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第三章
10 レオス・ヴィダールは助長する
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どうも最近具合が悪い。いや体調が悪いわけじゃない、なんかこうやる気が出ない。そりゃ今まで積み重ねてきたものがあるから、魔力が増えてそれに振り回されるようなことはないけど、なんか強くなりすぎちゃった感がある。
アインとエレオノーラとの模擬戦も、子供に教えてあげる程度の力で終わってしまった。
「これが最強? これで最強かあ……」
誰もいなくなった教室の椅子をギコギコと船漕ぎさせて天井を見て呟く。存外に手に入ってしまった魔力を俺はいま持て余している。まあ所詮俺はまだ子供だ。大人になったらもっと強い人がいて、簡単には最強にはなれないんだろうなって思うよ。そうだろ?
もし違っていたら、俺は……どうしたらいいんだ?
俺が最強を目指す道はずっと続くと思っていた。簡単には勝てない相手、ライバルが居続けるだろうと。だからこそ前を向いて鍛錬を積み重ねていけるのだと。
しかし現実俺は今孤独だ。上がった魔力量のおかげで動体視力や身体の細かい操作まで行える。ムルムルがいなくても俺は今十全に戦える。
「ちょうど学園も休みだな、よし帝国の闘技大会にでも参加するか」
学園の期末試験が終わり、しばらくすると学園は休みに入る。寮で暮らすもの、自分の領地に帰るもの、鍛錬にあてる者、その過ごし方は様々だ。俺はその休みを使って帝国で行われる闘技大会に参加することを決めた。なんでもあり、大陸中から強者が集まってくる大会だ。そこらの荒くれものから帝国騎士団からも数名、どこかの名の知らぬ達人、そういった者たちがしのぎを削っていく。
そうと決まれば、早速旅の準備をする。父さんには闘技大会に参加する旨を伝えておく。最近ちょっと関係がぎくしゃくしている皆には黙っていくことにした。本当は一緒に参加しようとか誘ってみてもいいかなと思ったけど、なんか嫌な感じがしたのでやめた。
俺についてくるには少し力が足りないだろう?
そしてしばらくして学園の授業がすべて終わった。俺はさっさと学園の寮に向かい準備していた旅支度で学園を出る。急いでいるとレインとすれ違った。
「レオス、どこいくの?」
「ん-、ちょっとな」
そんな曖昧な言葉で濁しつつ俺は急いで定期便の出ている馬車に向かった。乗合場は少しばかり混雑していた、俺が乗る予定の馬車も少し窮屈だった。長い道のりになるのに嫌だなあと思った。
まあこれも訓練だと考え、揺れる馬車の中でいかに体勢を保っていられるか、体幹のバランスを意識して腰を少し浮かして対応してみた。何回も野営を挟んで帝国で行われる闘技大会の都市へとついた。
帝国は俺の住んでいた王国と違って随分と殺伐としている。国民皆兵のせいでそこらの農民ですらムキムキだし、いや農民はムキムキなんだけどな元から。大陸に覇を唱えたい帝国は周辺の国とはいつも小競り合いが続いている。
王国は一国を挟んでいることもあり、直接的な影響は受けていない。支援もしない、中立国として風見鶏のようにウロウロしている。
それが正解はわからないが、国の方針にとやかく言えるほど俺は偉くないので何とも言えん。
そんなことより闘技大会だ。
俺はさっそく参加者の受付をしているところに向かい申請をしようとする。
「おいおい、ぼっちゃん、ここはお前みたいな子供が来る場所じゃないぜ」
「やめときなって、痛い目見たからじゃ遅いんだぞ」
早速絡まれたか、と俺は後ろを振り返る。
すると本当に子供みたいな小さな子が大人たちに囲まれていた。
俺じゃないんかい!
いや面倒くさいことされるよりはよっぽどいいけどさ。しかも周りの大人たち本気で心配しているような感じで全然怖くない。
「うるさい! 見た目だけで判断するな。我はこの大会で強さを示しに来たのだ」
フードを被った男の子はそう叫ぶと、周りの大人たちを一蹴した。
よく見ると、男の子はその小ささの割りにかなり鍛えられているのが分かる。筋肉は成長の阻害にならない程度だが、その魔力量はかなりのものだ。俺より少し若いくらいか? 背丈も少し小さめだ。
男の子はずんずんと前に進むと、俺を飛び越して参加の受付で用紙に必要事項を記入していく。まあ大人の余裕で譲ってあげるのが出来た人間よ。俺を無視したのは忘れんがな。
男の子は記入が終わると、颯爽とその場から去っていった。
なんだったんだろう。偉そうな子供だったな。
「次の方、どうぞ」
俺は受付の人に呼ばれて申請の用紙を受け取り必要事項を記入していく。これは簡素なもので名前、出身地、得意な武器、魔法 くらいだ。何か他に書きたいことがあれば補足欄に書けと言った感じだ。
名前が……貴族だとバレると面倒くさいしレオスにしておくか。出身地は、シャドウィ王国、得意な武器、剣と。
闇魔法はあまり知られたくないので、魔法は使わないでおこう。純粋な剣と魔力で戦う。それなら中々いい線で戦えるんじゃないか? 俺はすでにこの大会でも自分に匹敵するような強者はいないと感じていた。ここら辺にいるやつらならアインでも勝てるだろう。
少しがっかりしながらも闘技大会が始まるのを待つ。ちなみにムルムルは寮に置いてきた。俺がいない間の小遣いも渡したし、まあ何とかなるだろ。
数日後、待ちに待った闘技大会が開幕した。
アインとエレオノーラとの模擬戦も、子供に教えてあげる程度の力で終わってしまった。
「これが最強? これで最強かあ……」
誰もいなくなった教室の椅子をギコギコと船漕ぎさせて天井を見て呟く。存外に手に入ってしまった魔力を俺はいま持て余している。まあ所詮俺はまだ子供だ。大人になったらもっと強い人がいて、簡単には最強にはなれないんだろうなって思うよ。そうだろ?
