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第五章
海の家での小遣い稼ぎ
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怪盗カルメの一件を終えた冬霧は次の日、学校に向かうとクラスの男共が血相変えて冬霧の元へ走って行った。
「なんだよお前ら」
「冬霧、お前海好きか?」
「なんでそんな事聞くんだよ」
「今年の夏はクラスの皆で海に行こうって事になったんだよ!」
なるほど、こいつらの狙いが大体分かってきた。
おそらくこいつらの狙いは海ではなく、水着だ。
「でも俺は海の家で依頼受けてるから………」
「ならクラス皆で行こう!」
こいつら、どんだけ女子の水着が見たいんだよ、女子も皆引いてるぞ。
「で、場所はどこなんだ?お前の受けた依頼の海の家は」
「えっと、神霧の南荘ってとこだな」
「私達も行くわ!」
うわっびっくりした、いきなり女子が来たんだからびっくりしない事はないけど、そこに驚いたんじゃなくてさっきまで白い目で見てたのに突然白い目からキラキラした目に変わったとこだ。
「じゃあ依頼主には、俺が申請しておくからお前らは早く日程決めてくれ」
「日程ならもう決まってる、なんと明日だ!」
「………正気か?泊まるホテルはどうすんだよ」
「それなら心配ご無用、俺の家が南荘にあるホテルだから親に頼んだらオッケーが出た」
こいつら、そこまでして海に行きたいのか?
まあこの学園に、宿題なんてもんが無いから好き放題できるってところに目をつけたんだろう。
「分かった、じゃあ申請してくるから」
依頼を受けるのは俺一人だけどな………、こいつらは観光でも海で遊ぶのも好きにすればいい。
「シュン君、海に行くんだって?」
「ああそうだけど?それがどうかしたのか?」
「いや、どこに行くのかなーって思ったから」
「南荘だよ」
あれ?なんで俺こんなにペラペラ話してるんだ?
……やばい、こいつ絶対に来る気だ。
「ちょっ、何してんだよ!」
「依頼、私も受ける事にしたからよろしくね」
「何を勝手に……あっ」
「一足遅かったね、シュン君」
確か依頼主は一週間海の家を手伝ってもらいたいって書いてたな。
なんか大変な三日になりそうだ。
そして翌日、南荘の海にて。
「じゃあお前らは海で遊んで来い、依頼は俺がやっとくから」
「えっ?俺達もやるに決まってんだろ?」
「依頼申請の紙には、俺一人の名前しか書いてないんだよ。だからお前らは好きなだけ遊んで来い由佳のライブもここでやるらしいから」
でも、依頼を受けるのは俺一人じゃない麻理がいるから一緒に依頼を受けてるとこを見られたら確実に仕事にならなくなる。
クラスの皆は最初の方は気が乗らなかったらしいが今は楽しんでるみたいだ。
「瞬輔ってなんでも一人で背負い込むよね」
「由佳、こんな所で何してんだ?」
「別にただ、たまには私達の事を頼ってくれてもいいからね。それを言いに来ただけだから」
人に頼るその選択が間違いだったら、俺はまた一つ深い傷を負う事になる。
「シュン君、そんな暗い顔してたらお客さん来なくなるよ?」
「悪い、それじゃあ始めるか」
こうして一日目が始まった。
「いらっしゃいませ、ご注文もんは何にしますか?」
さっきからくる客と言えば男ばかりだな、カップルの来てるが男が麻理の胸部に目がいってるから彼女さんは凄い怒ってるし。
「シュン君!焼きそば二丁!」
「はいよ」
ここでの麻理の働きは凄いんだが、一つ気になる事がある。
「あの子の胸が気になるのか?」
「違いますよ!気になってるのは店主さんでしょうが!」
ったく、俺が気になってるのはあいつがホテルか民宿を予約してるかどうかだ。
「そうだ、冬霧君。僕の事は店主じゃなくラムって呼んでくれ」
「じゃあ俺はシュンでいいです、ラムさん」
「そうか、一つ聞くけどシュンはあの子と付き合ってるのかい?」
いきなりなんて事を聞いてくるんだこの人は、麻理とは偶然の出会いそれだけだ。
「付き合ってはいません、麻理!焼きそば二丁出来たぞ!」
「でも息ピッタリじゃないか」
「そうですか?そう見えてるだけでしょう」
冬霧は焼きそばを大量に作りながら店主のラムと話をしていた。
「それに、俺がもし付き合ったりでもしたら……」
「したら他の誰かを傷つけてしまう、そう言いたいのかい?」
「ええ、だから俺は死ぬまで一人でいるつもりですよ」
「シュンそれは違うな、確かにシュンが誰かと付き合ってる所をみたら他の誰が傷つくかもしれない。でも一人でいる事と二人でいる事じゃあ意味が違ってくるよ」
一人でいる事と、二人でいる事の違いか。
あれ、もしかして絢香か?手を振ってるのか?いや、違う!
