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第二十話 まーた睾丸だよ
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あれから一か月、しばらく5層のメイジコボルト探しと、カジノでの憂さ晴らしを続ける日々を送った。3週間目あたりでようやく念願のRメイジコボルトの杖を手に入れて、はしゃいでいる舞の姿が可愛いなと思った。
これで性格もよければなあ、優菜ちゃんみたくスレてない子がいいよ。
また今度食事に誘ってみよう、俺もなんか自信みたいのついてきたし。
「なにニヤついてるのよ気持ち悪い」
「相変わらず口が悪いな、せっかくのドロップだぞ、もっと喜べよ」
「これでも喜んでるわよ、それよりもっと下層までこれで潜れるでしょ。明日さっさと潜るわよ。今日はこれでおしまい」
舞がそう言って出口へと向かう。
「俺はちょっと用事あるから先に帰っててくれよ、また明日な」
俺は舞に別れを告げるとそのまま5層の、あるところへと向かった。
オークの拠点である。
舞はコボルトを探すのに必死だったが、俺は余裕があったため周りの探索を行っていた。そこで見覚えのある場所を見つけた。以前見たオークの拠点となる洞窟の入口だ。
俺は最近守ってばかりで若干ストレスが溜まっていたのでオークを狩りまくって解消しようと考えた。
ここのオークの強さは確認済みだ、ついでにUR男爵吸血鬼の指輪をつけて万が一に備える。SSR雷の装備に身を包み、正面から入っていく。前回と違い、敵に囲まれた状態からのスタートではなかったので、余裕をもって対処することが出来た。まず厄介な魔法や弓を飛ばしてくる後衛のオークが見当たらなかったので、手前で食事をしていたオークに問答無用で切りかかる。声を出す間もなく3体のオークはその凶刃に倒れた。
この洞窟はいくつか枝分かれしており、それをしらみつぶしに潰していく。プチプチと虫を潰すように無双する。
たまにはこういうのもいいよね。
枝分かれした洞窟のすべてを回っていると、前回転移した大きめの洞穴に到着した。何故かここには多くのオークがおり、装備も整っているが、今回は奇襲をかけられる側ではない。
奇襲をかける側なのだ。俺はSSR雷の剣から雷撃を飛ばし、後衛オーク達を殲滅させる。突然の襲撃に気づいた、ただのオーク達を前回同様に切り倒す。
「今回はRオークの睾丸か、やっぱり幸運のネックレスがないとこんなもんか」
前回はUR幸運のネックレスのおかげでSSRを引き当てられたのだと実感し、感謝する。
そして前回はすぐ帰ってしまったが、奥への道を見つけお宝のにおいを感じ進むことにした。
念のためUR装備にしてLR幸運のネックレスを装備し、何が起きても大丈夫なようにする。
奥に進むと大量の財宝を背にし、椅子に座るオークキングと呼べるような他のオークより一回り大きく、大層な装備をしてるやつが鎮座していた。
「オロカナシンニュウシャヨ、ワガケンノサビニシテクレル」
人語を話すそいつを俺は一撃で倒す。
後ろには3個の宝箱があった。宝石はハリボテのようで掴むことは出来なかった。なんだよただの演出かよ。
男爵吸血鬼がイレギュラーだっただけで5層のボスっぽいやつなんてこんなもんか。
装備のありがたさを実感し、宝箱を開ける。
URオークの睾丸 URオークの睾丸 URオークの睾丸
オークの睾丸ばっかいらねえええええええええ
いやURだから高く売れるんだろうけどさあ、これ絶対怪しまれるだろ。いくらダンジョンが情報を管理しているとはいえ、目立つだろさすがに……。
いや、でもUR装備をガチャからドロップしても特になにかあったわけでもないし、問題ないか……?そもそもURオークの睾丸の効果ってやばくない?腹上死とかしちゃわないか?
