性を失い真鈴を怒鳴ってしまった。
鏡のように、真鈴からも反射。
けんか別れだ。真鈴は、その場を離れていった。
香葉来は、ぐしゃっと倒れるように床に膝をつけた。
わあわあわあわあ! 大声で泣き叫び、崩れた。
雪が嫌いだ。
踊り場の窓からは見えた、降りやまぬ雪。
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