母ちゃんとオレ

ヨッシー

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ユウトくんとオレ

2話

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もう戻るのは決めてる
だけど
オレはどのタイミングに戻るか、すごく考えた
父さんと母ちゃんを選ぶタイミングか
母ちゃんが浮気する前のタイミングか

さっきユウトくんからLINEで、もうすぐ着くって

「よお…決まったか?」
「うん…戻るのは戻る」
「いつに戻るか決められないのか?」
「うん…母ちゃんについてくか、父さんについてくかのタイミングか、母ちゃんが浮気する前に止めるタイミングか…」
「オレとしては、そもそも浮気しなけりゃ家族3人で暮らせるし、それがいいような気がするけど…うーん…それって難しいよなぁ」
「そうなんだ…母ちゃんは離婚の一年前くらいって言ってたけど、正確にはわからないし…」
「おまけに余分に寿命削れるしな…」
「う、うん…それは仕方ないと思ってる…けど」
「けど?」
「オレがその浮気を止められるかもわからない…その相手を母ちゃんが好きになってたら…気持ちを我慢して生きるのって難しい…」
「…ああ…だなぁ…出来なくはないけど、難しいし…我慢して生きて、それが幸せかもわからないしな…」
「うん…けどさ、もしそれを諦めて、母ちゃんが浮気して、他の奴にいやらしい事されるのとか考えたくない」
「…たしかにw…そりゃ嫌だわw…あの明るくて優しいカオくんママを知ってるから、オレも嫌だよw」
「だよね!…それに、父さんを選んでさ…慰謝料は少なくて済むとして、母ちゃんはどうなっちゃうのか…」
「…オレはそれはやめた方がいいと思うぜ?…カオくんママがああやって明るく頑張れたのは、カオくんがそばに居たからだ…それは絶対そうだ」
「…そうかな?///」
「絶対そうだよ…あ…ママさんは寂しいから浮気したんだったよな?」
「うん」
「そん時、カオくんは…ママさんとどういう接し方だったんだ?」
「…オレは…あんまりあの頃は話してなかった…今みたいにこんな喋らなかった」
「それだよw…パパさんが居ないのが寂しいってのももちろんあるけど、カオくんがちゃんとママさんを大事にしてりゃ、浮気なんかしねえよ」
「そうかな?!」
「そうだと思うぜ?…だってママさん、カオくんと仲良くなってからだって、他に男作る機会はあったろうし、ママさんは結構キレイだし、でもそれでもママさんは誰とも付き合わなかったじゃん?…離婚した後に男と付き合うのは、悪いことじゃないのにさ…そうしなかったのは、カオくんと過ごす時間が、ママさんにとって誰と過ごすより勝ってたからだよ」
「…そっか…グス…嬉しい…」
「ほら、また泣くw…ギュ」
「じゃあさ…母ちゃんが離婚したの、オレが10歳の時だから、その一年前の13年前に戻ったらいいかな?」
「うーん…ちゃんと一年前からならな…その…なんだ…言いづらい事だけどさ」
「うん」
「男女が付き合うまでって、お互い好きになる期間とかあるのが普通だ…会って次の日から付き合うなんて、滅多にない…それはわかるだろ?」
「うんうん」
「だからその一年前ってのが、ママさんがソイツを好きになり始めた頃なら、そこに戻ればカオくんなら余裕で止められると思う」
「うんうん」
「けど…その一年前ってのがさ…聞きたくないだろうけど、ソイツとさ…エッチな事…し始めた時だったとしたら」
「…ああ」
「だからもしさ、浮気する前に戻るとしたら、14年前に戻るのが妥当じゃねえかな…」
「14年…えと、28年短くなるのか…」
「ああ…カオくんが今まで生きた年数よりだいぶ長い時間がなくなる」
「おお…でも…オレはそれでも、母ちゃんが幸せになれるならいいよ」
「…じゃあ決まりだな」
「うん!」
「オレもその世界だと8歳か…オレはその時にはもう女の子いじめたりしてた」
「あははw」
「あははじゃないよw…すでにちょいグレだぞ」
「ユウトくんは…〇〇小学校だったよね?」
「うん…関わる気?」
「わからないけど…見には行ってみる」
「そっかw…けど、見に行っただけじゃ済まなくなる気が、オレはするね…なんだかんだで関わっちまう気がするよ」
「…それでもオレは…ユウトくんに会いたいよ…」
「全くw…ギュ…ナデナデ…」
「ユウトくん…オレさ」
「ん?」
「今のオレは…人生をやり直してさ…それでもまだこの世界にいるオレの事」
「うん」
「ずっと仲良しでいてね」
「…当たり前だ…ギュ…当たり前じゃねえか…バカ」
「…グス…」

