母の全てを送るまで

くろすけ

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私はババっ子でした

母との関係

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移住先でも父はほぼ家に居ないので、母、弟、私の何とも歪な生活が続いていた。

そこは父の会社が借りてくれた借家だったのだが庭があり、庭のツツジが綺麗に咲いた、確か5月頃だったと思う。

普段弟に振り回されて不機嫌な母が、庭に綺麗に咲いたツツジの前で私に写真を撮って!と言ってきた。
いいよ!と返事をすると部屋にいる弟を抱き抱え満面の笑みで私を見ている。
何とも言えない気持ちで私はシャッターを何度も押した。

母はその写真を大変気に入り、その後父の名義で建てた家にもよく飾っていた。

そうだ、蛇足だが当時常に不機嫌な母から珍しく褒められた記憶もある。

当時初めてのおつかいがテレビでも流行っていて、弟に付ききりの母からよくおつかいと言うか、買い物を頼まれていた。

事前に一度は母と自転車で一緒に行った事があるが、ほぼ未開の地。
迷いながら帰りが遅い!!と怒られないように、ちょっと近道があればなーとある意味冒険をしながら買い物によく行っていた。

ある日買い物を済ませて家に帰ると、珍しく母が悩んでいた。

どうしたの?と聞くと、カレーを作りたいけど大人用と子供用、どう分けて作ったらいいのかわからないとの事。

今思えば、精神的に母も未開の地で周りに相談出来る人もおらず、そんなになるまで追い詰められていたのだろうなと思う。
私はレトルトの星の王子様で良かったし、父は家に居ないのだから母が食べる分だけ作ればいいだけの話なのだ。

カレーの作り方の話を聴きながら、私は当時のありったけの知恵を振り絞り、「え!途中まで一緒なら、鍋を分けて最後のルーだけ変えればいいんじゃない?」と話した。

母は珍しく「頭いいわね!!!」と褒めてくれ、束の間の弟抜きの母子の時間を過ごせて私は本当に嬉しかった。

因みに作ってくれたのは星の王子様の固形のルーであり…レトルトの方が美味しいなと思ったのは母の前では口が裂けても言えず、言えないままに今に至る。

そうだ、もう一つエピソードを思い出した。
学校で上手く立ち回っている私の家に、仲が良かった男友達が2人家に訪ねて来てくれた事がある。
母は「あんた、やるわね。」と言ったが、当時の私からすれば???普通の友達だけど?何をやるの?と疑問でいっぱいだった。
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