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一家団結
117話:トワの暗殺計画
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地球まるごと吹っ飛ぶ。
勇治の言葉は実に分かりやすいものだった。
地球がなくなれば戦争どころではない、46億年という途方もない歴史が自分たちの時代で終焉してしまうかもしれないのだ。
「アメリカやロシアがここに注目していたのはこういうわけだったのか」
つかさが父親から入手した情報が、ようやくここにきて繋がり始めていた。
「しかも、待てよ。これは……」
スマホ画面を指でスワイプしたり拡大していた勇治が、ある一点で動きを止める。
「大変だ、ユグドリアはすでにこの物質を核兵器に応用しはじめてる。万が一の際にはこのオペラハウスが砲撃台になるみたいだぜ」
「なんだって」
悲鳴をあげて元樹が画面をのぞき込むが、さっぱり理解できない。
ただ、勇治の話していることが本当ならとんでもない事態だ。
国際社会の連携を無視して、ユグドリアは核兵器を製造し、軍事国家に舵を切ろうとしているのだ。
「この設計図だと日本はもちろん、米国、ヨーロッパも射程圏内だ。てか、ユグドリアって平和主義国家だよな。なのになんでこんなもんが必要なんだ?」
勇治の純粋な疑問を受けて、栄子がトワに答えを求める。
「トワ君何か知ってる?」
その問いに、トワは青い顔をしてぶんぶんと首を振る。
「僕は何も。ユグドリアに観光客を呼び込むための素晴らしい施設だとしか」
「トワ君が知らないってことは、当然国民も知らされてないわよね」
栄子の言葉を聞いて、誠はふと何かを思いついたように口を開く。
「そういえばマツムラが言ってた。トワが暗殺されれば、オペラハウスも真の意味を持って迎えられるだろうって。トワが死んだらマツムラがユグドリアの頂点に立つつもりだよ」
「なるほどな」
つかさがニヤリと笑う。
「あいつの描いた構図が見えたきたぜ」
皆はつかさの話に耳をすませる。
「マツムラの目的は、オペラハウスを隠れ箕とした核兵器製造で間違いないだろう。もちろん平和国家の国民がそんなもん許すわけない。そこで、トワの暗殺だ」
皆の注目を浴び、トワは固唾をのんでつかさの言葉を待った。
「トワは国民に愛される王子だ。その王子が他国のテロリストに暗殺されたとなれば、さすがの国民も黙っちゃいられない。自国が平和を謳っていても、攻撃されるんだ。自分たちを守るため、武器は必要になってくるだろう。ユグドリアは王子暗殺を大義名分に、軍事大国の道を歩むだろうな」
「じゃあ今回の来日目的も?」
「ああ、内密ってことにはなってるけど、キロッスが日本に潜伏してるという噂はテレビでも流れてる。恐らく世界に向けてのアピールってとこだろうな。ユグドリアは危険に晒されているって。だからいざとなった時、彼らが武器を手に立ち上がっても、他国も強い姿勢には出れないだろう」
その時、ふと美園の中で何かが弾けた。
「ちょっと待って。トワくんを殺しても第一王子である城島先輩が現れた今、マツムラは国王にはなれないよね。先輩のことが邪魔なんじゃ……」
皆は一様に静まり返ったが、その後の行動は早かった。
「さっき先輩のこと地下に連れていけって命令してたよね」
元樹は「そうだ」と頷き、首尾よく采配をふるう。
「誠と栄子と美園はここにいなさい。残りの男達で地下に行こう」
そう言った元樹の言葉に誠は首を振る。
「トワと一緒に行く」
その目を見れば決心は揺らぎそうもないと分かった。
いつもニコニコしているだけの誠が、今日一日でいろんな表情を見せてくれた。
成長したな、と元樹は胸を熱くする。
勇治の言葉は実に分かりやすいものだった。
地球がなくなれば戦争どころではない、46億年という途方もない歴史が自分たちの時代で終焉してしまうかもしれないのだ。
「アメリカやロシアがここに注目していたのはこういうわけだったのか」
つかさが父親から入手した情報が、ようやくここにきて繋がり始めていた。
「しかも、待てよ。これは……」
スマホ画面を指でスワイプしたり拡大していた勇治が、ある一点で動きを止める。
「大変だ、ユグドリアはすでにこの物質を核兵器に応用しはじめてる。万が一の際にはこのオペラハウスが砲撃台になるみたいだぜ」
「なんだって」
悲鳴をあげて元樹が画面をのぞき込むが、さっぱり理解できない。
ただ、勇治の話していることが本当ならとんでもない事態だ。
国際社会の連携を無視して、ユグドリアは核兵器を製造し、軍事国家に舵を切ろうとしているのだ。
「この設計図だと日本はもちろん、米国、ヨーロッパも射程圏内だ。てか、ユグドリアって平和主義国家だよな。なのになんでこんなもんが必要なんだ?」
勇治の純粋な疑問を受けて、栄子がトワに答えを求める。
「トワ君何か知ってる?」
その問いに、トワは青い顔をしてぶんぶんと首を振る。
「僕は何も。ユグドリアに観光客を呼び込むための素晴らしい施設だとしか」
「トワ君が知らないってことは、当然国民も知らされてないわよね」
栄子の言葉を聞いて、誠はふと何かを思いついたように口を開く。
「そういえばマツムラが言ってた。トワが暗殺されれば、オペラハウスも真の意味を持って迎えられるだろうって。トワが死んだらマツムラがユグドリアの頂点に立つつもりだよ」
「なるほどな」
つかさがニヤリと笑う。
「あいつの描いた構図が見えたきたぜ」
皆はつかさの話に耳をすませる。
「マツムラの目的は、オペラハウスを隠れ箕とした核兵器製造で間違いないだろう。もちろん平和国家の国民がそんなもん許すわけない。そこで、トワの暗殺だ」
皆の注目を浴び、トワは固唾をのんでつかさの言葉を待った。
「トワは国民に愛される王子だ。その王子が他国のテロリストに暗殺されたとなれば、さすがの国民も黙っちゃいられない。自国が平和を謳っていても、攻撃されるんだ。自分たちを守るため、武器は必要になってくるだろう。ユグドリアは王子暗殺を大義名分に、軍事大国の道を歩むだろうな」
「じゃあ今回の来日目的も?」
「ああ、内密ってことにはなってるけど、キロッスが日本に潜伏してるという噂はテレビでも流れてる。恐らく世界に向けてのアピールってとこだろうな。ユグドリアは危険に晒されているって。だからいざとなった時、彼らが武器を手に立ち上がっても、他国も強い姿勢には出れないだろう」
その時、ふと美園の中で何かが弾けた。
「ちょっと待って。トワくんを殺しても第一王子である城島先輩が現れた今、マツムラは国王にはなれないよね。先輩のことが邪魔なんじゃ……」
皆は一様に静まり返ったが、その後の行動は早かった。
「さっき先輩のこと地下に連れていけって命令してたよね」
元樹は「そうだ」と頷き、首尾よく采配をふるう。
「誠と栄子と美園はここにいなさい。残りの男達で地下に行こう」
そう言った元樹の言葉に誠は首を振る。
「トワと一緒に行く」
その目を見れば決心は揺らぎそうもないと分かった。
いつもニコニコしているだけの誠が、今日一日でいろんな表情を見せてくれた。
成長したな、と元樹は胸を熱くする。
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