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第四章
世紀末の科学者
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はぁ、退院そうそうなんで追いかけられないといけないんだよ!
これも由佳があんな事したらからだ!
今から十分前………
「退院おめでとう、冬霧!」
「ありがとう、皆。悪かったな、あの時あんな態度とっちまって」
「いいってことよ!」
良かった、あの時の俺は苛立ってたから皆怒ってると思ってたけど変わってないらしい。
「お帰り瞬輔!」
いきなり篠文が頬にキスをしてきたのでクラスの雰囲気がガラリと変わった。
「冬霧、てめぇ!」
「落ち着け皆!俺達は別に付き合ってるとかじゃないから!」
「付き合ってなくても、許さねぇ!」
あーっと、逃げるしか道は無いみたいだな。
壁際に追い詰められた冬霧は軽く跳んで壁を蹴りダッシュで教室を抜け出した。
「逃げやがった、追いかけろ!」
そして、今がこの状況となった理由だ。
分かれ道か、左か右かどっちにする?悩んでる暇は無いから左に行こう!
「冬霧は左に曲がったぞ!」
冬霧が左に曲がった瞬間、いきなり誰かに腕を掴まれ引っ張られた。
「痛ってて、ここはどこだ?」
「静かに!」
誰かが俺の口を手で覆い、声が出ないように強く押し付けていた。
「冬霧の奴どこ行ったんだ?探せ!まだこの近くにいるはずだ!」
あの声は、海津の声だった。いつも指揮をしているのは海津だ。
足音が遠くなっていくという事は、この近くから離れたという事か?
誰か分からないが覆っていた手を離してくれた。
「危なかったわね〝双剣の騎士〟さん?」
いきなり明かりがついて目の前に立っていたのは白衣を着た科学者のような女子生徒だった。
「助けたくれた事には礼を言うが、なんで俺の二つ名を知ってるんだ?」
「裏の世界じゃあなたの事は有名よ?知ってて当然」
裏の世界って事は、こいつまさか裏で取り引きをしてるのか?
「一応言っておくけど、あなたが今考えてる事は少し違うわよ。取り引きじゃなく売ってるだけだからね」
いや、それも十分取り引きに近いだろ………。
まあいい、とりあえずここはどこか聞くか。
「なぁあんた、ここは一体どこなんだ?」
「紹介が遅れたわね。私は二年の四條麻理よ、ついでにここは私の研究室」
四條麻理………どこかで聞いた名前だな。
一体どこで聞いたんだっけ?
「〝世紀末の科学者〟で分かるかしら?」
「思い出した!ありとあらゆる名発明を作り出してきたっていう〝世紀末の科学者〟か!って事はあんたが?」
「その通りよ」
だけどなんで〝世紀末の科学者〟が俺を助けたんだ?そこが分からん。
「なぁ四條さん、一つ聞きたい」
「麻理でいいわ、それで何が聞きたいの?スリーサイズでも知りたい?」
うっ……確かにあの豊満な胸はどれだけあるのか聞きたいが、今はそれどころじゃない。
「なんで俺を助けたんだ?」
「簡単よ、面白そうだったから助けた。ただそれだけよ」
おそらく、俺の二つ名を知ってるという事は興味本位じゃなく何か意味があっての行動だろう。
「それで、四條さん俺に何をさせる気だ?」
「だから麻理でいいって」
「いや、いきなりそんな事……」
「麻・理!」
こういう場合は大人しく聞いといた方がいいのかもしれないな。
仕方ない、このままだと話が進まない。
「じゃあ麻理、さっきの質問の答えを聞かせてくれ」
「研究費を稼いで欲しいの。だからあなたが受けた依頼料の半分を私にくれないかしら?これを一週間頼みたいんだけど………」
まあ、助けてもらった恩もあるし断る理由は無いが一体なんの研究をしてるんだ?
「分かった、一週間だな」
「やってくれるの?」
「ああ、今の俺に断る理由が無いからな」
四條は喜びながら冬霧の手を握ってぴょんぴょん跳んでいた。
全く、なんなんだ?麻理の頼みを受けただけでこんなに喜ぶなんて思いもしなかったな。
「それじゃあ、俺はこれで失礼するよ」
「あっ、ちょっと待って。これを持って行って」
四條が投げたのは、鍵だった。
「なんの鍵だ?」
「この部屋の鍵よ、この研究室に入る時に使ってちょうだい」
「了解」
さてと、じゃあ一週間分の依頼を探すとしますか。でもまさか〝世紀末の科学者〟に会えるとは思いもよらなかったな。
「見つけたぞ冬霧!」
「そうだ、俺こいつらから逃げてるところだったんだ!」
とにかく今は逃げるしか無い………いや、模擬戦やった方が早いな。よし許可貰ってこよう。
「おい冬霧、どこに行く!」
「模擬戦の許可を貰ってくる!」
「許可ならいらないそうだ」
えっ?どういう事だ、それは。
「お前との模擬戦の時だけ許可はいらないと学園長が言ってたからな!」
あのバカ姉貴め!なんでこうも面倒な事を増やすかな?
「分かった、じゃあ先に行っとくぞ!」
「逃げるなよ!」
誰が逃げるかよ、追いかけられて疲れてるんだから早く終わらせたいんだよ!
「ふふっ、冬霧瞬輔あなたはどこまで私の誘惑に耐えられるのか楽しみね」
四條は不敵な笑みを浮かべ研究に集中していた。
続く
これも由佳があんな事したらからだ!
