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期限までに全力全開
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我が家の真のボス…じゃない、母さんのお茶の誘いを断る事など、誰にも出来ない。
たった一言、俺がそう大して大きくも無い声で、
「母さんが、お茶にするから休憩しろって言ってるよ」
てんやわんやで喧々囂々な大騒動中の模擬戦組にそう伝えると、ピタッと全員が瞬時に動きを止めた。
騎士さん達にまでその恐ろしさが伝わってるのか…我が家の母さん恐るべし。
ってな事がありましたが、和やかにお茶会をした後は、騎士さんと父さんはのんびりと身体を休め、俺とコルネちゃん、おまけで嫁達も集まって、ユリアちゃんの装備の慣熟訓練を行った。
まだまだ上手く使えているとは言えないのだが、それなりにユリアちゃんも装備にも慣れてきた様子。
一応、それなりに使える程度でも、父さんの部下である騎士さん数名を同時に相手に出来る性能は持ち合わせているので、まあ戦争に連れて行っても大丈夫だろう。
そもそも装備したコルネちゃんユリアちゃんの妹コンビも、嫁達やユズユズペアも、人種が放つ事が出来る物理攻撃も魔法攻撃も通じないんだから、まあ何も心配していない。
唯一、傷つける事が出来る可能性があるのは、魂のエネルギーを攻撃力に変換した物とサラもお墨付きを出していたが、そんな事が出来る奴は、この地上では俺が知る限り恐怖の大王ぐらいなものだろう。
それもこの大陸から消え去ったんだから、まあ装備持ってる身内が負ける要素が見当たらない。
「おにいちゃん、つかれた~」
精々、このユリアちゃんの様に、スタミナ切れになった時に拘束するぐらいか?
鎖で拘束すれば、まあ動きは抑える事は出来るだろうが…拘束されてても魔法は使えるんだよね。
って事は、捕まっても害される心配は全くなし…いや、捕まってる時の、食事や給水やトイレの時が問題かな?
そこを狙われたら、普通の女の子だし、大問題かな。
まぁ、慢心とかじゃなく、そもそも捕まる事なんてあり得ないから、気にする必要も無いかな。
「んじゃ、今日の訓練はここまでね。みんなも装備を解除して、ゆっくりして」
と、俺が言うと、みんなは声を揃えて『はい!』と返事して、すぐに眩い光に包まれた。
説明なんて不要だろうが、装備を一斉に解除したのだ。
おかげで、まともに見た俺の目が潰れそうだったけど…目が…目が~! なんて、お約束はしない。
分ってて見てた俺が馬鹿なだけだから。
装備を解除してスッキリした一同は、母さんとのお茶の前に、仲良くホワイト・オルター号でシャワーを浴びるそうだ。
装備を着用している限り、汗はほとんどかかない仕様なのだが、そこはやっぱり女の子だけあって、やっぱり気になる様みたい。
気が付くと、シャワーに向かうメンバーに、ちゃっかりユズカも混じっていた。
もちろん、母さんもこれに許可を出したそうだ。
そして、俺の横には疲れ切ったユズキがやって来て、
「原案は出来ました…あとは試作するだけです…」
何があったのか、げっそりと頬はこけ、目の下にクマが出来たユズキは、もう一歩も動きたく無いとの事。
ま、ほんの1時間ちょっとでユズキが原案として認めるほどの出来なら、試作もすぐに出来るだろう。
材料の仕入れ先に関しては、個人的に当てはあるから、どんどん作って欲しい。
「出来れば開戦までに1万個は欲しいな。それ以上なら何万個でも」
俺の呟きを耳にしたユズキは、心底嫌そうな顔をしていたが、
「な~に、試作品が完成して仕様書が完成したら、蒸気自動車の根幹部品造りしている工房をすべてストップして、総力を挙げて取り掛かる。ユズキはそれらの取りまとめだけだぞ。お前に全部作れとは言わん。魔族さんや人魚さんドワーフさんにも協力を仰ぐ。エルフさんは…脳筋だから、あんま細かい作業は無理だけど…だから、とにかく安心しろ」
慰める様に励ます様にユズキに言うと、やっと少しだけ肩の力が抜けた様だった。
うむ…ブラックな就労は本来望ましくないが、緊急事態だ。
持てる戦力は全投入して、期限までは全力全開で事に当たるが、そこまでは頑張って欲しい。
それなりに報酬は期待してくれて構わんからな。
