片倉くんと新田くん

多上陸夜

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莉佳は翔真と過ごす時間が多くなった事で、あの頃の3人の関係に戻りたい…戻れるのではと考えるようになっていた。
今まで離れていた暮らしていた為か翔真と過ごす時間が心地よく感じる。


煌と2人の時は言葉にしなかったが、莉佳の右側に翔真がいない寂しさを感じていた。
煌が隣にいても心が満たされなかった。
それもあって煌との関係が進展しなかったかもしれない。


「今日は翔真が日勤で少し遅れるくらいだから、一緒にご飯作るんだよね?」
隣を歩く煌の腕を掴みながら近づく。
「買い物して帰るから、大して帰宅時間は変わらないかもな」


自宅近くのスーパーへ立ち寄り、2人で買い物する。
メニューを決めてなかったが、魚の特売日だったので焼き魚で決定した。
余り手を加えなくてもいいから、時間も掛からない。
仕事が終わって、手が込んだものだと食べるまでに遅くなってしまう。
「焼き魚にサラダも食べたい」
莉佳がマカロニを手にしてカゴに入れる。
「マカロニなら、キュウリも買って行こう。レタスと人参は冷蔵庫にあるからな」
煌が野菜売り場でキュウリを選んだ後、会計し店を出る。


煌の自宅に着いて荷物を降ろすと、翔真が来るまで休憩する。

テレビをつけて莉佳がソファに座ると、煌も隣に座る。
煌は莉佳を抱き寄せて額に口付ける。2人にとっては、自然な流れで特に莉佳も気にしない。
「莉佳…」
煌が莉佳の口唇へ口吻るとそのまま舌を絡ませてくる。莉佳は耐えきれず煌の胸に手を添えて煌の服を掴む。
「煌くん…?」
いつもは軽いスキンシップで終わるはずで、いつもと違う行為に煌の名を呼んだ。
「嫌か?」
莉佳は首を横に振って「嫌じゃないよ?」と答えるが、煌の行為が気になってしまう。


煌は莉佳を大切に思ってか、キスから先はまだだった。
そういう流れになった事はあるが、莉佳が緊張したり不安に思ったりしていると、煌は無理には続けなかった。
莉佳はそんな煌の優しさも嬉しかったが、無理強いされたとしても受け入れる気持ちでいた。

莉佳はソファへ押し倒され、煌が更に深く舌を絡ませてくる。
洩れる吐息が室内に響く。
このまま煌と……と覚悟を決める莉佳。

煌の手が莉佳の胸元のボタンを外しながら、首筋へと口唇を移動させていく。首元を強く吸われ、今度は胸を刺激されると、莉佳は煌の身体を押して拒否してしまう。
莉佳の思いに反して、身体が拒否していた。

「もう、翔真が来ちゃうから………」
なんとか理由を見つけて、煌を見る。
煌も気持ちを落ち着かせるように「そうだったな」と莉佳から離れようと身体を離す。

そのまま煌が離れてしまうのが怖くて、莉佳は煌の首に絡みつき口吻た。
煌は一瞬驚いたがそのまま莉佳を抱き締めて、莉佳からの口吻を受け入れた。

莉佳が離れるまで抱き合った。

煌がトイレに立つと、莉佳は衣服を整える。



それから数分後には玄関チャイムが鳴り、翔真が到着していた。




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