今から十分前………
「退院おめでとう、冬霧!」
「ありがとう、皆。悪かったな、あの時あんな態度とっちまって」
「いいってことよ!」
良かった、あの時の俺は苛立ってたから皆怒ってると思ってたけど変わってないらしい。
「お帰り瞬輔!」
いきなり篠文が頬にキスをしてきたのでクラスの雰囲気がガラリと変わった。
「冬霧、てめぇ!」
「落ち着け皆!俺達は別に付き合ってるとかじゃないから!」
「付き合ってなくても、許さねぇ!」
あーっと、逃げるしか道は無いみたいだな。
壁際に追い詰められた冬霧は軽く跳んで壁を蹴りダッシュで教室を抜け出した。
「逃げやがった、追いかけろ!」
そして、今がこの状況となった理由だ。
分かれ道か、左か右かどっちにする?悩んでる暇は無いから左に行こう!
「冬霧は左に曲がったぞ!」
冬霧が左に曲がった瞬間、いきなり誰かに腕を掴まれ引っ張られた。
「痛ってて、ここはどこだ?」
「静かに!」
誰かが俺の口を手で覆い、声が出ないように強く押し付けていた。
「冬霧の奴どこ行ったんだ?探せ!まだこの近くにいるはずだ!」
あの声は、海津の声だった。いつも指揮をしているのは海津だ。
足音が遠くなっていくという事は、この近くから離れたという事か?
誰か分からないが覆っていた手を離してくれた。
「危なかったわね〝双剣の騎士〟さん?」
いきなり明かりがついて目の前に立っていたのは白衣を着た科学者のような女子生徒だった。
「助けたくれた事には礼を言うが、なんで俺の二つ名を知ってるんだ?」
「裏の世界じゃあなたの事は有名よ?知ってて当然」
裏の世界って事は、こいつまさか裏で取り引きをしてるのか?
「一応言っておくけど、あなたが今考えてる事は少し違うわよ。取り引きじゃなく売ってるだけだからね」
いや、それも十分取り引きに近いだろ………。
まあいい、とりあえずここはどこか聞くか。
「なぁあんた、ここは一体どこなんだ?」
「紹介が遅れたわね。私は二年の四條麻理よ、ついでにここは私の研究室」
四條麻理………どこかで聞いた名前だな。
一体どこで聞いたんだっけ?
「〝世紀末の科学者〟で分かるかしら?」
「思い出した!ありとあらゆる名発明を作り出してきたっていう〝世紀末の科学者〟か!って事はあんたが?」
「その通りよ」
だけどなんで〝世紀末の科学者〟が俺を助けたんだ?そこが分からん。
「なぁ四條さん、一つ聞きたい」
「麻理でいいわ、それで何が聞きたいの?スリーサイズでも知りたい?」
うっ……確かにあの豊満な胸はどれだけあるのか聞きたいが、今はそれどころじゃない。
「なんで俺を助けたんだ?」
「簡単よ、面白そうだったから助けた。ただそれだけよ」
おそらく、俺の二つ名を知ってるという事は興味本位じゃなく何か意味があっての行動だろう。
「それで、四條さん俺に何をさせる気だ?」
「だから麻理でいいって」
「いや、いきなりそんな事……」
「麻・理!」
こういう場合は大人しく聞いといた方がいいのかもしれないな。
仕方ない、このままだと話が進まない。
「じゃあ麻理、さっきの質問の答えを聞かせてくれ」
「研究費を稼いで欲しいの。だからあなたが受けた依頼料の半分を私にくれないかしら?これを一週間頼みたいんだけど………」
まあ、助けてもらった恩もあるし断る理由は無いが一体なんの研究をしてるんだ?
「分かった、一週間だな」
「やってくれるの?」
「ああ、今の俺に断る理由が無いからな」
四條は喜びながら冬霧の手を握ってぴょんぴょん跳んでいた。
全く、なんなんだ?麻理の頼みを受けただけでこんなに喜ぶなんて思いもしなかったな。
「それじゃあ、俺はこれで失礼するよ」
「あっ、ちょっと待って。これを持って行って」
四條が投げたのは、鍵だった。
「なんの鍵だ?」
「この部屋の鍵よ、この研究室に入る時に使ってちょうだい」
「了解」
さてと、じゃあ一週間分の依頼を探すとしますか。でもまさか〝世紀末の科学者〟に会えるとは思いもよらなかったな。
「見つけたぞ冬霧!」
「そうだ、俺こいつらから逃げてるところだったんだ!」
とにかく今は逃げるしか無い………いや、模擬戦やった方が早いな。よし許可貰ってこよう。
「おい冬霧、どこに行く!」
「模擬戦の許可を貰ってくる!」
「許可ならいらないそうだ」
えっ?どういう事だ、それは。
「お前との模擬戦の時だけ許可はいらないと学園長が言ってたからな!」
あのバカ姉貴め!なんでこうも面倒な事を増やすかな?
「分かった、じゃあ先に行っとくぞ!」
「逃げるなよ!」
誰が逃げるかよ、追いかけられて疲れてるんだから早く終わらせたいんだよ!
「ふふっ、冬霧瞬輔あなたはどこまで私の誘惑に耐えられるのか楽しみね」
四條は不敵な笑みを浮かべ研究に集中していた。
続く
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