「…よし、じゃあ行くか」
「うん」

そうしてユウトくんの運転する車の助手席に乗って
高速に乗って
首都高が終わってももっと走って
トンネルがいっぱい続くとこにきた

「このトンネル区間の5つ目のトンネルが目的地だよ」
「…へぇぇ…たしかに、こんな山ん中じゃ、ちょっと道それただけで道が開けるなんて、信じられないね」
「ああ…だよなぁ…絶対、山ん中にめり込んでいくだけだよな、普通」
「うん…」
「カオくん、言いにくいんだけどさ…さんざん期待させて…実は今はなかったってなっても勘弁な?」
「うん…いいんだ別にw…それでもね、オレはそのユウトくんの異界館の話は信じるよ」
「ありがとw…もうそろそろだ」

それから少し走ると、4つ目のトンネルまでは短かったけど、その目的のトンネルはかなり距離があった
その途中に道の脇に緊急で車の停められるとこあって、ユウトくんはそこに停めた

「カオくん、降りよう」
「うん」

トンネルの脇の歩道?みたいな細い通路をユウトくんが先に歩いてく
オレはユウトくんについて歩いた

「ここだよ、カオくん」
「えっ?!」
「壁にしか見えないよなw」
「うん…」
「不思議だけどすり抜けちゃうんだよ」
「すごい…」
「オレはここまでしか見送れない…オレは車だったからそんなにかからなかったけど、カオくんは歩きだから結構歩くかもな」
「…わかった」

「カオくん…本当に行くか?…覚悟はいいか?」

ユウトくんがオレにそう聞いて
オレが返事しようとしたその時
すごく不思議な事が起こった

オレは2人に分裂したの

そんで、分裂したもう1人のオレは

「…やっぱりやめる」

と言ってた

ユウトくんともう1人のオレには、今のオレの事、まるで見えてないようだった

その2人を見守った

「…やっぱりやめる」
「そうか…そうだな、それもいいよw…じゃあ帰ろうか」
「うん!」

そんで2人は車の方に戻っていった

オレはその2人が見えなくなると、その壁を向いて、深呼吸して『えい』と突っ込んでみた

オレの身体は壁をすり抜けて、ユウトくんが言ったみたいに、すぐにトンネルを抜けた
オレはそのままその道を歩く
車で10分て言ってたけど、歩いても10分で、その建物に着いた

入り口に『異界館』と書いてある
外から見ると、四角い、どこにでもあるような見た目の建物だった
オレは中に入った

「ようこそ、異界館へ」

最初にそう声をかけてきたのは、とってもキレイな女性だった

「…ど、どうも」
「時間ぴったりですね」
「へ?…オレがここに来るの…知ってるの?」
「ええw…みんなわかりますよ~」
「そう…」
「でも、みんなの事は言えませんけどね」
「…はい、別に知りたくないです」
「…では、こちらへどうぞ」

案内されて着いた部屋には、なんか大きな椅子があった
そして、男性が1人居た

「カオルさん、どうぞこちらへ」
「あ、はい…」
「私はこの異界館のあるじです…カオルさんが本日来るのも、どこへ戻ろうとしているのも知っております」
「すごい」
「14年前ですね?」
「は、はい!」
「だいたいの説明はユウトさんから聞いてますね?」
「はい…」
「では私たちはやり直したあなたの人生から28年という時間をいただきます」
「はい…」
「あなたは本来、63歳まで生きます…なので、やり直しの人生だと35歳までしか生きられません…それでも良いですか?」
「はい…もしもやめるって言ったら?」
「それはないですw…あなたはここでやめない…そう決まってますから」
「はい…やめる気はありません」
「では…あと質問は?」
「えっと…オレ、あんまりお金持ってないけど…やってくれるの?」
「それは構いませんw…あなたの寿命が報酬になりますから」
「それがどう報酬になるの?」
「それは答えられません…ただ、世界中の人にとって、とても役に立つ事に使われます…ほんの少しですがね」
「…それなら良かった」
「ええw…どんな金持ちも貧乏人も、悪人も善人も、『時間』の価値だけはみんな同じですから…我々は時間を貰えるだけで良いのです」
「ふうん」
「…他には?」
「オレは…またユウトくんに会うかな?」
「それはなんとも言えないです…あなたが絶対に会わないと決めれば、会わないと思います…ですが、大切な人と会うのは特別で、絶対会わないと心から思わなかったら会うと思います…人生というのはあらかじめある程度決まってます…誰もが自由ではありません…限られた選択肢の中から選んでいくのが人生です…そしてその選択に大きく関わる人というのは、あなたの人生の大半を作るのです…完全に自分の意思だけで、人生を作る人などいません…少なくとも、今までは見たことないです」
「…うーん…なるほどぉ…じゃあもしかして、オレが他人の人生を作ったりもしてるの?…こんなオレが」
「してますよw…誰もが他人に人生を作られて、誰もが他人の人生を作ってます…どんな悪人やダメ人間でも…」
「そっか…せめて、良い人生を作れてたらいいな」
「そうですねw…ではそろそろ…」
「うん…もう質問もないのも…きっと知っているんでしょ?」
「はいw」

オレはうながされて、大きな椅子に座った
少しすると、すごい勢いで眠くなって…

目が覚めると、オレは8歳になっていた
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