横須賀シャルシャル

ばってんがー森

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始動編

決意

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海から猿が現れる町、横須賀。シャルーは全身を震わせて毛についた水滴を飛ばした。

「なぁ、お前猿島から泳いできたのか??」

竜二は恐る恐る尋ねてみた。

「いや、途中までゴムボートみたいなものに乗ってきたよ。潮の流れが早くてさ。流されまいと必死に漕ぎまくってたら前のめりになって落っこちちゃったのさ。」

「へぇ、猿島にもゴムボートがあるんだねぇ、竜二君!」

由真は純粋にビックリしていた。

竜二は、

(んな馬鹿な話があるか。ん~ゴムボートがホイホイ流れるような場所ではないし、一人で操作できるとするなら浮き輪のフロートみたいな感じだろうな。まぁこの前ニュースで馬鹿共がド◯キで浮き輪で猿島に行こうとして流されたってやってたし、そんな奴等が遊んだりしたして持ち帰り忘れたのが猿島に流れ着いたのかもな……)

「で、シャルシャル」

「なんだ?」

「そのゴムボートは??」

「だからさっきも言ったけど、途中で転落しちゃったんだってば!」

同じ話をさせられたせいかシャルーの身振り手振りが荒くなってきた。

真由は少し申し訳なさそうな顔をしながら

「ごめんね、落ちたボートに捕まって辿り着いたんじゃないかと思って……」

「そうだったのか、すまない。いや、落ちてからはな、バタフライでこちらまで辿り着いたのだ」

「バ、バタフライ………!?」

竜二の顔面が太陽の塔みたいな顔になった。

「うわぁ、凄い!バタフライ泳げるのね!(う~ん、嘘くさいなぁ)」

苦笑いをしつつヨイショする真由を横目に竜二は

「おい、何故バタフライなんだよ」

と疑いの目を向ける。

「バタフライしか泳げないからだよ」

シャルーは少しムッとした顔をした後、

「じゃあクロールでくればよかったのか!!それとも平泳ぎか!!何だったら貴様は納得をするのだ!!」


竜二の頭にある言葉がよぎる

(そもそも猿が泳いで来たという事自体………)

竜二は一息吐いて

「悪かった。猿はバタフライするもんな。」

とシャルーの肩を叩いた。するとシャルーは

「いや?普通クロールだろ?お前のは偏見が混じってる!!」

(ああ、ボートに乗って帰ってもらいてぇ)

「ところでさ、シャルシャル。いつ猿島に帰るの?」

由真がそう聞くと

「帰らん!カサカスババァが言っていた大陸に渡った先祖や仲間達が帰らなかった理由を見つけるまで帰らん!!」

腕を組み、二人に背を向け、春空を桜と共に眺めていた。
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