5 / 25
5. 苗木
しおりを挟む
一段落してから、私はお嬢さまの部屋を訪れた。
薄く扉が開いている。これは入っても構いませんよ、という合図だろうか。
しかし念のためノックをすると、中から「どうぞ」と彼女の声がした。
「失礼いたします」
扉を開けると、彼女が窓際に置かれた椅子から立ち上がるところだった。
私が中に入って扉を閉めると、ほんのわずかだが、彼女は身体を震わせた。
警戒しているのか。失礼な。私は節操のない人間ではない。
とはいえ、この屋敷に来たばかりの彼女にそれを言うのも酷だろう。
それに確かに、男と二人きりで部屋にいるというのは、警戒すべき事態なのかもしれない。
私はそう心の中で納得すると、ノブを回して扉を少しだけ開けた。
「私がいる間は開けておきましょう。でも、私が入ってくるまでも、扉を開けておられたようですが」
「え? ええ」
「閉められたほうがよろしいかと存じます。だらしなく感じられる方もおられますし、なんといっても女性なのですから、警戒心は持たないと」
私がそう言うと、彼女は困ったように首を傾げて、曖昧に微笑んだ。
……わかっているのだろうか。素直に、はい、と言えばいいものを。
ふと彼女は窓辺に視線を移した。
視線の先には、あの植木鉢。
ノックするまでは、植木鉢を眺めていたということだろう。
植木鉢の中には、小さな苗木が植えられている。植木鉢の大きさには合っていない。
「これから大きくなるのですか」
私の質問に、彼女は微笑と共に答える。
「そうみたい」
「ということは、何の植物なのかわからないのですか」
緑の葉が数枚あるだけの、苗木。これだけでは判別は難しそうだ。
「ええ、私は知らないの」
言いながら、彼女は土の上をそっと撫でた。
「でも半年後には白い花が咲くのですって」
半年後。花が咲く。
「ではその花が咲いたら、ここを出て行かれるということですか」
「ええ、そのはずなの」
まるで他人事のように、彼女はそう言った。
この家を出てその先。彼女はそこを見ているのだろうか。
「……もう少し大きくなったら、何の花が咲くのか調べましょうか?」
今のままではわからないが、大きくなれば、おおよその見当は付くだろう。
しかし彼女は首を横に振った。
「いいえ、咲くのを楽しみに待ちます」
なんだ。いい提案だと思ったのに。
「でも何の花かわからないと、どう育てればいいのかわからないのでは?」
「ああ、それは、陽の当たるところに置いておいて、朝一回お水をやればいいのですって。比較的簡単に花を咲かせるのだそうよ」
「……そうですか」
少し気落ちしたのを気付かれたのか、彼女は取り繕うように言葉を連ねる。
「私も知りたいとは思うのだけど、特には教えてくださらなかったから、知らないほうがいいかと思って。でも大きくなったらジルベルトさまならわかってしまうのかしら。もしわかっても、私には内緒にしておいてね?」
そう矢継ぎ早に言って、彼女は人差し指を立てて口元にやった。
どうやら、気を遣われてしまったようだ。
ため息が出そうになったが、それだけはなんとか堪えることができたのだけが幸いだった。
「ところで、私はお嬢さまに勉強を教えるということなのですが……」
「くすぐったいわ」
「は?」
いきなり言われて、そんな素っ頓狂な声が漏れた。
「私がお嬢さまなんて、落ち着かない。だってジルベルトさまが私の先生なのでしょう?」
「でも……」
「だから、リュシイって名前で呼んでください」
彼女はそう言って微笑んだ。
だからといって、はいそうですか、というわけにもいかない。
「とは言っても、あなたはお嬢さまなのですから、礼を失すると私が怒られます」
「そうかしら」
「そうです」
それでも彼女は納得できないようで、首を傾げている。
身分の差というものは、考えている以上に重要なものだ。同じ爵位でも公爵や侯爵、伯爵、男爵など、細かく区分される。誰が目上で誰が目下なのか。手紙一つでも、作法が少しずつ違ってくる。
