まったり異世界観光 ~観光チートで異世界を楽しみつくす~

にしん

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「お湯、お先にいただきました~」

下ごしらえもだいたい終わったところで、三人が温泉から戻ってきた。

「おー、お帰り」

湯上がりの三人は頬を火照らせ、上機嫌な感じだ。
風呂上がりではあるが、髪などは濡れていない。
この世界では、魔法でさっと乾かせるため、髪とかが湿っぽいということってほとんどない。
ついでにいえば、服を脱いだ時に魔法できれいにしてるから、道中の汚れもない。


「どうだった?  ここの秘湯は」

ニッコニコの三人の様子に感想をきくまでもないんだが、いちおう話の水を向けてやるのも、おすすめした人間のつとめというものだろう。

「すごかったです」
「きもちよかったー」
「景色も最高でした」

三人もだいぶ気に入ったようで、口々に感想が出てくる。

「ほら、ほんとは冷たい麦酒が最高だけど、いちおう野営中だからね。今日はお酒は無し。その代わりにキンキンに冷えた湧水をどうぞ」

道中で汲んでおいた湧水を、飲むときに最適の温度で出てくる魔法の水差しにいれておいて、提供する。

「うわぁ~、サイコー!」
「ありがとうございまーす」
「何から何まですいません。いただきます」

それぞれのコップで水を受け取った三人は、入浴で喉が渇いていたのか、勢いよくあおる。

「おいし~い」

マリーが驚きの声をあげる。他の二人も似たようなリアクションをしてる。
そりゃそうだ。この湧水は水質最高で、出すとこにだせば、万の値段がついても不思議じゃない超高級高品質の自然水。
風呂上がりにゴクゴク飲めるとか、最高の贅沢だからね。
まるで前世の飲み物のコマーシャルかのように美味しそうに水を飲む三人を見てると、ついこちらも嬉しくなってくる。
普段は一人旅が多いが、こういう感動体験を人と共有するというのも、悪くはないもんだ。



「サイトさんもお風呂どーぞ」
「ありがとう。キリのいいとこまでやったら、いただくよ」

次は俺のお風呂の番だが、すぐにはいかない。
時間のかかる作業に手をつけて、それの面倒を三人にみといてもらう方が効率がいい。

「指示をいただければ、私たちでできることをやっときますよ」
「うん。煮込みの面倒をみてもらおうかな」

今日の汁物は煮込みだ。今日獲れた鹿の内臓とか筋とかを野菜と一緒に煮込むやつ。味付け用の味噌も当然準備してある。

「煮込み、いいですねぇ」
「たのしみ~」
「じゃあまず火をつけちゃおうか」

みんなで竈の方に向かう。

「はい!  わたしがひをつける」

焚き火の準備をしたカリンが、ここは自分の仕事だと主張する。
魔法が得意ではないカリンだが、火種程度なら問題なく出せる。

「じゃあ任せるよ。さっそく、やっちゃって」
「まかせてー」

そういって手のひら一杯に集めた枯れ葉の山に火を着火。
勢いよく燃えはじめたそれを、組み上げた薪の燃えやすい細い枯れ枝が密集しているとこに投げ込む。
火がつくのに合わせ、火種を維持するカリンの脇で活性の風を弱くあてて、少しずつ火の力を増していく。
やがて火は小さな枯れ枝に移り、そこから他の枝を燃やしながら、少しずつ大きな炎へと姿を変えていく。
その様を、みんな何も言わずにただじっと見てる。
ついつい魅入ってしまうんだよなぁ。
何度もやっている作業なのに、この瞬間はいつもこうなって、目がはなせなくなる。

やがて大きな薪にまで火が渡り安定するのを待ってから、竈の方に火を分ける。
これで調理に入れるな。
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