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連載
246.
ソフィアちゃんのお父さんが言った通り、この地方は平地が多いようだった。山をくだってしばらく行くと、すぐに草原に囲まれる。
乾燥した風が窓から入ってきて、ソフィアちゃんの髪の毛を揺らす。綺麗な銀色の髪の毛は、ゆらゆら揺れながら、私の頬をくすぐった。
少しこそばゆい~。
「エトワさまの髪がくすぐったいです」
私の髪も、ソフィアちゃんをくすぐっていたようだった。
私たちは顔を見合わせて微笑みを浮かべた。
窓の外には少し枯れた草原と、点々と転がる白い岩が見える。
私がこの世界にやってきて、10年が経とうとしている。けれど、まだまだ見たことのない景色ばかりだ。
馬車がしばらく穏やかに進み続けると、きれいな湖と、その横に立ち並ぶ白い建物の群れが見えてきた。
「あれは、私たちの家から一番近い街です。少し寄っていきましょうか」
ソフィアちゃんのお父さんの宣言通り、馬車は街の入り口で止まった。
私たちは街に降り立つ。
降りての第一印象は、とっても白いということだった。
全ての家の壁は、白い石と漆喰のような素材でできている。石畳も白い石を加工したもののようだった。
「この周辺では石灰を含んだ石がたくさん取れるんです。それを建材にした家が多く建てられています」
ソフィアちゃんのお母さんが、そう教えてくれた。
街の門から入ると、門の近くで遊んでいた子供たちが、ソフィアちゃんたちを見て、目を丸くする。
「フィン侯爵さまたちだ!」
「町長に連絡だ!」
子供たちはそういって、どこかへと走っていってしまった。
近くで見ていた大人の女性が、慌てた表情でこちらに駆けてくる。
「あの子たちったら挨拶もせずに、申し訳ありません。フィン侯爵様。ようこそおいでくださいました」
「いえいえ、ちょっと様子を見に立ち寄っただけなので気にしないでください。とはいっても、町長がこちらに挨拶に来そうなので、私たちも向かった方が早そうですね」
ソフィアちゃんのお父さんは、気さくな感じで女性に応対する。
それは、学校で周りの人と接するときの、ソフィアちゃんの振る舞いとよく似ていた。
「ご案内いたしましょうか?」
「いえ、大丈夫です。道は知っていますし、あなたも仕事中のようですから」
実際、女性は洗濯している最中だった。女性がさっきまで扱っていた水桶には、泡がぶくぶくしている。
歩道を歩くソフィアちゃんたち家族の後ろについていきながら、私は街を見学した。
すると、私は街の不思議な点を見つけた。
白い家も綺麗でファンタジーな雰囲気だけど、その家のどの玄関にも銀色の槍が飾られているのだ。
それはコンビニやスーパーに立てられている『のぼり』みたいに、丸い筒に立てかけられている。
何かのおまじないだろうか?
さらに少し進むと、体格の良い男の人たちが釘とハンマーで石を叩いて加工していた。
「この街では石材を加工して、外の街にも売っているんです。良い石材は貴族の間でも高値で取引されます」
「へー、きれいですね~」
横に並べられた、完成品と思わしき石材は、滑らかでつるつる光っていてなんだか高級感があった。
パイシェン先輩の家にあってもおかしくないかもしれない。
加工場で働くお兄さんたちが、こちらに気づいて手を振ってきた。
「おおー、フィン侯爵様! おひさしぶりです! ご視察ですか?」
「ええ、みなさんもお変わりないようで」
「はい、俺たちは元気だけが取り柄ですから!」
そう言って、力こぶを作るお兄さんと笑顔でやりとりする、ソフィアちゃんご家族。
みんなから慕われているようだった。
お兄さんたちと別れて、町長の家に向かうのを再開すると、向こうからぞろぞろと人が歩いてくるのが見えた。
「あれは町長さんですね」
真ん中にいる、揃い髭のご老人が町長さんらしい。町長というより、長老といった風体だった。
長老とお付きの人たちもこちらに気づいたようで急いで駆け寄ってくる。
そしてソフィアちゃんたちの前に来ると、全員がズバッと頭を下げた。
「フィン侯爵様、ようこそ我が町においでくださいました!」
それをソフィアちゃんパパが手で制する。
「顔を上げてください。少し立ち寄っただけですから」
「そうですか、それでは早速……」
長老さんはそういって顔を上げると、近くの家に置かれていた銀の槍に手を置いた。
なんかの礼儀作法なのかなとそう思ったら、それを引き抜いて。
「いざ尋常に勝負願います!」
槍を振り回し、私たちに飛びかかってきた。
ええぇぇぇ……
※あとがき
なかなかペースあがらなくてすみません。小さくポツポツ更新していく予定なので、各自溜めて読んでくださったらなって思います。
この作品のコミカライズ2巻と、文庫版の2、3、4巻が発売しています。
コミカライズは担当してくださってるアスカ先生の素晴らしい絵と漫画力で、この作品のダメなところを補完していただいたりして、特に素敵な作品になっていて、さらに特典もリンクスくんファンには素敵なものなので、ぜひご購入を検討していただけたらと思います。
長いこと足踏みをしてしまったこの作品ですが、なんとかエトワが15歳になるまでの物語を書いて行きたいです。
※追記
「この小説のダメなところ」と書きたかった文章を、「この漫画のダメなところ」と書いてしまっていました。失礼な文章を書いてしまい、アスカ先生申し訳ありません。
