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第四章
奪還
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うーん、臀蝦蟇の研究所に来たのはいいもののどうやって奪還しようか………。
冬霧は頬をポリポリかきながら考えていた。
前に暗殺の依頼があったから暗殺専門の教師に暗殺術は教えてもらった事があるから、こっそり忍び込む事はできるけど性に合わないからな。
こうなったら、正面突破で行くか。
「能力《神速》を発動し行動に移る」
警備の奴らは峰打ちで眠らせておく事はできたが問題は中だな。
「安全装置解除」
『安全装置解除を承認します』
これで準備は整った。
冬霧は大きなドアを斬り刻んだ。
「誰だ、貴様!」
「率直に聞くけど、四條晃さんってどこにいるか案内してくれない?」
「誰が案内などするか!」
はぁ、普通いきなり撃ってくるか?仕方ないとりあえず近くにいる奴を見せしめに使うとするか。
「あんたらもこうなりたくなかったら案内してくれ」
「あっ!こいつ〝双剣の騎士〟だ!目にも見えない速さで敵を倒していくっていう」
「なに、本当なのか?」
「間違いない、腰にさげてる双剣とあの速さがその証拠だ!」
あーあ、バレちまったか。麻理が言ってた通り俺は裏の世界じゃあ有名らしいな。
でもあいつらが降伏しないだろうから、とっとと片付けるか。
それにぞろぞろと仲間が増えてきたし、面倒だ。
「冬霧流双剣術三式〝乱れ桜〟」
「さて、案内してもらおうか」
冬霧は一人だけ残し、他の連中は血を流し倒れていた。
残った一人はこのまま反抗しても勝てないと察し大人しく案内する事にしたのか、冬霧の言う事を聞いてくれた。
「失礼するよ、四條晃さんはいるか?」
「君は?どうやってここまで来たんだ?」
「ぶった斬って来ました」
「よくもやってくれたな〝双剣の騎士〟」
後ろを振り向くと、そこには大柄な男が斧を持って鋭い目つきで冬霧を睨んでいた。
「あんた、あいつらのリーダーってところか」
「そうだよくも俺の部下達を葬り去ってくれたなこれは礼だ!」
突然大柄の男が斧を振り下ろし、冬霧を血祭りにしようと思ったらしいがそれは失敗に終わった。
「いきなり攻撃仕掛てくることが礼なんて、変わってるな。じゃあこっちもお礼しないとな」
「冬霧流双剣術六式〝天蠡覇煌〟」
「君はもしかして〝双剣の騎士〟なのか?」
「そうだけど?」
聞かなくてもさっきこいつが、俺の二つ名呼んでたじゃねぇか。
そんな事よりも、早くここから脱出しよう。ここのボスが出てきちまう。
「さあ、あんた早くこっから脱出するぞ」
「無理だ、ここのボスに逆らったら麻理が殺される」
「どういう事だ?」
「私はここで武器を作り出す代わりに麻理の安全を保証されてる」
なるほど、交換条件ってわけかここのボスが考えそうな事だな。
なら話は簡単だ、ここのボスを斬ればいいだけの話だな。
「こんなところで何をしている〝双剣の騎士〟」
この声は間違いない、ボスだな。一度だけテレビに出ている所を見た事があったからな、この声は嫌でも忘れねぇ。
「お前を監獄送りにする為さ」
「世迷い言を、お前が俺に勝てるとでも?」
「やってやるさ、てめぇを監獄送りにするためにな!」
今、ここで戦闘が始まったら確実に四條晃さんは死ぬ事になるな、場所を変えるとしよう。
「ここまで来れるか、ボスさんよ!」
「あまり俺を舐めるなよ」
とりあえず広い場所に移動しよう、このままだとやりづらくてしょうがない。
「俺を監獄送りにするんじゃなかったのか?」
「やってやるよ!」
見えた、あそこなら広くて戦いやすい。
「これでお前を監獄送りにできるぜ」
「やってみな!」
向こうの武器は斧か、斧はリーチが長いぶん威力は大きい。その武器を軽々しく使えるなんてどんだけ筋肉あるんだよ………。
「ほらほら、さっきまでの威勢はどこにいったんだ?」
やはりボスはさっきまでの奴らとは違うな、防ぐのに精一杯だが《神速》を使ってあいつの背後に回り込んでも誘導されてたみたいに攻撃を仕掛けてくる。
「小僧如きが俺に勝てると思い違いをするなんて百年早いんだよ!」
まずい!あれを食らったらひとたまりもないぞ!
「よく見極めたな、今のはさっきまでとは違う威力だからな。一度でも食らったら終わりだ」
「そうらしいな……」
これからどう攻める、前に会長が使ったように合わせ技でもしてみるか?でも上手くいく可能性は低い。
一か八か、やってみるか。
「冬霧流双剣術二式〝雷峡〟四式〝澪彁斬〟」
「やるじゃないか、だがまだ甘い!」
「何!いないだと……」
「冬霧流双剣術五式〝霜花銘水〟」
「上か!」
これで決めないと、後が無いな。
(能力《瞬速》を身体に移行する)
これはなるべく使いたくなかったんだが、そうも言ってられない状況になったからな。
「これで、終わりだ!」
「ふっ、まだまだ!」
執念深い奴だな、技のスピードを上げたってのにまだ受け止めてやがる。
でも、仕留める!
