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最終章 後編
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最終章 後編
フェンリルとグレンたちが出て行って、入れ替わりにニバール国の傭兵達が入って来た。
ザラは足の付け根までスリットが入った真っ赤なタイトドレスで相変わらず色っぽい。
マルケスたちはいつもと違うビシッとした服装で、髭も剃って髪も整えていて、知らない人が見ると、傭兵には見えないだろう。 特にスーガはどこかの王子様のようだ。
俺が本当の王子様だったんだけどね······
アージェスは少し落ち着いたパステルピンクのパンツスーツで、いつものように片側の上でくくった髪にも同色のリボンが付いている。
そんなアージェスが真っ赤な顔をして俺の前に来た。
「アージェス先生、もう酔っぱらっているのですか?」
「そんなわけがないだろう!! それより、さっき出て行った銀髪の男はだれだ?」
ドアの方を指差す。
「銀髪の男?······あぁ、フェンリルですよ」
「そうか、あれがフェン·········?!」
「「「えぇぇぇぇ~~~~っ!!」」」
全員が驚いてフェンリルが出て行ったドアの方を振り返った。
「俺も知りませんでした」
笑うしかなかった。
少し遅れてスタンリー兄弟が入ってきた。
「シークさん! ご結婚おめでとうございます!!」
「ありがとう。 それよりアクトさんが竜生神になられたそうで、おめでとうございます」
スタンリー兄弟の兄が昨年、ドラゴンを生んだと便りが来た。 水と岩を持っているという事だ。 肩に現れたのは体が水色で翼だけが茶色いドラゴンで、名前がジェウクという。
そして昔に言っていたドラゴン型の花火が完成したので、今夜打ち上げる予定にしているという事だ。
とても楽しみだ。
◇◇◇◇
執事のオシガンが入ってきた。
「そろそろお時間です。 レイ様もご準備をお願いします」
「やっぱりイヤだ!」
なぜかそう言って、ふくれてそっぽを向いている。
「レイの準備? なにをするんだ?」
レイが何かするというのは聞いていない。 俺の肩の上でオシガンに背を向けて嫌がっている。
「レイ様。 レイ様がご自分からミンミ様とフラワーボーイをするとおっしゃったのですよ。 今更止められても困ります」
「レイ、俺のために花をまく役をかって出てくれたのか? 感激だなぁ~~! でもその籠を持つのは大変じゃないか?」
可愛いドラゴンの姿で、ミンミと一緒に花を撒きながら俺たちの前を歩く姿を想像した。
それはとても可愛くて嬉しいのだが······
何と言ってもオシガンが持っている花籠はレイと同じくらいの大きさがある。 飛びながら撒くのかなぁ?
「レイ? なんで嫌なんだ?」
「······」
俺の頭の後ろに隠れるようにしてしがみついているレイに、オシガンは手に持つ花が満杯に入った籠を差し出す。
「レイ様!」
「······」
レイはちらりと花籠に目をやった。
「レイ?」
レイは俺とオシガンを見比べて、はぁ~~っと、溜息をついた。
「······しかたがないなぁ······」
肩から降りてきたレイがパッと目の前で6~7歳の男の子の姿に変わった。
「わぁっ! レイも人型になれたのか? 可愛い~ぞ!」
120メルクほどの金髪で目がクリっとしたとてもかわいい男の子だ。 草色のジャケットと膝丈の半ズボンをはいて赤い蝶ネクタイがとてもかわいい。
少しふくれっ面のまま花籠を持って一緒に部屋を出た。
◇◇◇◇
大聖堂の入り口の前で待っていると、アニエッタが侍女に案内されて来た。
仮縫いや試着で何度も見ているが、ウエディングドレス姿はやはり輝いているように美しい。
俺の横に来たので腕を差し出すと、少し照れながらも腕を通してきた
「キレイだよ。 ガドル先生に見てほしかったな」
「きっと見ていてくれていますわ」
「そうだな······」