細かいことで面倒だが仕方ない。このあたりを軽く考えていると、常識がないと烙印を押されてしまう。
彼女はこの屋敷のお嬢さま、つまり公爵令嬢で、私は一介の書生なのだ。
「じゃあわかった」
彼女はぽんと手を叩いた。まるでいいことを思いついた、という子どものようだ。
「二人だけのときは、名前にしましょう。内緒で」
「え……」
私の言葉は何の意味もなかったらしい。
「そうしましょう。だって私がいくらジャンティさまの養女といっても、この間まで何の地位も持たない人間だったのだし、お嬢さまという呼び方に私はふさわしくないわ。やっぱり落ち着かないもの」
「でも……」
「決まり!」
彼女はそう言って、もう一度手を叩いた。
二人きりのときだけ、というのなら、それも構わないだろうと説得は諦めた。
ところが、とんでもないことを言い出した。
「じゃあ、呼んでみて。練習」
「えっ」
「はいっ」
そう言われて、渋々口に出す。
「……リュシイ」
口にすると新鮮で、なんだかくすぐったかった。
「うん、やっぱりそれがいいわ。落ち着くもの」
彼女は満足げにうなずいた。
「じゃあ私のことも、ジルベルトと呼んでもらっていいですから」
正直言うと、彼女に『さま』という敬称を付けられることが落ち着かなくはあった。
今の彼女と私の身分を考えればそれは必要なかったし、今までそんな敬称を付けられたこともなかったからだ。
「先生、というのもなしなの?」
「ありません」
「なんだ」
彼女は少し口を尖らせた。
しかしこんなことで大事な時間をつぶすわけにもいかない。
私は少しだけ声を張って言った。
「では、何から教えればいいでしょう」
それは彼女に対して言ったのではなかったかもしれない。訊いたところで、彼女から明快に答えが聞けるとも思えなかった。
しかし、彼女はあっさりと答えてきた。
「何でも」
「何でも?」
「私、何も知らないんです。恥ずかしいことですけど」
そう言って、申し訳なさそうに俯いた。
「そうですか。わかりました」
とは言ったものの、あまりに漠然としすぎて何から教えればいいのか分からない。
貴族のお嬢さまにふさわしい知識。なんだろう。
「……じゃあ、このエイゼンという国の、初代国王の名はご存知ですか」
ただ単に、最初に思いついたことを言ってみた。これは日常会話の中でも時々出てくる。当然知っていなければならないことだろう。
けれども彼女は、小さく首を傾げた。
「……ご存じない?」
「……ごめんなさい」
これは重症だ。
貴族の娘に限らず、そこそこの教育を受けている者ならば、初代国王から現王陛下まですべての名前を言えて当然なのだ。途中が曖昧でも、初代国王だけは誰も間違わない。
「ディエゴ、というのが初代国王の御名です」
「そうなんですか」
彼女は、初めて聞いた、という風な表情でうなずいた。
「では、現王陛下は?」
「……レディオス」
彼女は、自信がないのか、本当に小さな声でその名を舌に乗せた。
よかった。これは知っていた。私は心の中で胸を撫で下ろす。
「正解。では差し当たり、この辺りから覚えていきましょうか。ああ、あと大雑把な歴史もやっていかないと。周辺諸国の国名はご存知ですか」
「えと……クラッセ……なら」
「わかりました」
こうして少しずつでもわかることとわからないことが判明していくだろう。その都度、わからないことを叩き込んでいけばいい。
半年という期限付きということを考えると気が遠くなりそうだが、主人は可能と判断したから私に任せたのだろう。
主人が言うなら大丈夫だ。
「では、きちんと覚え書きをとっていきましょう。忘れたらまたそれを見ればいいし、書くことで覚えるのが早くなります。はい」
私は、ここに来る前に用意していた紙とペンとインクを彼女の前に差し出した。
彼女はそれを、恐る恐るといった態で受け取った。
けれど、机につくこともなく、彼女はただ受け取ったものを眺めている。
「どうかしましたか?」
「あの……」
彼女は思い切ったように、顔を上げて言った。
「私、文字はあまり……」
そこからか!
