モデルファミリー <完結済み>

MARU助

文字の大きさ
121 / 146
一家団結

119話:あさこちゃんの真実

しおりを挟む
 堂々と自分が座敷童子だったと白状したつかさを見て、

「いやいやいや、ないないない、性別変わってるし」

 美園が大慌てで否定する。

「変わってない。俺は昔から男だったし、お前たちが勝手に女の子だと思っただけだ」
「でも、髪も長かったしスカートを履いてたじゃない」

 栄子がおろおろすると、大したことではないとつかさが答える。

「今時髪が長くてスカート履いてたら女の子だなんて、型にはめすぎですよ」
「まぁ……そうだけど」

 困った栄子が美園に助け舟を求めたので、代わりに確認する。

「それはそうだけど、じゃあ仮に男の子だとして小さな子供一人であんなところで何してたのよ」
「何をしてたのか。……それに関しては皆さんの想像が当たってます。俺、DV受けてたんです」
「……え?」

 元樹と勇治が反応する。

「父親が離婚して母親に引き取られることになったんですけど、母親が新しい男と住み始めてから俺が邪魔になったみたいで。元々女の子が欲しいってことで、着せ替え人形みたいに女ものの服を着せて2人で大笑いしてました」
「じゃあ、つかさくんは母親のもとから逃げ出してあの神社へ?」

 栄子の問いに、つかさは困ったように返事を返す。

「それならまだマシですよ。俺、捨てられたんです」

 それを聞いて、誠とトワが驚きで目を見開く。

「俺が邪魔だったんで、母親の恋人が俺を神社に捨てたんです。母親には祖母の家に押し付けてきたって言ってたらしいけど」
「だから、なかなか迎えが来なかったんだな」

 合点がいったというように元樹は大きく頷く。

「でも、なんで名前まで嘘ついたんだ」

 勇治の素朴な疑問に、つかさはおもしろそうに答えを返す。

「それは勇治さんの読み間違えですよ。俺はローマ字でTUKASAって書いたけど、それを逆から読んだあげく、読めるところだけ拾ったからASAKU。UがOに見えたのかもしれないけど、なんだかあさこってことになっちゃって」

 今でこそ秀才と呼ばれる勇治だが、勉強に目覚めたのは中学に入ってからのこと。この当時は驚くほどアホだった。
 一家の呆れたような視線を感じたため、勇治は引き下がれなくなった。

「はぁ、名前間違えはお前が悪いんだろ。違ってるなら違うって言えよ。喋れるなら声を出しゃよかったじゃないか。それを最後の日に一言だけなんて『また来ます』って、どんだけミステリアスなんだよ」
「いやいや、すいません」

 つかさが頭を掻きながら笑い、ため息をついて事情を説明する。

「俺なんかが喋っちゃだめだと思ったんです」
「どいういう意味?」

 眉をひそめて美園が尋ねる。

「声を出すなうるさい、笑うな気持ち悪い、泣くな鬱陶しい、んでもって死ね」

 つかさの言葉を聞いて、ヒートアップしていた勇治の勢いがダウンする。

「俺、家でそうやって教育されてたから。ずっと声も出さなかったし、笑いもしなかったし、泣くなんてもってのほか。殴られるから我慢してたんですよ」

 あまりのことに一家は言葉を失う。トワも苦しそうな表情でつかさを見た。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

老聖女の政略結婚

那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。 六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。 しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。 相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。 子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。 穏やかな余生か、嵐の老後か―― 四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

処理中です...