ご指摘くださった読者さんに感謝です。
乾燥した風が窓から入ってきて、ソフィアちゃんの髪の毛を揺らす。綺麗な銀色の髪の毛は、ゆらゆら揺れながら、私の頬をくすぐった。
少しこそばゆい~。
「エトワさまの髪がくすぐったいです」
私の髪も、ソフィアちゃんをくすぐっていたようだった。
私たちは顔を見合わせて微笑みを浮かべた。
窓の外には少し枯れた草原と、点々と転がる白い岩が見える。
私がこの世界にやってきて、10年が経とうとしている。けれど、まだまだ見たことのない景色ばかりだ。
馬車がしばらく穏やかに進み続けると、きれいな湖と、その横に立ち並ぶ白い建物の群れが見えてきた。
「あれは、私たちの家から一番近い街です。少し寄っていきましょうか」
ソフィアちゃんのお父さんの宣言通り、馬車は街の入り口で止まった。
私たちは街に降り立つ。
降りての第一印象は、とっても白いということだった。
全ての家の壁は、白い石と漆喰のような素材でできている。石畳も白い石を加工したもののようだった。
「この周辺では石灰を含んだ石がたくさん取れるんです。それを建材にした家が多く建てられています」
ソフィアちゃんのお母さんが、そう教えてくれた。
街の門から入ると、門の近くで遊んでいた子供たちが、ソフィアちゃんたちを見て、目を丸くする。
「フィン侯爵さまたちだ!」
「町長に連絡だ!」
子供たちはそういって、どこかへと走っていってしまった。
近くで見ていた大人の女性が、慌てた表情でこちらに駆けてくる。
「あの子たちったら挨拶もせずに、申し訳ありません。フィン侯爵様。ようこそおいでくださいました」
「いえいえ、ちょっと様子を見に立ち寄っただけなので気にしないでください。とはいっても、町長がこちらに挨拶に来そうなので、私たちも向かった方が早そうですね」
ソフィアちゃんのお父さんは、気さくな感じで女性に応対する。
それは、学校で周りの人と接するときの、ソフィアちゃんの振る舞いとよく似ていた。
「ご案内いたしましょうか?」
「いえ、大丈夫です。道は知っていますし、あなたも仕事中のようですから」
実際、女性は洗濯している最中だった。女性がさっきまで扱っていた水桶には、泡がぶくぶくしている。
歩道を歩くソフィアちゃんたち家族の後ろについていきながら、私は街を見学した。
すると、私は街の不思議な点を見つけた。
白い家も綺麗でファンタジーな雰囲気だけど、その家のどの玄関にも銀色の槍が飾られているのだ。
それはコンビニやスーパーに立てられている『のぼり』みたいに、丸い筒に立てかけられている。
何かのおまじないだろうか?
さらに少し進むと、体格の良い男の人たちが釘とハンマーで石を叩いて加工していた。
「この街では石材を加工して、外の街にも売っているんです。良い石材は貴族の間でも高値で取引されます」
「へー、きれいですね~」
横に並べられた、完成品と思わしき石材は、滑らかでつるつる光っていてなんだか高級感があった。
パイシェン先輩の家にあってもおかしくないかもしれない。
加工場で働くお兄さんたちが、こちらに気づいて手を振ってきた。
「おおー、フィン侯爵様! おひさしぶりです! ご視察ですか?」
「ええ、みなさんもお変わりないようで」
「はい、俺たちは元気だけが取り柄ですから!」
そう言って、力こぶを作るお兄さんと笑顔でやりとりする、ソフィアちゃんご家族。
みんなから慕われているようだった。
お兄さんたちと別れて、町長の家に向かうのを再開すると、向こうからぞろぞろと人が歩いてくるのが見えた。
「あれは町長さんですね」
真ん中にいる、揃い髭のご老人が町長さんらしい。町長というより、長老といった風体だった。
長老とお付きの人たちもこちらに気づいたようで急いで駆け寄ってくる。
そしてソフィアちゃんたちの前に来ると、全員がズバッと頭を下げた。
「フィン侯爵様、ようこそ我が町においでくださいました!」
それをソフィアちゃんパパが手で制する。
「顔を上げてください。少し立ち寄っただけですから」
「そうですか、それでは早速……」
長老さんはそういって顔を上げると、近くの家に置かれていた銀の槍に手を置いた。
なんかの礼儀作法なのかなとそう思ったら、それを引き抜いて。
「いざ尋常に勝負願います!」
槍を振り回し、私たちに飛びかかってきた。
ええぇぇぇ……
※あとがき
なかなかペースあがらなくてすみません。小さくポツポツ更新していく予定なので、各自溜めて読んでくださったらなって思います。
この作品のコミカライズ2巻と、文庫版の2、3、4巻が発売しています。
コミカライズは担当してくださってるアスカ先生の素晴らしい絵と漫画力で、この作品のダメなところを補完していただいたりして、特に素敵な作品になっていて、さらに特典もリンクスくんファンには素敵なものなので、ぜひご購入を検討していただけたらと思います。
長いこと足踏みをしてしまったこの作品ですが、なんとかエトワが15歳になるまでの物語を書いて行きたいです。
※追記
「この小説のダメなところ」と書きたかった文章を、「この漫画のダメなところ」と書いてしまっていました。失礼な文章を書いてしまい、アスカ先生申し訳ありません。
ご指摘くださった読者さんに感謝です。
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