今度は、ため息を隠すことが出来なかった。
薄く扉が開いている。これは入っても構いませんよ、という合図だろうか。
しかし念のためノックをすると、中から「どうぞ」と彼女の声がした。
「失礼いたします」
扉を開けると、彼女が窓際に置かれた椅子から立ち上がるところだった。
私が中に入って扉を閉めると、ほんのわずかだが、彼女は身体を震わせた。
警戒しているのか。失礼な。私は節操のない人間ではない。
とはいえ、この屋敷に来たばかりの彼女にそれを言うのも酷だろう。
それに確かに、男と二人きりで部屋にいるというのは、警戒すべき事態なのかもしれない。
私はそう心の中で納得すると、ノブを回して扉を少しだけ開けた。
「私がいる間は開けておきましょう。でも、私が入ってくるまでも、扉を開けておられたようですが」
「え? ええ」
「閉められたほうがよろしいかと存じます。だらしなく感じられる方もおられますし、なんといっても女性なのですから、警戒心は持たないと」
私がそう言うと、彼女は困ったように首を傾げて、曖昧に微笑んだ。
……わかっているのだろうか。素直に、はい、と言えばいいものを。
ふと彼女は窓辺に視線を移した。
視線の先には、あの植木鉢。
ノックするまでは、植木鉢を眺めていたということだろう。
植木鉢の中には、小さな苗木が植えられている。植木鉢の大きさには合っていない。
「これから大きくなるのですか」
私の質問に、彼女は微笑と共に答える。
「そうみたい」
「ということは、何の植物なのかわからないのですか」
緑の葉が数枚あるだけの、苗木。これだけでは判別は難しそうだ。
「ええ、私は知らないの」
言いながら、彼女は土の上をそっと撫でた。
「でも半年後には白い花が咲くのですって」
半年後。花が咲く。
「ではその花が咲いたら、ここを出て行かれるということですか」
「ええ、そのはずなの」
まるで他人事のように、彼女はそう言った。
この家を出てその先。彼女はそこを見ているのだろうか。
「……もう少し大きくなったら、何の花が咲くのか調べましょうか?」
今のままではわからないが、大きくなれば、おおよその見当は付くだろう。
しかし彼女は首を横に振った。
「いいえ、咲くのを楽しみに待ちます」
なんだ。いい提案だと思ったのに。
「でも何の花かわからないと、どう育てればいいのかわからないのでは?」
「ああ、それは、陽の当たるところに置いておいて、朝一回お水をやればいいのですって。比較的簡単に花を咲かせるのだそうよ」
「……そうですか」
少し気落ちしたのを気付かれたのか、彼女は取り繕うように言葉を連ねる。
「私も知りたいとは思うのだけど、特には教えてくださらなかったから、知らないほうがいいかと思って。でも大きくなったらジルベルトさまならわかってしまうのかしら。もしわかっても、私には内緒にしておいてね?」
そう矢継ぎ早に言って、彼女は人差し指を立てて口元にやった。
どうやら、気を遣われてしまったようだ。
ため息が出そうになったが、それだけはなんとか堪えることができたのだけが幸いだった。
「ところで、私はお嬢さまに勉強を教えるということなのですが……」
「くすぐったいわ」
「は?」
いきなり言われて、そんな素っ頓狂な声が漏れた。
「私がお嬢さまなんて、落ち着かない。だってジルベルトさまが私の先生なのでしょう?」
「でも……」
「だから、リュシイって名前で呼んでください」
彼女はそう言って微笑んだ。
だからといって、はいそうですか、というわけにもいかない。
「とは言っても、あなたはお嬢さまなのですから、礼を失すると私が怒られます」
「そうかしら」
「そうです」
それでも彼女は納得できないようで、首を傾げている。
身分の差というものは、考えている以上に重要なものだ。同じ爵位でも公爵や侯爵、伯爵、男爵など、細かく区分される。誰が目上で誰が目下なのか。手紙一つでも、作法が少しずつ違ってくる。
細かいことで面倒だが仕方ない。このあたりを軽く考えていると、常識がないと烙印を押されてしまう。
彼女はこの屋敷のお嬢さま、つまり公爵令嬢で、私は一介の書生なのだ。
「じゃあわかった」
彼女はぽんと手を叩いた。まるでいいことを思いついた、という子どものようだ。
「二人だけのときは、名前にしましょう。内緒で」
「え……」
私の言葉は何の意味もなかったらしい。
「そうしましょう。だって私がいくらジャンティさまの養女といっても、この間まで何の地位も持たない人間だったのだし、お嬢さまという呼び方に私はふさわしくないわ。やっぱり落ち着かないもの」
「でも……」
「決まり!」
彼女はそう言って、もう一度手を叩いた。
二人きりのときだけ、というのなら、それも構わないだろうと説得は諦めた。
ところが、とんでもないことを言い出した。
「じゃあ、呼んでみて。練習」
「えっ」
「はいっ」
そう言われて、渋々口に出す。
「……リュシイ」
口にすると新鮮で、なんだかくすぐったかった。
「うん、やっぱりそれがいいわ。落ち着くもの」
彼女は満足げにうなずいた。
「じゃあ私のことも、ジルベルトと呼んでもらっていいですから」
正直言うと、彼女に『さま』という敬称を付けられることが落ち着かなくはあった。
今の彼女と私の身分を考えればそれは必要なかったし、今までそんな敬称を付けられたこともなかったからだ。
「先生、というのもなしなの?」
「ありません」
「なんだ」
彼女は少し口を尖らせた。
しかしこんなことで大事な時間をつぶすわけにもいかない。
私は少しだけ声を張って言った。
「では、何から教えればいいでしょう」
それは彼女に対して言ったのではなかったかもしれない。訊いたところで、彼女から明快に答えが聞けるとも思えなかった。