興奮よりもその効能に興味がいってしまうものをドロップし、俺は妙に冷静になりながらダンジョンから帰還した。
買取所にいってURオークの睾丸を提出すると青髪の受付嬢が固まった。
「……URオークの睾丸ですね、初めてのドロップなので料金の査定にしばらく時間がかかります。申し訳ありませんが後日改めて査定額を提示しますので、それまでお待ちください」
SSRオークの睾丸は出たことあったんだな、初めて未知のアイテムを買取してもらったことで査定額不明という珍事に遭遇した。
俺はまだ現実世界で未だにダンジョン産素材の恩恵を受けている気がしないのだが、本当に役に立っているのだろうか。
上級国民とか富裕層の人間が全部使ってるんじゃないだろうな。
なんかムカついてきた。俺が命懸けでダンジョン潜ってるのに、もっと生活豊かにさせろよな。
◆
「URオークの睾丸だと!?一体どう使えばいいんだ……」
オークの睾丸による精力増強剤の開発は進んでいて、すでに実用化されているが、URともなるとその扱いに困ってしまう。すでにSSRでも充分な効果を得ているのだ。URともなればその効果は見るまでもない。むしろ犯罪にでも手を染めるレベルに発狂してしまう可能性すらある。麻薬と同じような依存症になるとも限らない。
「こんな危険なものを買い取らなければならいとは、SSRは500万円だとしてURはどの程度が妥当か?いやもっと少量に刻んで希釈すればSSRと同程度の効果で大量生産出来る可能性もある。そうなればとりあえず一玉1億円くらいでいいか?」
「精力剤に使うのはもったいないのでは?他の道を模索するためにももう少し値段をさげて、あくまでも研究用として購入すべきかと」
「俺はオークの睾丸はとても美味だと聞いたぞ」
有識者の中で議論が交わされる。結局URだがオークの睾丸ということで一玉8000万円ということで話がついた。
「しかしまた新庄誠か、幸いなのは奴が現金化ではなくタラーでその多くを消費していることだ。さすがに2億円は現金にしたようだが、このまますべて現金での取り扱いにされてしまばこちらが破綻してしまう。いくら研究費としてスポンサーから多額の資金提供があっても限度というものがある」
「幸い彼はタラーでの消費が多く助かっているからな、薬草から作れるポーションの売れ行きも順調、最近では千切れた腕すらくっつけるポーションも開発されたとか」
「おぉそれはすごい、部位欠損を治すポーションが出来るのも時間の問題ですな」
ダンジョン産アイテムによる好景気、それがいつまでも続くと皆思っている。
これで性格もよければなあ、優菜ちゃんみたくスレてない子がいいよ。
また今度食事に誘ってみよう、俺もなんか自信みたいのついてきたし。
「なにニヤついてるのよ気持ち悪い」
「相変わらず口が悪いな、せっかくのドロップだぞ、もっと喜べよ」
「これでも喜んでるわよ、それよりもっと下層までこれで潜れるでしょ。明日さっさと潜るわよ。今日はこれでおしまい」
舞がそう言って出口へと向かう。
「俺はちょっと用事あるから先に帰っててくれよ、また明日な」
俺は舞に別れを告げるとそのまま5層の、あるところへと向かった。
オークの拠点である。
舞はコボルトを探すのに必死だったが、俺は余裕があったため周りの探索を行っていた。そこで見覚えのある場所を見つけた。以前見たオークの拠点となる洞窟の入口だ。
俺は最近守ってばかりで若干ストレスが溜まっていたのでオークを狩りまくって解消しようと考えた。
ここのオークの強さは確認済みだ、ついでにUR男爵吸血鬼の指輪をつけて万が一に備える。SSR雷の装備に身を包み、正面から入っていく。前回と違い、敵に囲まれた状態からのスタートではなかったので、余裕をもって対処することが出来た。まず厄介な魔法や弓を飛ばしてくる後衛のオークが見当たらなかったので、手前で食事をしていたオークに問答無用で切りかかる。声を出す間もなく3体のオークはその凶刃に倒れた。
この洞窟はいくつか枝分かれしており、それをしらみつぶしに潰していく。プチプチと虫を潰すように無双する。
たまにはこういうのもいいよね。
枝分かれした洞窟のすべてを回っていると、前回転移した大きめの洞穴に到着した。何故かここには多くのオークがおり、装備も整っているが、今回は奇襲をかけられる側ではない。