「冬霧流双剣術一式〝胡蝶蘭〟」
「これで終わりだ!」
「こんな小僧に……負けるなん……て」
よし、ここのボスは倒した。後は麻理の父親をここから逃さないといけないんだよな。
「晃さん、早くここから脱出しましょう」
「でもここのボスが……」
「そのボスを今倒してきましたから、早く!」
そして、四條の父親を助け出し臀蝦蟇の連中は逮捕された。
四條の父親を助け出して四日後の頃に四條麻理が教室にやってきた。
「冬霧君、父を助けてくれてありがとう」
「なんの事だ?俺は臀蝦蟇研究所のボスを監獄送りにしただけだが?」
「その話は後でお前の研究室に行くからその時に聞くから、今は手を引いてくれ」
冬霧は、四條の耳元に囁いた。
「私の勘違いみたいね、ごめんなさい」
「なんだったの?シュンちゃん臀蝦蟇ってなんの話?」
ここでなんか余計な事を喋ると後々面倒だから何も話さないでおこう。
「瞬輔、私にもお・し・え・て?」
「ちょっ、由佳お前何してんだ!」
「見たら分かるでしょ?色仕掛けよ」
お前そんなことしたら………
「冬霧、今日という今日は許さん!」
やっぱり、怒った!
逃げるついでに麻理の所に行くか。
「冬霧が逃げた、今日は全勢力を使って捕まえるんだ!」
あいつらの全勢力ってこの学園全員の男の事じゃないのか?
冬霧は逃げている途中、分かれ道を見つけたので左に曲がった。
「はぁはぁ、疲れた」
「お疲れ冬霧君」
「なぁ麻理、俺はお前の事を麻理って呼んでるんだ。俺の事も瞬輔でいいよ」
「そう?じゃあシュン君で」
もう何でもいいや、また反論したら話が進まなくなる。
「それで、あれから晃さんは元気か?」
「ええ、シュン君のお陰で。そうだ、大変な事を忘れてたシュン君と私付き合う事になったから」
「はい?俺は了承した覚えはないぞ」
「だって父が勝手に決めたんだもん。シュン君となら結婚してもいいって言ったから、とりあえず付き合う事に」
あの人は何を考えてるんだよ!もしかして後先考えないで進むタイプなのか?
「そういう事だから、これからよろしくねシュン君!」
なんか、また一人増えた………。
これ以上は増えないよな?増えたらちょっと大変な学園生活になるぞ………。
第五章へ続く
冬霧は頬をポリポリかきながら考えていた。
前に暗殺の依頼があったから暗殺専門の教師に暗殺術は教えてもらった事があるから、こっそり忍び込む事はできるけど性に合わないからな。
こうなったら、正面突破で行くか。
「能力《神速》を発動し行動に移る」
警備の奴らは峰打ちで眠らせておく事はできたが問題は中だな。
「安全装置解除」
『安全装置解除を承認します』
これで準備は整った。
冬霧は大きなドアを斬り刻んだ。
「誰だ、貴様!」
「率直に聞くけど、四條晃さんってどこにいるか案内してくれない?」
「誰が案内などするか!」
はぁ、普通いきなり撃ってくるか?仕方ないとりあえず近くにいる奴を見せしめに使うとするか。
「あんたらもこうなりたくなかったら案内してくれ」
「あっ!こいつ〝双剣の騎士〟だ!目にも見えない速さで敵を倒していくっていう」
「なに、本当なのか?」
「間違いない、腰にさげてる双剣とあの速さがその証拠だ!」
あーあ、バレちまったか。麻理が言ってた通り俺は裏の世界じゃあ有名らしいな。
でもあいつらが降伏しないだろうから、とっとと片付けるか。
それにぞろぞろと仲間が増えてきたし、面倒だ。
「冬霧流双剣術三式〝乱れ桜〟」
「さて、案内してもらおうか」
冬霧は一人だけ残し、他の連中は血を流し倒れていた。
残った一人はこのまま反抗しても勝てないと察し大人しく案内する事にしたのか、冬霧の言う事を聞いてくれた。
「失礼するよ、四條晃さんはいるか?」
「君は?どうやってここまで来たんだ?」
「ぶった斬って来ました」
「よくもやってくれたな〝双剣の騎士〟」
後ろを振り向くと、そこには大柄な男が斧を持って鋭い目つきで冬霧を睨んでいた。
「あんた、あいつらのリーダーってところか」
「そうだよくも俺の部下達を葬り去ってくれたなこれは礼だ!」
突然大柄の男が斧を振り下ろし、冬霧を血祭りにしようと思ったらしいがそれは失敗に終わった。
「いきなり攻撃仕掛てくることが礼なんて、変わってるな。じゃあこっちもお礼しないとな」
「冬霧流双剣術六式〝天蠡覇煌〟」
「君はもしかして〝双剣の騎士〟なのか?」
「そうだけど?」
聞かなくてもさっきこいつが、俺の二つ名呼んでたじゃねぇか。
そんな事よりも、早くここから脱出しよう。ここのボスが出てきちまう。
