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真の姿

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作者注:すみません・・今回は趣味全開のネタ満載です。作者の真の姿かも・・
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「……その恰好……それも魔法なの……か?」
 顎はまって良かったね。
 でも、父さん驚きすぎて疲れない?
「うん、魔法で創った鎧と剣だよ。お父さん、ここで撃退しなきゃ被害が出るから、僕は残って戦う!」
 ブレンダーが、励ますように僕にすり寄ってきたよ。
「ブレンダーも居るからね。僕だって戦える!」
 真面目な顔で父さんは僕に、
「トールヴァルド、本当に出来るのか? 魔物と戦った事ないだろう?」
 あ……言われてみれば、戦った事ないや。

 しかし……なぜか戦えると思い込んでたけど、敵の強さも何も知らねーぞ、俺。
 でもこの思いは止められない止まらない、どっかのカッパなスナック菓子のCMみたいなもんだぜ!
「無いよ。でもやらなきゃみんなが困るんだから、僕は戦う。これでも領主家の長男だから。領民を守るのは我が家の義務だもんね!」
 俺~がやらなきゃ(ダンダダン)♪だれがやるのさ~(ダンダダーン)♪今に見ていろハ〇ワ原人~全滅だ~♪
 違った……魔物め! 絶対に殲滅して村を守るんだ!
 仮面で表情は見えないだろうけど、僕の真剣(?)な想いは伝わった様だ。
「良く言った、その通りだ! よし、一緒に戦おう。でも忘れるなよ、お前はまだ子供だ。領民を守る義務は父さんだけが背負えばいい。危なくなったらそのオオカミと逃げるんだぞ。約束できるか?」

 そりゃ心配もするよな。
 でも俺はどっかの名探偵と一緒で、見た目は子供、頭脳は大人だ。
 空手っつう武道経験もがっつりある。
 手足が短いから、あんまり実践では役に立たないんだけど。
 まあ戦闘時の目くばせ位置取り間合いに呼吸と、役立つ事も沢山ある。
 やってやれない事は無い。 

「約束する。父さんも危なくなったら逃げてね」
 ちゃんと約束してあげよう。
「ああ。もう始まるな。絶対に死ぬなよ。母さんが泣くからな」
 父さんの言葉に黙って頷く。
 母さんは泣かせたくない。
「ミルシェちゃんも泣くぞ?」
 めっちゃニヤニヤしやがって……殴っていいか? 

 さあ、僕の幸せな未来のためにやるぞ!
 ミルシェちゃんとの未来の事じゃないぞ?
 いやいやいやいや嫌いじゃないから、変な告げ口すんなよ!?  集中集中! 
 もしダメだったら、デロリアンで過去に帰るぞ?
 いやまてよ? 青い耳なし猫型ロボットの出てくる机でもいいかもしれない……。
 カブトムシで時間をぼか~ん! するのでもいいな。
 って、何アホな事考えてるんだ俺!
 そうえいばブレンダーじゃなくて、バベルの塔に住んでいる超能力少年の黒豹でもよかったなあ……だって美女に変身できるもんな。
 って、戦いの前なんだから集中だっての!
 でもジャイアントなロボは捨てがたい! 横〇先生は最高だぜ! 
 あ……伝説の井出音(自主規制)の巨人作ったら速攻終わるんじゃね?
 いかんいかん! だから集中だって、俺!
 
 やる気(?)をみなぎらせる俺の脳裏に、ふとあの時の神様の言葉が浮かんだ。
『新しい輪廻転生の輪を作るための実験星だから……だから……だから……』
 実験星って、輪廻転生の輪を新しく作って俺みたいな魂の受け入れ先を増やすって実験なのか、それとも輪廻転生の新たなシステムが組み込まれた輪の実験の事なのか?
 人(?)の良さそうな神様だったけど、どうも何か隠してる様な気が今更ながらしてきた。
 そもそも、粗品が便利グッズの詰め合わせって説明してたけど、グッズじゃなくてグッズの卵だよな。

 あかん! 考えれば考えるほど裏がある気がしてならない。
 俺って神様に踊らされてる?
 単なる神様の優しさの可能性もあるけどさ。
 例え神様の手の上で踊らされててもいいや。
 モンキーマジック上等だぜ!
 だってこの家族にも村の人にもこの世界にも、もう愛着バリバリだからな。
 陰謀上等! やってやろうじゃねーか!
 まずはこの危機を乗り切ってから考えりゃいいや。
 集中だ、集中! 
 
