収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~

SHEILA

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第1章 追放

名前を呼ばない理由

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大福と出会ってから、ずっと気になっていたことを、聞いてみることにした。

(ねぇ、大福。大福は初めて会った時、私の名前を知ってたよね。なのに、なんで私のことを”其方そなた”って言うの?)

大福が複雑な顔になる。

『久しぶりに人と話したから、つい口に出してしまったのだ。口に出すべきではなかった。』

(なんで?アリスティアナって、私の名前なんでしょ?愛称は、アリス?ティア?可愛いよね。)

『其方、それを自分の名前だとは思っておるまい。其方は無意識に分かっているのであろう?そう遠くない未来、この地を離れることになることを。故に、その名前は其方の魂と結びついていない。』

(・・・そっか。未だにお父さんにもお母さんにも会ったことないもんね。やっぱり、愛されてないんだね、私。この世界ではどうなるのかなぁ・・痛いのも苦しいのもお腹が空くのも嫌だなぁ・・・せめて家族に殺されることなく、家から追い出してくれるといいなぁ・・)

『(不憫な。どんな前世だったんだ。)・・部屋の外に出られるようになれば、いろいろ分かるようになるであろう。愛されているかどうかは我には分からぬが、複雑な家庭環境のようではあるな。・・我が其方の名を呼ぶ時は、其方が自分の本当の名前を得た時だ。それまで其方は其方だ。』

(うん。分かった。)

落ち込んでしまった私に、大福はこの家のことを、少しだけ教えてくれた。

お父さんは辺境伯という貴族であること。

お父さんには4人の奥さんがいるけれど、奥さんたちを大切にしないで、複数の愛人の元に通ってばかりいること。

12人の子供がいること。
その内3人が兄であること。
私が11番目の子供であること。

愛人にはまだ1人の子供も生まれていないこと。

私のお母さんは4番目の奥さんで、風魔法が使えること。
以前は精霊魔法が使えたけれど、精霊たちが猛反対したのに、自分はお父さんに1番愛されているんだと、この家に押しかけてまで結婚したことで、精霊魔法が使えなくなったこと。

その血を引いている私は、姉妹の中で唯一、精霊や妖精を見ることができること。

風魔法が使える姉が3人いること。

4人目の子供も女の子だったことでお父さんに責められたお母さんは、精神的に病んでしまい、自分の部屋に籠ってしまっていること・・・

それじゃあ、お父さんもお母さんも私なんか愛しいと思わないよね。
お母さんも辛いだろうけど、自分が望んだ結婚で、好きな人の子供を産んで、その子供たちが全員女の子だったからって、生まれたばかりの私を放置?
それは人としてダメでしょ。
母親として有り得ないでしょ。
この家に世話をしてくれる使用人がいなかったら、私とっくに死んでるってことだよね。

今世でも、親にも兄弟姉妹にも、絶対に何も期待しない。
可能な限り関わらない。
私の魂は、家族運が0どころかマイナスであることが決定!
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