「ラムさん、ちょっと調理場お願いします!」
「シュ、シュン君!どうしたの?」
「すぐに戻るから!」
誰も気付いていないところを見ると、沖まで流されちまったってところか。
「だ、誰か……助……け……て……」
あれなんだろう?誰か来る?
「はぁはぁ、何してんだお前は。あんまり心配させんなよ」
「ご、ごめんシュンちゃん」
「でも絢香が無事で良かった、ほら戻るぞ。しっかり掴まってろよ」
「うん」
シュンちゃんの背中ってこんなに大きくて、暖かったんだ。そういえば昔もシュンちゃんにおぶってもらった事あったっけ。
「絢香!大丈夫?ごめんね気付いてあげられなくて」
「じゃあ俺は戻るから、絢香の事頼んだぞ」
「冬霧、お前ちょっと休んでろ」
いきなり休んでろと言われたが、俺は無視して調理場に戻った。
俺が休むわけにはいかない、依頼を受けたのは俺だからここで油を売ってる場合じゃない。
「俺は戻るよ、依頼を受けたのは俺だ。皆には迷惑はかけられない」
冬霧は走って調理場に向かって行った。
気付けばもう夕方で海にはもう誰もいなかった。
「お疲れマリ、シュン今日は助かったよ」
「いえ、依頼ですから」
そうだ、麻理に聞かないといけない事があった。
「麻理、お前泊まる場所あるのか?」
「あるわけないでしょ」
「じゃあ、俺も無いな」
麻理を一人で野宿させるわけにはいかないし、誘拐でもされたら大変だからな。
「ラムさん、ここに泊まってもいいですか?」
「別に構わないよ、一つ言っとくけど風呂ならこの近くに銭湯があるからそこに行ってきな」
「ありがとうラムさん」
銭湯に行くなら今日貰った金で石鹸とシャンプーを買いに行かないと。
「ほら麻理、行くぞ」
「シュン君は平気でこんな大胆な行動が出来るんだからずるいよ」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでもない!」
そんなこんなで、三日間の依頼は幕を閉じた。
続く
「なんだよお前ら」
「冬霧、お前海好きか?」
「なんでそんな事聞くんだよ」
「今年の夏はクラスの皆で海に行こうって事になったんだよ!」
なるほど、こいつらの狙いが大体分かってきた。
おそらくこいつらの狙いは海ではなく、水着だ。
「でも俺は海の家で依頼受けてるから………」
「ならクラス皆で行こう!」
こいつら、どんだけ女子の水着が見たいんだよ、女子も皆引いてるぞ。
「で、場所はどこなんだ?お前の受けた依頼の海の家は」
「えっと、神霧の南荘ってとこだな」
「私達も行くわ!」
うわっびっくりした、いきなり女子が来たんだからびっくりしない事はないけど、そこに驚いたんじゃなくてさっきまで白い目で見てたのに突然白い目からキラキラした目に変わったとこだ。
「じゃあ依頼主には、俺が申請しておくからお前らは早く日程決めてくれ」
「日程ならもう決まってる、なんと明日だ!」
「………正気か?泊まるホテルはどうすんだよ」
「それなら心配ご無用、俺の家が南荘にあるホテルだから親に頼んだらオッケーが出た」
こいつら、そこまでして海に行きたいのか?
まあこの学園に、宿題なんてもんが無いから好き放題できるってところに目をつけたんだろう。
「分かった、じゃあ申請してくるから」
依頼を受けるのは俺一人だけどな………、こいつらは観光でも海で遊ぶのも好きにすればいい。
「シュン君、海に行くんだって?」
「ああそうだけど?それがどうかしたのか?」
「いや、どこに行くのかなーって思ったから」
「南荘だよ」
あれ?なんで俺こんなにペラペラ話してるんだ?
