武装学園―乱舞―

グリプス

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第四章

甘い罠ーハニートラップー

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 さて、依頼に行くとするか。にしても麻理の頼みを聞いて今日で四日目だが、向こうから何かを仕掛けてくる素振りは見えないし俺の思い過ごしなのか?
「シュンちゃん、最近依頼ばっかり行ってるけど何かあったの?」
 依頼に向かおうとしていた冬霧の後ろから春宮が心配そうな声で聞いてきた。
「ちょっとな、色々あんだよ」
「ねぇ、その依頼私もついて行っていい?」
「別にいいが、どうなっても知らないぞ」
 冬霧は春宮の目を見て言ったが、春宮は自身ありげに胸を張った。
「私だってSランクなんだから、大丈夫よ!」
 この時の春宮はまだ知らなかった、冬霧が受けた依頼の内容を……。
「ちょっとシュンちゃん!なんでこんな依頼受けたのよ!」
「お前自分からSランクだから大丈夫って言ったよな?」
 冬霧の受けた依頼の内容は、三日前から遊び半分で銃撃戦をやっている中坊どもを懲らしめて欲しいという依頼だった。
 だがその中坊の人数が想像していたより多く、冬霧の使う〝乱れ桜〟を使ってしてもまた現れの繰り返しで依頼は難航していた。
「依頼書を見た時、依頼料が妙に多いと思ったらこういう事だったのか」
「そんな事より、どうするのこれ?」
「よし、絢香前に教えた戦法を使ってみてくれ」
「分かった。私の守の魔法〝六方壁〟霧の魔法〝幻影魔〟」
 この戦法は以前昇格試験の際に使った戦法だ。
「これで、半分は終わったな。ありがとう絢香」
「いいよお礼なんて、それよりこれからどうするの?」
「能力《神速》を発動し行動に移り冬霧流双剣術三式〝乱れ桜〟を放つ」
 たとえ中坊と言っても気配はまだ消せない。なら気配を辿っていけば必ず標的に辿り着く。
「これで全部か、やっと終わった」
「じゃあ依頼主のところに行って依頼料貰って帰ろうか」
「そうだな、今日は手伝ってくれて助かったよ絢香」  
「さっきも言ったでしょ、お礼はいいよ。ほら早く行こっ!」
 冬霧は春宮に押されて依頼主のところに向かい依頼料を貰った。
 今回の依頼料は一万円か、まあぼちぼちだな。
 今から学校に戻ってこの金の半分を渡しに行くのも面倒だから明日でいいか。
 そして次の日、研究室にて。
「おーい麻理、研究費持ってきたぞ……って寝てるのかよ仕方ない、ここに置いとくとするか」
 冬霧は研究室にあった机の上に依頼料の半分を置いて出ていった。
「なんで私を襲わないのよ!ちょっとだけ胸を見せてたんだから普通襲うでしょ!」
 四條がいきなり起き上がり、怒り混じりに文句を言っていた。つまりさっき寝ていたように見えたのは狸寝入りだったという事になる。
「まだよ、まだ手はあるんだからね!」
 この時の四條は冬霧を色仕掛けで落とす事に燃えていた。
 あれからも様々な色仕掛けを試したが、一向に落ちる気配が見当たらなかった。
 後ろから冬霧に飛びついたり、腕に絡みついたり押し倒したりしたが全て失敗に終わった。
「案外冬霧って鈍いのかしら……」
「おーい入るぞ麻理」
 そういえば俺、こいつがなんの研究をしているのか聞いてなかったな。今聞いてみるか……。
「なぁ麻理、お前なんの研究してるんだ?」
「武器を作ってるのよ。何者にも負けない最強な武器を」
「なんでそんな物作ってるんだ?」
「父を助ける為よ……」
 冬霧は四條に話を聞くことにした。
 四條の話によると父親は有名な科学者で、色々な物を作り出していたという。
 もちろん武器なんかじゃなく、生活に役立つような物だったり薬を作ってたらしい。
 だが四條の父親はある犯罪組織に捕まり、無理矢理に武器を作らされているらしい。
 その父親を助ける為、沢山の武器を作り出したが全て失敗。父親を助け出す事は無理だと確信した頃に冬霧が通りかかり、利用しようと考えたという。
「それで、その犯罪組織の名前は?」
「臀蝦蟇だけど……。もしかして!」
「そのもしかしてだけど、何か問題でもあるのか?」
「私はあなたを利用していたのよ?なのになんで私を助けようとするの?」
 冬霧は少し考えて答えを出した。
「簡単だよ、あんたの父親を助けたいからだ」
 確か臀蝦蟇は、一見普通の研究所に見えるが実は悪質な武器を作り出し密売しているとは聞いたことはあったが、本当だったんだな。 
 行くなら今日の夜にしよう、準備もいるから少し時間がかかるかもしれない。
「そんな顔すんな、お前の父親は助けてやっから安心しろ」
「で、でも………」
「お前、父親と会うときはそんな顔するなよ?」
 冬霧はそう言い残し、手を振りながら研究室を出ていった。
「なんで私なんかの為に………」
 四條は訳も分からず涙がこぼれ落ちていた。
「理由は簡単だ、あいつが自分と同じ思いをして欲しくないからだ」
「学園長、どういう事ですか?」
 ドアの近くに学園長が立っていて、四條は学園長の発した言葉の意味を聞いた。
「あいつは昔、大切な妹を失ってな。あの時の思いは今でも残っている、だから他の奴に自分と同じ思いをして欲しくないのさ」
 つまり、私の為に命を張るという事なの?
 四條はまた涙を流した。
     
                                                                              続く
 
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