「さあ、あんた早くこっから脱出するぞ」
「無理だ、ここのボスに逆らったら麻理が殺される」
「どういう事だ?」
「私はここで武器を作り出す代わりに麻理の安全を保証されてる」
なるほど、交換条件ってわけかここのボスが考えそうな事だな。
なら話は簡単だ、ここのボスを斬ればいいだけの話だな。
「こんなところで何をしている〝双剣の騎士〟」
この声は間違いない、ボスだな。一度だけテレビに出ている所を見た事があったからな、この声は嫌でも忘れねぇ。
「お前を監獄送りにする為さ」
「世迷い言を、お前が俺に勝てるとでも?」
「やってやるさ、てめぇを監獄送りにするためにな!」
今、ここで戦闘が始まったら確実に四條晃さんは死ぬ事になるな、場所を変えるとしよう。
「ここまで来れるか、ボスさんよ!」
「あまり俺を舐めるなよ」
とりあえず広い場所に移動しよう、このままだとやりづらくてしょうがない。
「俺を監獄送りにするんじゃなかったのか?」
「やってやるよ!」
見えた、あそこなら広くて戦いやすい。
「これでお前を監獄送りにできるぜ」
「やってみな!」
向こうの武器は斧か、斧はリーチが長いぶん威力は大きい。その武器を軽々しく使えるなんてどんだけ筋肉あるんだよ………。
「ほらほら、さっきまでの威勢はどこにいったんだ?」
やはりボスはさっきまでの奴らとは違うな、防ぐのに精一杯だが《神速》を使ってあいつの背後に回り込んでも誘導されてたみたいに攻撃を仕掛けてくる。
「小僧如きが俺に勝てると思い違いをするなんて百年早いんだよ!」
まずい!あれを食らったらひとたまりもないぞ!
「よく見極めたな、今のはさっきまでとは違う威力だからな。一度でも食らったら終わりだ」
「そうらしいな……」
これからどう攻める、前に会長が使ったように合わせ技でもしてみるか?でも上手くいく可能性は低い。
一か八か、やってみるか。
「冬霧流双剣術二式〝雷峡〟四式〝澪彁斬〟」
「やるじゃないか、だがまだ甘い!」
「何!いないだと……」
「冬霧流双剣術五式〝霜花銘水〟」
「上か!」
これで決めないと、後が無いな。
(能力《瞬速》を身体に移行する)
これはなるべく使いたくなかったんだが、そうも言ってられない状況になったからな。
「これで、終わりだ!」
「ふっ、まだまだ!」
執念深い奴だな、技のスピードを上げたってのにまだ受け止めてやがる。
でも、仕留める!
「冬霧流双剣術一式〝胡蝶蘭〟」
「これで終わりだ!」
「こんな小僧に……負けるなん……て」
よし、ここのボスは倒した。後は麻理の父親をここから逃さないといけないんだよな。
「晃さん、早くここから脱出しましょう」
「でもここのボスが……」
「そのボスを今倒してきましたから、早く!」
そして、四條の父親を助け出し臀蝦蟇の連中は逮捕された。
四條の父親を助け出して四日後の頃に四條麻理が教室にやってきた。
「冬霧君、父を助けてくれてありがとう」
「なんの事だ?俺は臀蝦蟇研究所のボスを監獄送りにしただけだが?」
「その話は後でお前の研究室に行くからその時に聞くから、今は手を引いてくれ」
冬霧は、四條の耳元に囁いた。
「私の勘違いみたいね、ごめんなさい」
「なんだったの?シュンちゃん臀蝦蟇ってなんの話?」
ここでなんか余計な事を喋ると後々面倒だから何も話さないでおこう。
「瞬輔、私にもお・し・え・て?」
「ちょっ、由佳お前何してんだ!」
「見たら分かるでしょ?色仕掛けよ」
お前そんなことしたら………
「冬霧、今日という今日は許さん!」
やっぱり、怒った!
逃げるついでに麻理の所に行くか。
「冬霧が逃げた、今日は全勢力を使って捕まえるんだ!」
あいつらの全勢力ってこの学園全員の男の事じゃないのか?
冬霧は逃げている途中、分かれ道を見つけたので左に曲がった。
「はぁはぁ、疲れた」
「お疲れ冬霧君」
「なぁ麻理、俺はお前の事を麻理って呼んでるんだ。俺の事も瞬輔でいいよ」
「そう?じゃあシュン君で」
もう何でもいいや、また反論したら話が進まなくなる。
「それで、あれから晃さんは元気か?」
「ええ、シュン君のお陰で。そうだ、大変な事を忘れてたシュン君と私付き合う事になったから」
「はい?俺は了承した覚えはないぞ」
「だって父が勝手に決めたんだもん。シュン君となら結婚してもいいって言ったから、とりあえず付き合う事に」
あの人は何を考えてるんだよ!もしかして後先考えないで進むタイプなのか?
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