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四葉のクローバー
二日前だけど前日
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次の日、二日後に再び検診が一日中あるらしく、親父に
「病室にずっといても暇だし、他の病室にいる人達に迷惑がかかるから、その日は病院は来なくていいよ。俺も役所に母さん関連の書類とか出しに行かないといけないし。お前もふらっと遊びに行ったら?まぁ、家で寝ててもいいけど(笑)」
どうやら部屋にこもっている(ザシコ会議)をしている時は、僕は寝ている事になっているらしい。親父が階段を登ってくる時、ビクビクしなくても良いという面では大いに助かる。が、ずっと寝てるみたいな感じに思われるのは何かモヤモヤする。まぁ、見えなくてもザシコの喋り相手は僕だけだ。結果オーライとするしかないな。
そう思いながら窓の外を眺めていると親父から注文が。
「コンビニで何か飲み物を買ってきてくれ。お母さんの分もな。俺は緑茶で、母さんは紅茶と三○矢サイダー両方な。お釣りはあげる」
「りょ~かいです。僕の分も買わせてもらうね」
「おう」
病院内にあるコンビニを利用せず、別のコンビニの、それもそのコンビニまでの最短ルートを避け、少し人通りの少ない道を通った。最近、外でのザシコとの会話が不自然にならないよう思いついた「ワイヤレスイヤフォンで会話をしている様に見せかける作戦」を実行したかったからだ。早速ワイヤレスイヤフォンを装着し、
「ザシコ!」
と呼んだ。
するとザシコはバッグの中から飛び出し
「ええのか?不審者に見られるぞ?ワイヤレス何ちゃらというやつを着けるだけで」
と僕の作戦をあまり信用していないようだった。
「まぁね。最初は皆おかしな人と思うかもしれないけど、コードを見れば理解すると思う」
ザシコは首を傾げ何やら一生懸命「ワイヤレス」について考えていたが、その姿はとても愛らしかった。
「まぁとりあえずだ。さっきの親父の話は聞いてたでしょ?」
「うむ。これは運が良いとしか言いようがないな」
「うん、本当の本当に」
ザシコは僕の顔を見ながら何か言いたそうだった。目は口ほどに物を言う。
「ありがとうザシコ。もし親父が何も言わなかったら、何か考えてくれてたんでしょ?」
「か、か、か、か、考えておらんわ!」
プイッと顔を背けるが、僕が
「あっ!あんなところに焼きたらこ入りのおむすびが!!」
と叫ぶと
「なぬ!?焼きたらことは!?おむすびはどこじゃ!!」
キョロキョロ辺りを見渡した後、身体をプルプル震わして
「マコォ!騙しあったなぁ!?」
と僕をポコポコ殴った。
「ごめん、ごめんて。でも考えてくれてた御礼で、焼きたらこ入りおむすびは後で買ったげるから」
「むぅ、ホントじゃな?全く」
そこでちょっと調子に乗った僕は
「てことはやっぱり考えてくれてたんだ(笑)」
と茶化した。
すると、その事でザシコは腕を組んでプンプン怒ってしまった。この光景も後何回見ることができるだろうか。そう考えながら少し哀愁を漂わせていた。
「マコっ!」
急に大きな声を出したザシコ。後ろ姿なので、表情は分からないが、声からして恐らく怒っていはない。
「陰気な雰囲気を醸しおって。二日後、いやでもやってくるのじゃ。ワシがおるのにお主の人生が残り2日で終わるとでも?」
ザシコは先程の茶化したお返しとばかりに鼻息を荒くして僕に言った。
いつものザシコだ。恐らくさっきまでは「自分の提案した方法でスタート地点にも立てなかったら?仮に上手く作戦へと誘導出来ても描いている構想と違ってしまったら?」と大方こんな事を考えていたのだろう。でもいつものザシコに戻ったみたいだ。
僕もザシコに任せっきりに出来ない。この好機を逃す気はさらさらない。
「病室にずっといても暇だし、他の病室にいる人達に迷惑がかかるから、その日は病院は来なくていいよ。俺も役所に母さん関連の書類とか出しに行かないといけないし。お前もふらっと遊びに行ったら?まぁ、家で寝ててもいいけど(笑)」
どうやら部屋にこもっている(ザシコ会議)をしている時は、僕は寝ている事になっているらしい。親父が階段を登ってくる時、ビクビクしなくても良いという面では大いに助かる。が、ずっと寝てるみたいな感じに思われるのは何かモヤモヤする。まぁ、見えなくてもザシコの喋り相手は僕だけだ。結果オーライとするしかないな。
そう思いながら窓の外を眺めていると親父から注文が。
「コンビニで何か飲み物を買ってきてくれ。お母さんの分もな。俺は緑茶で、母さんは紅茶と三○矢サイダー両方な。お釣りはあげる」
「りょ~かいです。僕の分も買わせてもらうね」
「おう」
病院内にあるコンビニを利用せず、別のコンビニの、それもそのコンビニまでの最短ルートを避け、少し人通りの少ない道を通った。最近、外でのザシコとの会話が不自然にならないよう思いついた「ワイヤレスイヤフォンで会話をしている様に見せかける作戦」を実行したかったからだ。早速ワイヤレスイヤフォンを装着し、
「ザシコ!」
と呼んだ。
するとザシコはバッグの中から飛び出し
「ええのか?不審者に見られるぞ?ワイヤレス何ちゃらというやつを着けるだけで」
と僕の作戦をあまり信用していないようだった。
「まぁね。最初は皆おかしな人と思うかもしれないけど、コードを見れば理解すると思う」
ザシコは首を傾げ何やら一生懸命「ワイヤレス」について考えていたが、その姿はとても愛らしかった。
「まぁとりあえずだ。さっきの親父の話は聞いてたでしょ?」
「うむ。これは運が良いとしか言いようがないな」
「うん、本当の本当に」
ザシコは僕の顔を見ながら何か言いたそうだった。目は口ほどに物を言う。
「ありがとうザシコ。もし親父が何も言わなかったら、何か考えてくれてたんでしょ?」
「か、か、か、か、考えておらんわ!」
プイッと顔を背けるが、僕が
「あっ!あんなところに焼きたらこ入りのおむすびが!!」
と叫ぶと
「なぬ!?焼きたらことは!?おむすびはどこじゃ!!」
キョロキョロ辺りを見渡した後、身体をプルプル震わして
「マコォ!騙しあったなぁ!?」
と僕をポコポコ殴った。
「ごめん、ごめんて。でも考えてくれてた御礼で、焼きたらこ入りおむすびは後で買ったげるから」
「むぅ、ホントじゃな?全く」
そこでちょっと調子に乗った僕は
「てことはやっぱり考えてくれてたんだ(笑)」
と茶化した。
すると、その事でザシコは腕を組んでプンプン怒ってしまった。この光景も後何回見ることができるだろうか。そう考えながら少し哀愁を漂わせていた。
「マコっ!」
急に大きな声を出したザシコ。後ろ姿なので、表情は分からないが、声からして恐らく怒っていはない。
「陰気な雰囲気を醸しおって。二日後、いやでもやってくるのじゃ。ワシがおるのにお主の人生が残り2日で終わるとでも?」
ザシコは先程の茶化したお返しとばかりに鼻息を荒くして僕に言った。
いつものザシコだ。恐らくさっきまでは「自分の提案した方法でスタート地点にも立てなかったら?仮に上手く作戦へと誘導出来ても描いている構想と違ってしまったら?」と大方こんな事を考えていたのだろう。でもいつものザシコに戻ったみたいだ。
僕もザシコに任せっきりに出来ない。この好機を逃す気はさらさらない。
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