もし違っていたら、俺は……どうしたらいいんだ?
俺が最強を目指す道はずっと続くと思っていた。簡単には勝てない相手、ライバルが居続けるだろうと。だからこそ前を向いて鍛錬を積み重ねていけるのだと。
しかし現実俺は今孤独だ。上がった魔力量のおかげで動体視力や身体の細かい操作まで行える。ムルムルがいなくても俺は今十全に戦える。
「ちょうど学園も休みだな、よし帝国の闘技大会にでも参加するか」
学園の期末試験が終わり、しばらくすると学園は休みに入る。寮で暮らすもの、自分の領地に帰るもの、鍛錬にあてる者、その過ごし方は様々だ。俺はその休みを使って帝国で行われる闘技大会に参加することを決めた。なんでもあり、大陸中から強者が集まってくる大会だ。そこらの荒くれものから帝国騎士団からも数名、どこかの名の知らぬ達人、そういった者たちがしのぎを削っていく。
そうと決まれば、早速旅の準備をする。父さんには闘技大会に参加する旨を伝えておく。最近ちょっと関係がぎくしゃくしている皆には黙っていくことにした。本当は一緒に参加しようとか誘ってみてもいいかなと思ったけど、なんか嫌な感じがしたのでやめた。
俺についてくるには少し力が足りないだろう?
そしてしばらくして学園の授業がすべて終わった。俺はさっさと学園の寮に向かい準備していた旅支度で学園を出る。急いでいるとレインとすれ違った。
「レオス、どこいくの?」
「ん-、ちょっとな」
そんな曖昧な言葉で濁しつつ俺は急いで定期便の出ている馬車に向かった。乗合場は少しばかり混雑していた、俺が乗る予定の馬車も少し窮屈だった。長い道のりになるのに嫌だなあと思った。
まあこれも訓練だと考え、揺れる馬車の中でいかに体勢を保っていられるか、体幹のバランスを意識して腰を少し浮かして対応してみた。何回も野営を挟んで帝国で行われる闘技大会の都市へとついた。
帝国は俺の住んでいた王国と違って随分と殺伐としている。国民皆兵のせいでそこらの農民ですらムキムキだし、いや農民はムキムキなんだけどな元から。大陸に覇を唱えたい帝国は周辺の国とはいつも小競り合いが続いている。
王国は一国を挟んでいることもあり、直接的な影響は受けていない。支援もしない、中立国として風見鶏のようにウロウロしている。
それが正解はわからないが、国の方針にとやかく言えるほど俺は偉くないので何とも言えん。
そんなことより闘技大会だ。
俺はさっそく参加者の受付をしているところに向かい申請をしようとする。
「おいおい、ぼっちゃん、ここはお前みたいな子供が来る場所じゃないぜ」
「やめときなって、痛い目見たからじゃ遅いんだぞ」
早速絡まれたか、と俺は後ろを振り返る。
すると本当に子供みたいな小さな子が大人たちに囲まれていた。
俺じゃないんかい!
いや面倒くさいことされるよりはよっぽどいいけどさ。しかも周りの大人たち本気で心配しているような感じで全然怖くない。
「うるさい! 見た目だけで判断するな。我はこの大会で強さを示しに来たのだ」
フードを被った男の子はそう叫ぶと、周りの大人たちを一蹴した。
よく見ると、男の子はその小ささの割りにかなり鍛えられているのが分かる。筋肉は成長の阻害にならない程度だが、その魔力量はかなりのものだ。俺より少し若いくらいか? 背丈も少し小さめだ。
男の子はずんずんと前に進むと、俺を飛び越して参加の受付で用紙に必要事項を記入していく。まあ大人の余裕で譲ってあげるのが出来た人間よ。俺を無視したのは忘れんがな。
男の子は記入が終わると、颯爽とその場から去っていった。
なんだったんだろう。偉そうな子供だったな。
「次の方、どうぞ」
俺は受付の人に呼ばれて申請の用紙を受け取り必要事項を記入していく。これは簡素なもので名前、出身地、得意な武器、魔法 くらいだ。何か他に書きたいことがあれば補足欄に書けと言った感じだ。
名前が……貴族だとバレると面倒くさいしレオスにしておくか。出身地は、シャドウィ王国、得意な武器、剣と。
闇魔法はあまり知られたくないので、魔法は使わないでおこう。純粋な剣と魔力で戦う。それなら中々いい線で戦えるんじゃないか? 俺はすでにこの大会でも自分に匹敵するような強者はいないと感じていた。ここら辺にいるやつらならアインでも勝てるだろう。
少しがっかりしながらも闘技大会が始まるのを待つ。ちなみにムルムルは寮に置いてきた。俺がいない間の小遣いも渡したし、まあ何とかなるだろ。
数日後、待ちに待った闘技大会が開幕した。
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