そういえば侍女以外にアニエッタの横に15~16歳のキレイな女性がいる。 レイと同じような草色の膝丈のドレスを着ていて、アニエッタと同じプラチナの美しい髪に花冠を付けている。
「もしかして、ミンミか?!」
ミンミは恥ずかし気に頷いた。
「いやぁ~! 可愛いなぁ~······ なっ! レイ!」
レイは真っ赤になって小さく頷くが、ミンミの横に行くのを嫌がっている。
――― そうか。 レイの方が若くて小さいから······それで嫌がっていたのか。 やっぱり男だなぁ! ―――
――― ミンミって何歳くらいなのかな?······ドラゴンの年齢なんて分からないや ―――
――― ちょっと待て······今まで気にした事はなかったが······アニエッタって、確実に俺より年上だよな······?!! ―――
「それでは参ります」
オシガンが大聖堂の扉を押し開くと、中から美しい音楽が流れてきた。
レイとミンミが花を撒くバージンロードを、俺とアニエッタは腕を組んで、ゆっくりと歩き出した。
E N D
フェンリル
「最後まで、我の物語を読んでくれて、感謝するぞ!! ガハハハハ!!」
シーク
「だから笑い方が下品なんだよ。 それに俺の物語だし」
レイ
「タイトルの名前は僕だよ!」
シーク
「サブタイトルは俺の事だろ」
フェンリル
「こら!作者!! タイトルは《伝説の霊獣 フェンリル》の間違いじゃないのか?!」
シーク
「はぁ~~··········」
本当に E N D
フェンリルとグレンたちが出て行って、入れ替わりにニバール国の傭兵達が入って来た。
ザラは足の付け根までスリットが入った真っ赤なタイトドレスで相変わらず色っぽい。
マルケスたちはいつもと違うビシッとした服装で、髭も剃って髪も整えていて、知らない人が見ると、傭兵には見えないだろう。 特にスーガはどこかの王子様のようだ。
俺が本当の王子様だったんだけどね······
アージェスは少し落ち着いたパステルピンクのパンツスーツで、いつものように片側の上でくくった髪にも同色のリボンが付いている。
そんなアージェスが真っ赤な顔をして俺の前に来た。
「アージェス先生、もう酔っぱらっているのですか?」
「そんなわけがないだろう!! それより、さっき出て行った銀髪の男はだれだ?」
ドアの方を指差す。
「銀髪の男?······あぁ、フェンリルですよ」
「そうか、あれがフェン·········?!」
「「「えぇぇぇぇ~~~~っ!!」」」
全員が驚いてフェンリルが出て行ったドアの方を振り返った。
「俺も知りませんでした」
笑うしかなかった。
少し遅れてスタンリー兄弟が入ってきた。
「シークさん! ご結婚おめでとうございます!!」
「ありがとう。 それよりアクトさんが竜生神になられたそうで、おめでとうございます」
スタンリー兄弟の兄が昨年、ドラゴンを生んだと便りが来た。 水と岩を持っているという事だ。 肩に現れたのは体が水色で翼だけが茶色いドラゴンで、名前がジェウクという。
そして昔に言っていたドラゴン型の花火が完成したので、今夜打ち上げる予定にしているという事だ。
とても楽しみだ。
◇◇◇◇
執事のオシガンが入ってきた。
「そろそろお時間です。 レイ様もご準備をお願いします」
「やっぱりイヤだ!」
なぜかそう言って、ふくれてそっぽを向いている。
「レイの準備? なにをするんだ?」
レイが何かするというのは聞いていない。 俺の肩の上でオシガンに背を向けて嫌がっている。
「レイ様。 レイ様がご自分からミンミ様とフラワーボーイをするとおっしゃったのですよ。 今更止められても困ります」
「レイ、俺のために花をまく役をかって出てくれたのか? 感激だなぁ~~! でもその籠を持つのは大変じゃないか?」
可愛いドラゴンの姿で、ミンミと一緒に花を撒きながら俺たちの前を歩く姿を想像した。
それはとても可愛くて嬉しいのだが······
何と言ってもオシガンが持っている花籠はレイと同じくらいの大きさがある。 飛びながら撒くのかなぁ?