 こちとら精神年齢42+5歳の中身おっさんだ!
 多少の陰謀何するものぞ、おっさん舐めるなよ!
 ナチュラル・チートな魂のエネルギー全力で使ってやる!
 
 精霊さん精霊さん、本番前の食事はお早めに願います。
 もうすぐ始まるそうですよ~開演直前です。
 みなさんの見せ場ですよ~!

 うぉ! 精霊さんいつもの数倍やってきたぞ!
 めっちゃエネルギー吸われてる!
 ちょ! 股間にくっ付くな! こら、そこは尻だ!
 あ……や、やめて……そこは……あん……変な世界の扉が開いちゃう……。
 開く前に止めました……やばかった……嫌な汗かいたぜ……ふう。

「トールヴァルド……その光ってるの何だ?」
 Wow! 父さんにも見えたのか!
「お父さん、これが魔素だよ。魔法の元になる」
「こ……これが魔素なのか……あの本に書いてたのは本当だったんだな……」 
 おぉ? もしかしてこれで父さんも魔法が使えるのか?

 精霊さん精霊さん、父さんの魔法も手伝ってもらっていいですか?
 ??? って感じだなあ。
 いや……あの父さんも魔法使えないかな~って。
 上手くコミュニケーションが取れないから無理?  何言ってるかわかんない? 
 俺の言葉は分かるの?  迸る熱いパトスがあるからわかるって?
 少年よ神話になれ?  おい! それ以上は危険だから言うなよ!
 ってか、なんでそのネタ知ってんだ?
 え……俺の記憶覗いたの? そんな事が出来るの?
 そうでなきゃ魔法のイメージが伝わらない……確かにおっしゃる通り。
 そっかあ……迸らなきゃダメなんだ。
 父さんが迸らせるのは、官能小説読んだ時の先ば……ゲフンゲフン……。
 
 取りあえず小さくても良いので火種ぐらいは何とかなりません?
 火種とか程度なら出来るって? それじゃオネシャス!
 エネルギー欲しかったら、僕の吸いに来てね。

 でも股間とお尻から吸うのだけは、や・め・て!
 あ……口もダメ! ファーストキスは、好きな人のために取っておきたいのー!
 
 んん……ごほん。

「魔素が見えたなら、お父さんも簡単な魔法なら使えるはずだよ」
「マジか!?」
「藁に火を点ける時の火種をイメージして、『火よ点け!』って言ってみて」 
 う~んう~んと唸ってた父さんがおもむろに、
「火よ点け!」
 ポッ……って小さな火が目の前に出ました。
「うぉぉぉぉ!! 俺にも魔法が使えた!」
 マッチより小さい火だけどさ。
「良かったね。お父さんだとあんまり大きな火は使えないと思うけど……」
「いやいや十分! これで火種に困らないからな。やっぱりトールヴァルドは天才だな! ありがとう!」
 よせやい、照れるぜ。

 って最前線で二人で何やってんだよ。
 もう魔物か魔獣ってのが来るかもしれないのに。
 ブレンダーも用意させとくか。

「父さん、驚かないでね」
「もうこれ以上、何に驚くんだい?」
 ブレンダーを手招きして、寄ってきた所で、
「ブレンダー、戦闘形態」
『ワオォーーーーン!』
 ほれほれ! ブレンダーが、グググッとさらに一回り大きくなる。
 額から水晶みたいに綺麗な角が、背中には同じく水晶の様な刃が生え並び、爪や牙も延びる。
 体中の毛もカッチカチになって、剣も槍も刺さらない。
 これぞブレンダーの戦闘形態、バトルモードだ!
 ネーミングセンスねーな……俺。
「こ……これがあのブレンダーなのか!?」
 父さんもびっくり。
「そうだよ。ブレンダーの真の姿。めっちゃ強いよ~!」
「そうか……ちゃんという事を聞いてくれるんだな。ならいい」
 多分、驚きの連続で麻痺してきたんだろうな。 
 ごめんね父さん。
 でもこの村を獣に蹂躙されるなって、まっぴらごめんなんだ。
 だから自重せずにガンガンいくつもりだ。
 ワイ〇ドに咆えるぜ!!
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