などとユズキと話しながら、母さんの元へと、男2人で寂しくとぼとぼ歩くのであった。
たった一言、俺がそう大して大きくも無い声で、
「母さんが、お茶にするから休憩しろって言ってるよ」
てんやわんやで喧々囂々な大騒動中の模擬戦組にそう伝えると、ピタッと全員が瞬時に動きを止めた。
騎士さん達にまでその恐ろしさが伝わってるのか…我が家の母さん恐るべし。
ってな事がありましたが、和やかにお茶会をした後は、騎士さんと父さんはのんびりと身体を休め、俺とコルネちゃん、おまけで嫁達も集まって、ユリアちゃんの装備の慣熟訓練を行った。
まだまだ上手く使えているとは言えないのだが、それなりにユリアちゃんも装備にも慣れてきた様子。
一応、それなりに使える程度でも、父さんの部下である騎士さん数名を同時に相手に出来る性能は持ち合わせているので、まあ戦争に連れて行っても大丈夫だろう。
そもそも装備したコルネちゃんユリアちゃんの妹コンビも、嫁達やユズユズペアも、人種が放つ事が出来る物理攻撃も魔法攻撃も通じないんだから、まあ何も心配していない。
唯一、傷つける事が出来る可能性があるのは、魂のエネルギーを攻撃力に変換した物とサラもお墨付きを出していたが、そんな事が出来る奴は、この地上では俺が知る限り恐怖の大王ぐらいなものだろう。
それもこの大陸から消え去ったんだから、まあ装備持ってる身内が負ける要素が見当たらない。
「おにいちゃん、つかれた~」
精々、このユリアちゃんの様に、スタミナ切れになった時に拘束するぐらいか?
鎖で拘束すれば、まあ動きは抑える事は出来るだろうが…拘束されてても魔法は使えるんだよね。
って事は、捕まっても害される心配は全くなし…いや、捕まってる時の、食事や給水やトイレの時が問題かな?
そこを狙われたら、普通の女の子だし、大問題かな。
まぁ、慢心とかじゃなく、そもそも捕まる事なんてあり得ないから、気にする必要も無いかな。
「んじゃ、今日の訓練はここまでね。みんなも装備を解除して、ゆっくりして」
と、俺が言うと、みんなは声を揃えて『はい!』と返事して、すぐに眩い光に包まれた。
説明なんて不要だろうが、装備を一斉に解除したのだ。
おかげで、まともに見た俺の目が潰れそうだったけど…目が…目が~! なんて、お約束はしない。
分ってて見てた俺が馬鹿なだけだから。
装備を解除してスッキリした一同は、母さんとのお茶の前に、仲良くホワイト・オルター号でシャワーを浴びるそうだ。
装備を着用している限り、汗はほとんどかかない仕様なのだが、そこはやっぱり女の子だけあって、やっぱり気になる様みたい。
気が付くと、シャワーに向かうメンバーに、ちゃっかりユズカも混じっていた。
もちろん、母さんもこれに許可を出したそうだ。
そして、俺の横には疲れ切ったユズキがやって来て、
「原案は出来ました…あとは試作するだけです…」
何があったのか、げっそりと頬はこけ、目の下にクマが出来たユズキは、もう一歩も動きたく無いとの事。
ま、ほんの1時間ちょっとでユズキが原案として認めるほどの出来なら、試作もすぐに出来るだろう。
材料の仕入れ先に関しては、個人的に当てはあるから、どんどん作って欲しい。
「出来れば開戦までに1万個は欲しいな。それ以上なら何万個でも」
俺の呟きを耳にしたユズキは、心底嫌そうな顔をしていたが、
「な~に、試作品が完成して仕様書が完成したら、蒸気自動車の根幹部品造りしている工房をすべてストップして、総力を挙げて取り掛かる。ユズキはそれらの取りまとめだけだぞ。お前に全部作れとは言わん。魔族さんや人魚さんドワーフさんにも協力を仰ぐ。エルフさんは…脳筋だから、あんま細かい作業は無理だけど…だから、とにかく安心しろ」
慰める様に励ます様にユズキに言うと、やっと少しだけ肩の力が抜けた様だった。
うむ…ブラックな就労は本来望ましくないが、緊急事態だ。
持てる戦力は全投入して、期限までは全力全開で事に当たるが、そこまでは頑張って欲しい。
それなりに報酬は期待してくれて構わんからな。
などとユズキと話しながら、母さんの元へと、男2人で寂しくとぼとぼ歩くのであった。
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