「レイ? なんで嫌なんだ?」
「······」
俺の頭の後ろに隠れるようにしてしがみついているレイに、オシガンは手に持つ花が満杯に入った籠を差し出す。
「レイ様!」
「······」
レイはちらりと花籠に目をやった。
「レイ?」
レイは俺とオシガンを見比べて、はぁ~~っと、溜息をついた。
「······しかたがないなぁ······」
肩から降りてきたレイがパッと目の前で6~7歳の男の子の姿に変わった。
「わぁっ! レイも人型になれたのか? 可愛い~ぞ!」
120メルクほどの金髪で目がクリっとしたとてもかわいい男の子だ。 草色のジャケットと膝丈の半ズボンをはいて赤い蝶ネクタイがとてもかわいい。
少しふくれっ面のまま花籠を持って一緒に部屋を出た。
◇◇◇◇
大聖堂の入り口の前で待っていると、アニエッタが侍女に案内されて来た。
仮縫いや試着で何度も見ているが、ウエディングドレス姿はやはり輝いているように美しい。
俺の横に来たので腕を差し出すと、少し照れながらも腕を通してきた
「キレイだよ。 ガドル先生に見てほしかったな」
「きっと見ていてくれていますわ」
「そうだな······」
そういえば侍女以外にアニエッタの横に15~16歳のキレイな女性がいる。 レイと同じような草色の膝丈のドレスを着ていて、アニエッタと同じプラチナの美しい髪に花冠を付けている。
「もしかして、ミンミか?!」
ミンミは恥ずかし気に頷いた。
「いやぁ~! 可愛いなぁ~······ なっ! レイ!」
レイは真っ赤になって小さく頷くが、ミンミの横に行くのを嫌がっている。
――― そうか。 レイの方が若くて小さいから······それで嫌がっていたのか。 やっぱり男だなぁ! ―――
――― ミンミって何歳くらいなのかな?······ドラゴンの年齢なんて分からないや ―――
――― ちょっと待て······今まで気にした事はなかったが······アニエッタって、確実に俺より年上だよな······?!! ―――
「それでは参ります」
オシガンが大聖堂の扉を押し開くと、中から美しい音楽が流れてきた。
レイとミンミが花を撒くバージンロードを、俺とアニエッタは腕を組んで、ゆっくりと歩き出した。
E N D
フェンリル
「最後まで、我の物語を読んでくれて、感謝するぞ!! ガハハハハ!!」
シーク
「だから笑い方が下品なんだよ。 それに俺の物語だし」
レイ
「タイトルの名前は僕だよ!」
シーク
「サブタイトルは俺の事だろ」
フェンリル
「こら!作者!! タイトルは《伝説の霊獣 フェンリル》の間違いじゃないのか?!」
シーク
「はぁ~~··········」
本当に E N D
応援ありがとうございます!
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最後まで楽しませていただきました!
シークとレイとフェンリルの道中をもっと読んでいたいなあ。
ともあれ、素敵なお話をどうもありがとうございました!
読了!!ありがとうございました!!
(*≧∀≦)人(≧∀≦*)♪
生意気なフェンリルは、私も好きなキャラクターです。
また次の小説も投稿しますので、お時間がありましたらよろしくお願いします(#^.^#)
杏子
少しずつ読んでいる者です。
場面の風景なども分かりやすく、この文章量を1日単位で書かれてるのがすごいなと思いました。
初めて感想をいただけて感激しています!!
実はすでに完結している小説を小出しにしているのです。
感心していただいたのに、お恥ずかしい(。>д<)
まだまだ続きますので、よろしくお願い致します
m(_ _)m