まったり異世界観光 ~観光チートで異世界を楽しみつくす~

にしん

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今は食後のお茶を啜りながら、まったりタイム。
絶景広がるこの場所は、手が届きそうなほどに空が近い。
食べ終えた頃には太陽が一番高い時刻を過ぎていたが、日差しはまだ十分に暖かい。

「あー、お弁当美味しかった」
「からあげもサイコーだった」
「なんで外で食べるごはんって、あんなに美味しいんでしょうか」

三人娘も頂上ランチにテンションあげあげである。

「サイトさん。あらためてごちそうさまです」 

マリーのお礼の言葉に合わせ、三人が頭をぺこり。

「でも、本当によかったんですか?  さんざんお世話にはなった上でお昼までなんて」
「普段から一人仕事だからね。たまに先輩面できるチャンスは活かさないと。それに女将さんも快く引き受けてくれたからね」

しかもクオリティに反して、料金も格安。帰ったら改めてお礼いわなくちゃだ。

「まぁ、その分は自分たちが後輩を持ったときに同じようにしてあげな」
「それって、みんないいますよね」

マリーはそう言って、くすっと笑う。

「おじさんっぽいよ」

ぐさっ。何気ない言葉がクリーンヒットする。

「カリンっ! 失礼じゃない」

カリンの一言を咎めるナツメ。
あの、そうやって本当のこと言っちゃダメじゃない感出されると、ガチっぽくて、ちょっと複雑。

「いや、いいよ。俺も昔はそう思ってたから。君らだって、何年かしたら同じようになるさ」

そうやって、世は廻っていくのさ。




「あー、こういうところで飲むお茶って、どうして美味しいんですかね」

話を切り替えるためか、マリーがいきなり別の話題を投げ掛けてくる。

「この茶葉もいいやつ何ですか?」
「いや、これは店売りの一番安いやつ。でもヤズヤさんに教えてもらったとこだから、お値打ち品ではあると思うよ」

今、みんなに提供したのは緑茶だが、俺は普段緑茶をあまり飲まない。
それもそのはず、緑茶はケーラル辺りの独自文化である。他の地方でも手に入らないことはないが、手に入りにくくて高い割に品質もそこそこだ。
だったら、コーヒーや紅茶でいいやとなってしまう。

「緑茶はあんまり飲んだことなかったけど、飲み始めたら、はまっちゃったね」
「私たちは子供の頃から、普通に飲んでたんですけど、マゴットに出たらそんなにメジャーじゃなくてビックリしました」

この世界における緑茶というか、ケーラル文化自体が、前世でいうとこの沖縄みたいな特殊なポジション。
つまり、緑茶はさんぴん茶みたいなものなのだ。沖縄で知ってハマる人もいるってかんじ。
それで今回ケーラルに来て食後に出された緑茶飲んだら、前世の記憶が戻ってきたのも相まって、もぅ美味しいこと美味しいこと。女将さんに売ってる場所を聞いて、早速大人買いしてきた。

「まぁ当然水がいいのはあるだろうけど、やっぱりこういうシチュエーションの中で淹れるお茶は美味しいよ」

澄みきった空気、雲ひとつ無い青空、眼前に広がる景色、ほどよい満腹感。
これらが加わったお茶の味は格別なのだ。
これもまた登山の醍醐味である。

「これ、お茶請けにどうぞ」

道すがら少しだけ収穫したヤマアカシの実を提供する。
ヤマアカシの実は、山に自生するアカシの樹になる実で、さくらんぼのような見た目をしている。
味はほどよい酸味とさっぱりとした甘さで、一年中どの季節でも実がなるため、山中での水分補給、非常食に適している。

「あま~い」
「本当! 今まで食べた中でも一番甘いね」
「全然違いますね」

霊地で育った実は低層で取れるものよりずっと味が濃く、甘みも強い。

「どこにでもあるヤマアカシの実でこれなんだから、霊地っていうのは別世界なんだよね」

そう言って俺も実をつまむ。
うん、爽やかでうまい。
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