奇襲をかける側なのだ。俺はSSR雷の剣から雷撃を飛ばし、後衛オーク達を殲滅させる。突然の襲撃に気づいた、ただのオーク達を前回同様に切り倒す。
「今回はRオークの睾丸か、やっぱり幸運のネックレスがないとこんなもんか」
前回はUR幸運のネックレスのおかげでSSRを引き当てられたのだと実感し、感謝する。
そして前回はすぐ帰ってしまったが、奥への道を見つけお宝のにおいを感じ進むことにした。
念のためUR装備にしてLR幸運のネックレスを装備し、何が起きても大丈夫なようにする。
奥に進むと大量の財宝を背にし、椅子に座るオークキングと呼べるような他のオークより一回り大きく、大層な装備をしてるやつが鎮座していた。
「オロカナシンニュウシャヨ、ワガケンノサビニシテクレル」
人語を話すそいつを俺は一撃で倒す。
後ろには3個の宝箱があった。宝石はハリボテのようで掴むことは出来なかった。なんだよただの演出かよ。
男爵吸血鬼がイレギュラーだっただけで5層のボスっぽいやつなんてこんなもんか。
装備のありがたさを実感し、宝箱を開ける。
URオークの睾丸 URオークの睾丸 URオークの睾丸
オークの睾丸ばっかいらねえええええええええ
いやURだから高く売れるんだろうけどさあ、これ絶対怪しまれるだろ。いくらダンジョンが情報を管理しているとはいえ、目立つだろさすがに……。
いや、でもUR装備をガチャからドロップしても特になにかあったわけでもないし、問題ないか……?そもそもURオークの睾丸の効果ってやばくない?腹上死とかしちゃわないか?
興奮よりもその効能に興味がいってしまうものをドロップし、俺は妙に冷静になりながらダンジョンから帰還した。
買取所にいってURオークの睾丸を提出すると青髪の受付嬢が固まった。
「……URオークの睾丸ですね、初めてのドロップなので料金の査定にしばらく時間がかかります。申し訳ありませんが後日改めて査定額を提示しますので、それまでお待ちください」
SSRオークの睾丸は出たことあったんだな、初めて未知のアイテムを買取してもらったことで査定額不明という珍事に遭遇した。
俺はまだ現実世界で未だにダンジョン産素材の恩恵を受けている気がしないのだが、本当に役に立っているのだろうか。
上級国民とか富裕層の人間が全部使ってるんじゃないだろうな。
なんかムカついてきた。俺が命懸けでダンジョン潜ってるのに、もっと生活豊かにさせろよな。
◆
「URオークの睾丸だと!?一体どう使えばいいんだ……」
オークの睾丸による精力増強剤の開発は進んでいて、すでに実用化されているが、URともなるとその扱いに困ってしまう。すでにSSRでも充分な効果を得ているのだ。URともなればその効果は見るまでもない。むしろ犯罪にでも手を染めるレベルに発狂してしまう可能性すらある。麻薬と同じような依存症になるとも限らない。
「こんな危険なものを買い取らなければならいとは、SSRは500万円だとしてURはどの程度が妥当か?いやもっと少量に刻んで希釈すればSSRと同程度の効果で大量生産出来る可能性もある。そうなればとりあえず一玉1億円くらいでいいか?」
「精力剤に使うのはもったいないのでは?他の道を模索するためにももう少し値段をさげて、あくまでも研究用として購入すべきかと」
「俺はオークの睾丸はとても美味だと聞いたぞ」
有識者の中で議論が交わされる。結局URだがオークの睾丸ということで一玉8000万円ということで話がついた。
「しかしまた新庄誠か、幸いなのは奴が現金化ではなくタラーでその多くを消費していることだ。さすがに2億円は現金にしたようだが、このまますべて現金での取り扱いにされてしまばこちらが破綻してしまう。いくら研究費としてスポンサーから多額の資金提供があっても限度というものがある」
「幸い彼はタラーでの消費が多く助かっているからな、薬草から作れるポーションの売れ行きも順調、最近では千切れた腕すらくっつけるポーションも開発されたとか」
「おぉそれはすごい、部位欠損を治すポーションが出来るのも時間の問題ですな」
ダンジョン産アイテムによる好景気、それがいつまでも続くと皆思っている。
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