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一家団結
119話:あさこちゃんの真実
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堂々と自分が座敷童子だったと白状したつかさを見て、
「いやいやいや、ないないない、性別変わってるし」
美園が大慌てで否定する。
「変わってない。俺は昔から男だったし、お前たちが勝手に女の子だと思っただけだ」
「でも、髪も長かったしスカートを履いてたじゃない」
栄子がおろおろすると、大したことではないとつかさが答える。
「今時髪が長くてスカート履いてたら女の子だなんて、型にはめすぎですよ」
「まぁ……そうだけど」
困った栄子が美園に助け舟を求めたので、代わりに確認する。
「それはそうだけど、じゃあ仮に男の子だとして小さな子供一人であんなところで何してたのよ」
「何をしてたのか。……それに関しては皆さんの想像が当たってます。俺、DV受けてたんです」
「……え?」
元樹と勇治が反応する。
「父親が離婚して母親に引き取られることになったんですけど、母親が新しい男と住み始めてから俺が邪魔になったみたいで。元々女の子が欲しいってことで、着せ替え人形みたいに女ものの服を着せて2人で大笑いしてました」
「じゃあ、つかさくんは母親のもとから逃げ出してあの神社へ?」
栄子の問いに、つかさは困ったように返事を返す。
「それならまだマシですよ。俺、捨てられたんです」
それを聞いて、誠とトワが驚きで目を見開く。
「俺が邪魔だったんで、母親の恋人が俺を神社に捨てたんです。母親には祖母の家に押し付けてきたって言ってたらしいけど」
「だから、なかなか迎えが来なかったんだな」
合点がいったというように元樹は大きく頷く。
「でも、なんで名前まで嘘ついたんだ」
勇治の素朴な疑問に、つかさはおもしろそうに答えを返す。
「それは勇治さんの読み間違えですよ。俺はローマ字でTUKASAって書いたけど、それを逆から読んだあげく、読めるところだけ拾ったからASAKU。UがOに見えたのかもしれないけど、なんだかあさこってことになっちゃって」
今でこそ秀才と呼ばれる勇治だが、勉強に目覚めたのは中学に入ってからのこと。この当時は驚くほどアホだった。
一家の呆れたような視線を感じたため、勇治は引き下がれなくなった。
「はぁ、名前間違えはお前が悪いんだろ。違ってるなら違うって言えよ。喋れるなら声を出しゃよかったじゃないか。それを最後の日に一言だけなんて『また来ます』って、どんだけミステリアスなんだよ」
「いやいや、すいません」
つかさが頭を掻きながら笑い、ため息をついて事情を説明する。
「俺なんかが喋っちゃだめだと思ったんです」
「どいういう意味?」
眉をひそめて美園が尋ねる。
「声を出すなうるさい、笑うな気持ち悪い、泣くな鬱陶しい、んでもって死ね」
つかさの言葉を聞いて、ヒートアップしていた勇治の勢いがダウンする。
「俺、家でそうやって教育されてたから。ずっと声も出さなかったし、笑いもしなかったし、泣くなんてもってのほか。殴られるから我慢してたんですよ」
あまりのことに一家は言葉を失う。トワも苦しそうな表情でつかさを見た。
「いやいやいや、ないないない、性別変わってるし」
美園が大慌てで否定する。
「変わってない。俺は昔から男だったし、お前たちが勝手に女の子だと思っただけだ」
「でも、髪も長かったしスカートを履いてたじゃない」
栄子がおろおろすると、大したことではないとつかさが答える。
「今時髪が長くてスカート履いてたら女の子だなんて、型にはめすぎですよ」
「まぁ……そうだけど」
困った栄子が美園に助け舟を求めたので、代わりに確認する。
「それはそうだけど、じゃあ仮に男の子だとして小さな子供一人であんなところで何してたのよ」
「何をしてたのか。……それに関しては皆さんの想像が当たってます。俺、DV受けてたんです」
「……え?」
元樹と勇治が反応する。
「父親が離婚して母親に引き取られることになったんですけど、母親が新しい男と住み始めてから俺が邪魔になったみたいで。元々女の子が欲しいってことで、着せ替え人形みたいに女ものの服を着せて2人で大笑いしてました」
「じゃあ、つかさくんは母親のもとから逃げ出してあの神社へ?」
栄子の問いに、つかさは困ったように返事を返す。
「それならまだマシですよ。俺、捨てられたんです」
それを聞いて、誠とトワが驚きで目を見開く。
「俺が邪魔だったんで、母親の恋人が俺を神社に捨てたんです。母親には祖母の家に押し付けてきたって言ってたらしいけど」
「だから、なかなか迎えが来なかったんだな」
合点がいったというように元樹は大きく頷く。
「でも、なんで名前まで嘘ついたんだ」
勇治の素朴な疑問に、つかさはおもしろそうに答えを返す。
「それは勇治さんの読み間違えですよ。俺はローマ字でTUKASAって書いたけど、それを逆から読んだあげく、読めるところだけ拾ったからASAKU。UがOに見えたのかもしれないけど、なんだかあさこってことになっちゃって」
今でこそ秀才と呼ばれる勇治だが、勉強に目覚めたのは中学に入ってからのこと。この当時は驚くほどアホだった。
一家の呆れたような視線を感じたため、勇治は引き下がれなくなった。
「はぁ、名前間違えはお前が悪いんだろ。違ってるなら違うって言えよ。喋れるなら声を出しゃよかったじゃないか。それを最後の日に一言だけなんて『また来ます』って、どんだけミステリアスなんだよ」
「いやいや、すいません」
つかさが頭を掻きながら笑い、ため息をついて事情を説明する。
「俺なんかが喋っちゃだめだと思ったんです」
「どいういう意味?」
眉をひそめて美園が尋ねる。
「声を出すなうるさい、笑うな気持ち悪い、泣くな鬱陶しい、んでもって死ね」
つかさの言葉を聞いて、ヒートアップしていた勇治の勢いがダウンする。
「俺、家でそうやって教育されてたから。ずっと声も出さなかったし、笑いもしなかったし、泣くなんてもってのほか。殴られるから我慢してたんですよ」
あまりのことに一家は言葉を失う。トワも苦しそうな表情でつかさを見た。
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