120 / 146
一家団結
118話:ただいま戻ってまいりました座敷童子です
しおりを挟む
「おい、皆! 手を出せ!」
元樹が一家を集合させ、恒例の円陣を組み始める。
「おい、こんな時に何やってんだよ。今はそんな場合じゃないだろ」
呆れたように首を振る勇治に向かって、元樹は素早く切り返す。
「こんな時だからだよ! こんな時だからやるんだ!」
普段の元樹と様子が違って、声に力がこもっている。
その様子に、栄子が素早く反応を示す。
「そうよ、今だからやらないと。命がけのミッションになるわよ」
それを聞いて、美園と勇治もごくりと息を呑む。
元樹の上に栄子、そして美園と勇治、次いで誠がトワの手を引いて2人でその上に手を重ねる。
その様子を興味深そうに眺めていたつかさに、美園が声をかける。
「つかさ、あんたもよ」
「いやいや、俺はいいよ。他人だし」
そう言って手をひらひらと振って断ろうとしたところへ、元樹の一声が飛ぶ。
「何言ってんだ、お前ももう家族だ!」
「へ?」
「俺たちみたいなバカに付き合って、こんなとこまでついてきたんだ。もう家族みたいなもんだろ」
元樹のその言葉を聞いた一家は、互いに視線を交わし合って大きく頷く。その意見に誰も異論はないようだ。
世良田一家の決意に満ちた表情を前に、つかさはしばらく呆然としていたが次第に口元をほころばせ始めた。
そして、一旦俯いて何事が呟いた後、勢いよく顔を上げると挑戦的な口調で話し始める。
「やっと、言ってくれましたね、俺の聞きたかった言葉」
「なんだ?」
「あの日、世良田一家が俺に言ったセリフですよ。『あなたは私たちの家族よ、いつでも帰っておいで』って」
「――――……?」
つかさの言葉をすぐに理解できたものはいなかった。しかし、誠だけは全て承知だというように、笑顔でこう答えた。
「やっぱりそうじゃないかと思ってたんだ。つかさ兄ちゃんがあさこちゃんだったんだね」
「――――……?」
ほんの一瞬の沈黙ののち、
「えええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!」
一家の大絶叫が響き渡った。
事態を理解できていないトワだけは、鼓膜を傷めないようしっかり耳を塞ぎ目を丸くしている。
大混乱に陥った一家を前に、つかさは余裕の態度で宣言した。
「ただいま戻ってまいりました座敷童子です。俺が一家の側にいるからには百人力。絶対に幸運が舞い込んでくるぜ」
元樹が一家を集合させ、恒例の円陣を組み始める。
「おい、こんな時に何やってんだよ。今はそんな場合じゃないだろ」
呆れたように首を振る勇治に向かって、元樹は素早く切り返す。
「こんな時だからだよ! こんな時だからやるんだ!」
普段の元樹と様子が違って、声に力がこもっている。
その様子に、栄子が素早く反応を示す。
「そうよ、今だからやらないと。命がけのミッションになるわよ」
それを聞いて、美園と勇治もごくりと息を呑む。
元樹の上に栄子、そして美園と勇治、次いで誠がトワの手を引いて2人でその上に手を重ねる。
その様子を興味深そうに眺めていたつかさに、美園が声をかける。
「つかさ、あんたもよ」
「いやいや、俺はいいよ。他人だし」
そう言って手をひらひらと振って断ろうとしたところへ、元樹の一声が飛ぶ。
「何言ってんだ、お前ももう家族だ!」
「へ?」
「俺たちみたいなバカに付き合って、こんなとこまでついてきたんだ。もう家族みたいなもんだろ」
元樹のその言葉を聞いた一家は、互いに視線を交わし合って大きく頷く。その意見に誰も異論はないようだ。
世良田一家の決意に満ちた表情を前に、つかさはしばらく呆然としていたが次第に口元をほころばせ始めた。
そして、一旦俯いて何事が呟いた後、勢いよく顔を上げると挑戦的な口調で話し始める。
「やっと、言ってくれましたね、俺の聞きたかった言葉」
「なんだ?」
「あの日、世良田一家が俺に言ったセリフですよ。『あなたは私たちの家族よ、いつでも帰っておいで』って」
「――――……?」
つかさの言葉をすぐに理解できたものはいなかった。しかし、誠だけは全て承知だというように、笑顔でこう答えた。
「やっぱりそうじゃないかと思ってたんだ。つかさ兄ちゃんがあさこちゃんだったんだね」
「――――……?」
ほんの一瞬の沈黙ののち、
「えええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!」
一家の大絶叫が響き渡った。
事態を理解できていないトワだけは、鼓膜を傷めないようしっかり耳を塞ぎ目を丸くしている。
大混乱に陥った一家を前に、つかさは余裕の態度で宣言した。
「ただいま戻ってまいりました座敷童子です。俺が一家の側にいるからには百人力。絶対に幸運が舞い込んでくるぜ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる