召喚され、あっという間に殺されることになった魔力ゼロの聖女。チート無双もできるけど、のんびり異世界で暮らすことにした。

SHEILA

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浄化

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視線を感じて振り返ると、馬ほどの大きさに小型化した神龍様がじっと私を見ていた。

「ナビちゃんが、役目が終わったからって、いなくなってしまいました。」

『今のは聞こえた。あ奴は妖精を司る悪戯好きで気まぐれな神、アリア―ナだろう。最後の会話だけ、面白がって我に聞かせたようだ。』

ぐきゅるるる~

私のお腹が大きくなる。

『何の音だ?』

「……お腹が空いている音です……」

恥ずかしさに、顔が熱くなる。
でも、食べないと、人間は死んじゃうんだよ。

( そうだ、あの国から食料もらってきたんだった。)

布のショルダーバックからマジックバックを取り出すと、神龍様からビリビリした感じが伝わってきた。

『それをどうするつもりだ?』

「あ…の、昨日、あのお城みたいなところから食料を貰って来たんです。だから、マジックバックからだそうかと『待て。』

「あの、私が盗んできたのを怒ってるんですか…?」

『そうではない。今其方が身に着けている物も、そのマジックバックも酷く穢れているのだ。我や其方のように神気が強いものには影響はないが、この森には、我が眷属たちにすら影響が出るやもしれん。それくらいあの国の物は穢れが強い。その証拠に其方の足元を見てみるがいい。すでに花が枯れ始めているぞ。』

言われて足元を見ると、私を中心に徐々に花が萎れ、枯れていっていた。

『動くな。今森に影響が出ないように強力な結界を張る。』

『分かったか?あの愚者の国の物は酷く穢れている物ばかりなのだ。この結界の中にその鞄の中身をすべて出せ。其方が今着ている物もすべて脱げ。』

「え?何言ってるの?私に裸になれってこと!?」

『穢れている物は、浄化すると消えてしまうのだ。其方が今着ている服も靴も、浄化すると消えるぞ?』

「着替えるから、あの木のまわりにも結界張ってもらえますか。」

『ここで着替えれば良いであろう。』

「嫌です!!着替えるところは誰にも見られたくありません!!」

神龍様は納得がいかないようだったけど、木が穢れに侵されないよう、この場に試着室より少し大きな不透明な空間を作ってくれた。

私は急いで、もこもこルームウェアに着替える。

着替え終わると、神龍様が張ってくれた結界の中に、マジックバックの中身をすべて出す。

我ながら、よく入れたものだ。

『ちょっと待て、どれだけ持ってきたんだ。』

「だって、頭にきてたし、1人で生きていかなきゃならなそうだったから、慰謝料として、いっぱい貰おうと思って。」

寝台や本棚等の家具も入れてあったため、六畳一間2個分くらいの量になった。

『それでは浄化するぞ。「浄化ピュリフィケーション」』

神龍様が呪文(?)を唱えると、積み上げた物のほとんどが黒い塵になり、白い光に包まれながら消えていった。

『不浄の塊ばかりであっただろう?』

そこには、食料は一欠けらも残っていなかった。

( 怖っ!知らないであれ食べてたら、どうなってたんだろ…怖っ!)

『残った物は、他国で心を込めて作られた物と、他国で採れた天然物だな。よく穢れに侵されずに残っていたものだ。』

そこにあったのは、

アクセサリー
魔道具(後から聞いた)
宝石
鉱物

鉱物はあったのに、貨幣は1枚も残っていなかった。

『其方にも「浄化ピュリフィケーション」「洗浄クリーン」』

体の内外を何かが通り抜ける。
ぞわわっ~としたあと、すっきりした気分になった。

『穢れはすべて消えたな。』

ぐきゅるるる~

空腹感は消えてません。

なにか食べさせて!
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