……やばい、こいつ絶対に来る気だ。
「ちょっ、何してんだよ!」
「依頼、私も受ける事にしたからよろしくね」
「何を勝手に……あっ」
「一足遅かったね、シュン君」
確か依頼主は一週間海の家を手伝ってもらいたいって書いてたな。
なんか大変な三日になりそうだ。
そして翌日、南荘の海にて。
「じゃあお前らは海で遊んで来い、依頼は俺がやっとくから」
「えっ?俺達もやるに決まってんだろ?」
「依頼申請の紙には、俺一人の名前しか書いてないんだよ。だからお前らは好きなだけ遊んで来い由佳のライブもここでやるらしいから」
でも、依頼を受けるのは俺一人じゃない麻理がいるから一緒に依頼を受けてるとこを見られたら確実に仕事にならなくなる。
クラスの皆は最初の方は気が乗らなかったらしいが今は楽しんでるみたいだ。
「瞬輔ってなんでも一人で背負い込むよね」
「由佳、こんな所で何してんだ?」
「別にただ、たまには私達の事を頼ってくれてもいいからね。それを言いに来ただけだから」
人に頼るその選択が間違いだったら、俺はまた一つ深い傷を負う事になる。
「シュン君、そんな暗い顔してたらお客さん来なくなるよ?」
「悪い、それじゃあ始めるか」
こうして一日目が始まった。
「いらっしゃいませ、ご注文もんは何にしますか?」
さっきからくる客と言えば男ばかりだな、カップルの来てるが男が麻理の胸部に目がいってるから彼女さんは凄い怒ってるし。
「シュン君!焼きそば二丁!」
「はいよ」
ここでの麻理の働きは凄いんだが、一つ気になる事がある。
「あの子の胸が気になるのか?」
「違いますよ!気になってるのは店主さんでしょうが!」
ったく、俺が気になってるのはあいつがホテルか民宿を予約してるかどうかだ。
「そうだ、冬霧君。僕の事は店主じゃなくラムって呼んでくれ」
「じゃあ俺はシュンでいいです、ラムさん」
「そうか、一つ聞くけどシュンはあの子と付き合ってるのかい?」
いきなりなんて事を聞いてくるんだこの人は、麻理とは偶然の出会いそれだけだ。
「付き合ってはいません、麻理!焼きそば二丁出来たぞ!」
「でも息ピッタリじゃないか」
「そうですか?そう見えてるだけでしょう」
冬霧は焼きそばを大量に作りながら店主のラムと話をしていた。
「それに、俺がもし付き合ったりでもしたら……」
「したら他の誰かを傷つけてしまう、そう言いたいのかい?」
「ええ、だから俺は死ぬまで一人でいるつもりですよ」
「シュンそれは違うな、確かにシュンが誰かと付き合ってる所をみたら他の誰が傷つくかもしれない。でも一人でいる事と二人でいる事じゃあ意味が違ってくるよ」
一人でいる事と、二人でいる事の違いか。
あれ、もしかして絢香か?手を振ってるのか?いや、違う!
「ラムさん、ちょっと調理場お願いします!」
「シュ、シュン君!どうしたの?」
「すぐに戻るから!」
誰も気付いていないところを見ると、沖まで流されちまったってところか。
「だ、誰か……助……け……て……」
あれなんだろう?誰か来る?
「はぁはぁ、何してんだお前は。あんまり心配させんなよ」
「ご、ごめんシュンちゃん」
「でも絢香が無事で良かった、ほら戻るぞ。しっかり掴まってろよ」
「うん」
シュンちゃんの背中ってこんなに大きくて、暖かったんだ。そういえば昔もシュンちゃんにおぶってもらった事あったっけ。
「絢香!大丈夫?ごめんね気付いてあげられなくて」
「じゃあ俺は戻るから、絢香の事頼んだぞ」
「冬霧、お前ちょっと休んでろ」
いきなり休んでろと言われたが、俺は無視して調理場に戻った。
俺が休むわけにはいかない、依頼を受けたのは俺だからここで油を売ってる場合じゃない。
「俺は戻るよ、依頼を受けたのは俺だ。皆には迷惑はかけられない」
冬霧は走って調理場に向かって行った。
気付けばもう夕方で海にはもう誰もいなかった。
「お疲れマリ、シュン今日は助かったよ」
「いえ、依頼ですから」
そうだ、麻理に聞かないといけない事があった。
「麻理、お前泊まる場所あるのか?」
「あるわけないでしょ」
「じゃあ、俺も無いな」
麻理を一人で野宿させるわけにはいかないし、誘拐でもされたら大変だからな。
「ラムさん、ここに泊まってもいいですか?」
「別に構わないよ、一つ言っとくけど風呂ならこの近くに銭湯があるからそこに行ってきな」
「ありがとうラムさん」
銭湯に行くなら今日貰った金で石鹸とシャンプーを買いに行かないと。
「ほら麻理、行くぞ」
「シュン君は平気でこんな大胆な行動が出来るんだからずるいよ」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでもない!」
そんなこんなで、三日間の依頼は幕を閉じた。
続く
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