しかし、彼女はあっさりと答えてきた。
「何でも」
「何でも?」
「私、何も知らないんです。恥ずかしいことですけど」
そう言って、申し訳なさそうに俯いた。
「そうですか。わかりました」
とは言ったものの、あまりに漠然としすぎて何から教えればいいのか分からない。
貴族のお嬢さまにふさわしい知識。なんだろう。
「……じゃあ、このエイゼンという国の、初代国王の名はご存知ですか」
ただ単に、最初に思いついたことを言ってみた。これは日常会話の中でも時々出てくる。当然知っていなければならないことだろう。
けれども彼女は、小さく首を傾げた。
「……ご存じない?」
「……ごめんなさい」
これは重症だ。
貴族の娘に限らず、そこそこの教育を受けている者ならば、初代国王から現王陛下まですべての名前を言えて当然なのだ。途中が曖昧でも、初代国王だけは誰も間違わない。
「ディエゴ、というのが初代国王の御名です」
「そうなんですか」
彼女は、初めて聞いた、という風な表情でうなずいた。
「では、現王陛下は?」
「……レディオス」
彼女は、自信がないのか、本当に小さな声でその名を舌に乗せた。
よかった。これは知っていた。私は心の中で胸を撫で下ろす。
「正解。では差し当たり、この辺りから覚えていきましょうか。ああ、あと大雑把な歴史もやっていかないと。周辺諸国の国名はご存知ですか」
「えと……クラッセ……なら」
「わかりました」
こうして少しずつでもわかることとわからないことが判明していくだろう。その都度、わからないことを叩き込んでいけばいい。
半年という期限付きということを考えると気が遠くなりそうだが、主人は可能と判断したから私に任せたのだろう。
主人が言うなら大丈夫だ。
「では、きちんと覚え書きをとっていきましょう。忘れたらまたそれを見ればいいし、書くことで覚えるのが早くなります。はい」
私は、ここに来る前に用意していた紙とペンとインクを彼女の前に差し出した。
彼女はそれを、恐る恐るといった態で受け取った。
けれど、机につくこともなく、彼女はただ受け取ったものを眺めている。
「どうかしましたか?」
「あの……」
彼女は思い切ったように、顔を上げて言った。
「私、文字はあまり……」
そこからか!
今度は、ため息を隠すことが出来なかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。
たまこ
恋愛
公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。
ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。
※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました
春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。
名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。
誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。
ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、
あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。
「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」
「……もう限界だ」
私は知らなかった。
宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて――
ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。
ヒュントヘン家の仔犬姫〜前世殿下の愛犬だった私ですが、なぜか今世で求愛されています〜
高遠すばる
恋愛
「ご主人さま、会いたかった…!」
公爵令嬢シャルロットの前世は王太子アルブレヒトの愛犬だ。
これは、前世の主人に尽くしたい仔犬な令嬢と、そんな令嬢への愛が重すぎる王太子の、紆余曲折ありながらハッピーエンドへたどり着くまでの長い長いお話。
2024/8/24
タイトルをわかりやすく改題しました。
婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!
柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。
南田 此仁
恋愛
ブラック企業を飛び出すように退職した日菜(ヒナ)は、家で一人祝杯を上げていた――はずなのに。
不意に落ちたペンダントトップへと手を伸ばし、気がつけばまったく見知らぬ場所にいた。
周囲を取り巻く巨大なぬいぐるみたち。
巨大化したペンダントトップ。
あれ?
もしかして私、ちっちゃくなっちゃった――!?
……なーんてね。夢でしょ、夢!
と思って過ごしていたものの、一向に目が覚める気配はなく。
空腹感も尿意もある異様にリアルな夢のなか、鬼のような形相の家主から隠れてドールハウスで暮らしてみたり、仮眠中の家主にこっそりと触れてみたり。
姿を見られたが最後、可愛いもの好きの家主からの溺愛が止まりません……!?
■一話 800~1000文字ほど
■濡れ場は後半、※マーク付き
■ご感想いただけるととっても嬉しいです( *´艸`)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる