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終章
勇者
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2人はデッドアイランドを後にして、海上で船に揺られていた
アイオテ「やっと…やっと帰れるね」
ミネルバ「長かったねえ…15年もかかった…もういい加減疲れたよ」
カイル「本当にお疲れ様っス!」
スコット「アイオテくんの両親も喜んでたよw」
アイオテ「早く会いたいです///」
グラハム「けど2人ともアイオテくんとミネルバさん見たら驚くだろうなw」
アイオテ「ど、どうして?」
スコット「だって2人とも外見が全く変わってないからw」
グラハム「うんうん…オレなんかハゲつつあるのに」
スコット「オレも腹が出てきたし…」
ミネルバ「あははははw…たしかに言われてみると老けたねえw…あんたらw」
カイル「オレもデブまっしぐらっスよ」
アイオテ「ブフww」
スコット「いやもう…アイオテくんは実際いくつなんです?」
アイオテ「うんと…32か33才だと思う」
ミネルバ「…その見た目で?!…改めて言われるとアタシもビックリだわw」
グラハム「少年…いや、下手したら少女ですよw」
アイオテ「そんなに女の子っぽいかなあ…」
グラハム「かわいいですw」
アイオテ「嬉しいような、微妙な感じw」
スコット「本当、この肌…なんですか、このスベスベな感じ…」
グラハム「オレも触らせて…おお…」
ミネルバ「キレイよねえ…」
アイオテ「うう///」
ミネルバ「ねえ、港着いたらすぐに城に向かうの?」
スコット「そうなりますね…」
アイオテ「ボクは城なんかいいから、おうちに帰りたいよ…」
ミネルバ「ね…でも、褒美もらわないとさ…この3人にも分け前あげないとだし」
グラハム「へへw…あざっす!」
スコット「意地汚いようだけど、家族がいる身にはすごく助かりますw」
カイル「オレは兵士をやめて、お店でも持つつもりっス」
ミネルバ「へぇぇ!…いいね!」
アイオテ「うん!…楽しみだなあ」
カイル「2人はさらに、貴族の地位と領土も与えられるっスよね?…優雅っスねえ」
アイオテ「興味ないよ…」
グラハム「けど、アイオテくんがロアンの領主になったら、みんな喜びますよ」
アイオテ「ボクはそんなの無理だよ…」
ミネルバ「アタシもそんなことより、アイオテの宿屋で普通に暮らしてたいわ」
アイオテ「うん…お母さんとお父さんに楽させてあげたい」
スコット「つつましいですねえ…やっぱり本物の英雄はそういう人なんでしょうね」
ミネルバ「いやもう…そんなんじゃなくてさ…普通に暮らしたいのよ…もうね」
アイオテ「うん…疲れたよ」
カイル「そうっスよね…本当にありがとうございましたっス」
スコット「ありがとうございました…」
グラハム「ありがとうございました…」
アイオテ「え?…えへへ///」
ミネルバ「それを言うなら、エリオットと…ついでにタロンにも言ってあげてね…」
カイル「エリオットにはもちろん感謝しかないっスけど、タロンは…」
スコット「うん…タロンはなあ…」
グラハム「襲われた本人がそう言えるのがすごいですけど…」
ミネルバ「まあねw…もう昔のことよ」
アイオテ「たしかにミネルバさんの身体に触ったのは許せないけど、それまではたくさんゾンビを狩ってくれたし…痛い思いも、怖い思いもたくさんしたから…ね?」
スコット「そうですね…」
カイル「そう考えると『死に損』っスよね…たしかにかわいそうっス」
グラハム「けど、それもふまえて契約したんだし…」
ミネルバ「そうだけどさ…誰にでも出来ることじゃないから…」
グラハム「はい…」
スコット「エリオットさんには…生きていて欲しかったな…」
アイオテ「う…グス…」
ミネルバ「ごめん、それは言わないで?」
スコット「すいません…」
そうして、港に着くと、迎えの馬車に乗り、城へと直行した
城に着くとすぐに、玉座の間に案内された
王「おお!…勇者どの!…ミネルバどの!…本当に長い間、ご苦労であったな…ありがとう」
アイオテ「は、はい…」
ミネルバ「こちらこそ、たくさんの支援をありがとうございました」
王「して…もうあの島は大丈夫なのだな?」
ミネルバ「そう思ったので帰りました…ですが、あと数年は足を踏み入れない方がよろしいかと思います」
王「なぜだ?」
ミネルバ「念のためです…もし仮に数体残っていたとしても、数年経てばエサもなくなって、奴らとて死に絶えると思うので…」
アイオテ「どうか、それはお願いします…死んだエリオットさんの為にも」
王「ふむ…わかった…あの島には見張りをつけ、むこう10年は誰も近寄らせないようにしよう」
アイオテ「ありがとうございます…」
ミネルバ「それで、陛下…報酬の1000万なんですが…早速金の話で申し訳ないですが、今ここにお出しくださいますか?」
王「ふうむ…そんなのは後に出来ないのか?」
ミネルバ「後にはしたくないのです…こういう事はきっちりと済ませておきたい」
王「…わかった…だが、50万前借りしていたから950だぞ?」
ミネルバ「もちろんです」
王「…今すぐここに持って来てくれ」
側近「は…」
そうして、現金で950万の報酬金が用意された
ミネルバ「カイル、スコット、グラハム…ここへ」
カイル「は、はいっス!」
スコット「は!」
グラハム「は!」
ミネルバ「カイル…あんたは一番アタシらを助けてくれた…あんたは200万でいいね?」
カイル「に、200…そ、そんなもらえないっス!」
アイオテ「いいから…もらって?…ギュ」
カイル「…はいっス…グス…ありがとうございます…」
ミネルバ「スコット、グラハム…悪いけど、あんたらは150万ずつ…それでいい?」
スコット「いや…多すぎですよ…」
グラハム「そ、そんなにもらうほどの事してないです…」
アイオテ「ううん、そんな事ない…2人がどれほどボクを励ましてくれたか…だから貰って?」
スコット「ああ…グス…ありがとうございます…」
グラハム「ありがとうございます…グス」
ミネルバ「アタシらは400…で、カイル…この50万で、エリオットの墓を…お願い」
カイル「はい!…立派なの建てるっス!」
王「おぬしら、2人で400で良いのか?」
ミネルバ「いいわ…十分よ…」
アイオテ「はい…それと…地位と領土もいらないです…」
王「それはこちらとしては嬉しいことだが…本当に良いのだな?」
アイオテ「はい…」
ミネルバ「その代わり、アイオテの両親の営む宿屋からの税金は今後なしにしてください」
王「ああw…よかろう」
ミネルバ「…これで肩の荷が降りたね…」
アイオテ「うん!」
王「では…これからみなを労って、食事を」
側近「は…では皆さん、こちらへ」
アイオテとミネルバは側近の案内で、会食の間に移動して、席に着いた
カイルやスコット、グラハムも、特別に席が用意されていて、一緒に食事をすることになった
アイオテは知らない人と一緒だとオドオドしてしまうし、スコットとグラハムは一兵卒なので緊張していたが、図太いカイルとミネルバは食事を楽しんでいた
食事が済むと、豪華な風呂にアイオテとミネルバは2人きりで入り、幸せなひとときを過ごした
ミネルバ「ああ~…あったかい風呂なんて何年ぶりだよ…」
アイオテ「うん…気持ちいいね~…ごはんは食べた気がしなかったけど…今はミネルバさんと2人で幸せ…スリスリ…」
ミネルバ「ほんともうかわいい///…ナデナデ…」
アイオテ「ミネルバさんもエロい///」
ミネルバ「ふふふw…でもさすがに城の風呂じゃまずいから我慢だよ?」
アイオテ「わかってるよぉ」
ミネルバ「…やっと終わったね…なんだかさ…気が緩んで眠くなってきたよ…」
アイオテ「…ボクも…」
ミネルバ「眠る前に出よっかw」
アイオテ「うん…」
2人は風呂から出ると、召使いに案内されて、豪華な部屋で休むことになった
召使い「何かお飲み物をお持ちします…お酒がよろしいですか?」
ミネルバ「ううん…オレンジジュースとかそんなのがいい」
アイオテ「うん」
召使い「かしこまりました」
すぐに飲み物が運ばれて、それを飲みながら少しだけ話をすると、激しい睡魔に襲われた
アイオテ「ミネルバさん…ボクもう寝るね」
ミネルバ「アタシも…すごい眠い…」
2人はベッドに入ると、すぐに眠ってしまった
カチャ
近衛兵長「どうだ?」
近衛兵「全部飲んだようです」
近衛兵長「よし…ならば数時間は起きまい…やるぞ」
近衛兵「は」
総勢6名の近衛兵たちが、アイオテたちの部屋に入り込み、ぐっすりと眠っているアイオテとミネルバの腹に、一気に剣を突き刺した
ミネルバ「ぐあぁ!!」
アイオテ「うぶぅ!!」
ミネルバ「なん…どうし…て…」
近衛兵長「すまんな…あの島を殲滅させるような者は国にとって脅威なのでな…」
そう言って、もう一度剣を振りかぶった時、アイオテが吠え、眩い光が放たれた
アイオテ「ぐがあぁぁ!!」
近衛兵「うお!…なんだ!」
アイオテは狂戦士になりながも、自分とミネルバの傷を完治させると、近衛兵たちに飛びかかった
剣を奪い、近衛兵たちの腕や足を次々に切り落とす
部屋の中に近衛兵たちの血と絶叫が広がる
近衛兵「く、くるな!…やめてくれー!!…ぎゃあああ!!」
ミネルバ「アイオテ!…殺しちゃダメ!」
アイオテ「……」
その場にいる近衛兵と近衛兵長は、手足を切断され、呻いている
その騒ぎを聞きつけ、他の兵士たちも部屋に乗り込んだ
しかし、アイオテの強さは圧倒的で、来るものの手足を切り落としていく
ミネルバがエリオットの剣を拾い上げた時、アイオテはミネルバの方に向き直る
アイオテは剣を手放し、ミネルバを抱きかかえて、窓から飛び降りた
そこは4階の高さだったが、着地前に結界を出し、無事に着地した
ミネルバを抱きかかえたまま、城壁の方へと走ると、もう一度結界を出して城壁に丸く穴を空け、そのままどんどん走り去っていった
ミネルバ「アイオテ…ギュ…」
アイオテ「あう…ミネルバさん…」
ミネルバ「あ、良かった…戻ったね…」
アイオテ「うん…ここは…ロアンだね…」
ミネルバ「そう…おうちに帰って、ママさんとパパさんを連れて、このまま逃げよう」
アイオテ「うん!…ミネルバさん走れる?」
ミネルバ「うんw降ろしてw」
アイオテ「うんw」
2人は実家である宿屋に走り、両親を叩き起こすと、懐かしさに喜ぶ両親をおぶって、そのまま街を出て、山の中まで逃げこんだ
エレン「アイオテ…一体どういうこと?…突然帰ったと思ったら、こんなところに連れてきて…」
アイオテ「お母さん…ギュ…グス…会いたかった…」
エレン「わたしもよ…グス…ギュゥ…」
ミシェル「でも…説明をしてくれないか?」
ミネルバ「ごめんね、パパさん…アタシたち、使命を終えてね…昨日帰ってきたのよ…で、城で眠ってたら、いきなり剣を突き刺されてね…」
ミシェル「な、なんだって?!…なぜ!」
ミネルバ「たったアタシたち数人だけでデッドアイランドの化け物たちを殲滅させたから、アタシらに恐怖したみたいよ…」
ミシェル「そんな!!」
エレン「酷すぎる!!…え?!…アイオテ刺されたの?!」
アイオテ「う、うん…痛かった…」
エレン「ゆ、許せない…グス…」
ミシェル「みんなの為に15年も犠牲にさせておいて…ギリギリ」
ミネルバ「ほんとムカつく…でもそれよりアタシが気になるのはカイルたちのこと…」
アイオテ「カイルさんたち?」
ミネルバ「あいつらは殺されてないかな…」
アイオテ「ああ!!」
ミネルバ「戻る?…もう遅いかもだけど…」
アイオテ「戻る!」
エレン「そ、そんな…危険だわ!」
ミシェル「危ないよ!!」
アイオテ「大丈夫…行ってくる!」
ミネルバ「ここで待ってて?…この剣とお金預かっておいてください」
ミシェル「あ、ああ…」
ミネルバ「大丈夫…兵士たちなんか目じゃないわw…」
アイオテ「ミネルバさん、はやく!」
ミネルバ「はーい」
そうして2人は城へと戻ると、まずはカイルの部屋に向かった
その間にも騎士や兵士がやってくるが、この2人は圧倒的だった
アイオテ「道を開けて!…じゃないと君らの手足はなくなっちゃうよ!!」
ミネルバ「開けなさい!!」
その言葉通り、アイオテもミネルバも襲いかかる兵士たちの手足をあっという間に切断する
それを見ていた兵士は、この2人を恐れて近づけなくなる
そして、カイルの部屋まで着くと、カイルは中で傷だらけになりながら、抵抗していた
アイオテ「この野郎!…よくもカイルさんを!」
ミネルバ「よっ、ほっ!」
兵士「ぎゃあああ!!」
カイル「あ…お2人とも…無事だったっスね…良かった…」
アイオテ「カイルさん!」
アイオテはすぐさまカイルを復活させた
カイル「す、すごいっス!…初めて当ててもらったっスけど、ケガする前よりも元気っス!」
アイオテ「良かったw…早くスコットさんとグラハムさんのとこ行こう!…部屋は知ってる?」
カイル「案内するっス!!」
カイルを間に挟み、アイオテが先頭、ミネルバが後ろを守りながら、スコットたちの兵舎に向かう
カイル「すごいっス!…アイオテくん、めちゃくちゃ強い!」
ミネルバ「カッコいいでしょ?w」
アイオテ「どいて!…道を空けて!…君らが傷つくだけだよ!!」
普段は虫も殺さない優しいアイオテだったが、この時ばかりは容赦なく、向かってくる者の手足を次々に切り落とした
ゾンビと違い、生きてる人間はそれで止まる
ミネルバ「近寄ると手足なくなるよ!…あんたらそれでいいの?!」
兵士も騎士も道を開け、スコットたちの兵舎につくと、2人は瀕死になりながらも生きていて、兵長が2人を人質にとった
兵長「ち、近寄るな!!…こいつらを殺されたくなければ!」
ミネルバ「あんたバカだね…そいつら殺した時があんたらの最後だよ?…死にたくないならこっちに渡せ」
兵長「く、来るな!」
ミネルバ「殺すなら殺せよ…スコットたちだって死ぬ覚悟があって兵士をしてるんだ…あんたも兵士なら、そんな卑怯な手を使うな…」
スコット「オレたちはいいから!…こいつを殺しちゃってください!」
ミネルバ「ほら、ああ言ってる…3秒数えるうちに離さないなら、アタシはあんたの首を刈るよ」
兵長「うう…」
ミネルバ「3…2…」
兵長「わ、わかった…殺さないでくれ…」
兵長はスコットとグラハムをこっちに押すと、アイオテは素早く兵長の腕を切り落とした
兵長「ぎゃあああ!!」
アイオテ「ボクの親友に酷いことした報いだ!」
ミネルバ「カッコいいよ、アイオテ!!」
スコット「す、すげ~…」
グラハム「や、やった…ざまみろ…」
アイオテは素早く2人も回復させると、5人で城の門まで走った
すると、国王と聖騎士隊が待ち構えていた
国王「勇者よ…やってくれたな」
ミネルバ「やってくれたのはお前だろ?…殺すぞ?」
側近「陛下に向かってなんたる暴言!」
アイオテ「王様どうして?…ボクはデッドアイランドなんて本当は怖くて行きたくなかったんだよ…歩く死体と戦うのだってすごく嫌だった…でも頑張ってやり遂げたのに…この仕打ちはなんでなの?」
国王「それはすまんな…だが、たったそれだけの人数であやつらを殲滅させる力は恐ろしいでな」
アイオテ「ボクは…襲われなかったら何にもしないよ…戦うのは嫌いだもん…だから、ここを通して?…どうしてもボクらを殺す気なら、悪いけどみんなの手足はなくなっちゃうよ」
国王「この人数相手にそれが出来るのか?」
アイオテ「出来るよ…あなたたちはゾンビと比べたら、なんて事ないよ…遅いし、弱い」
ミネルバ「うんw…あんたらじゃゲキツヨさん一体だって倒せないだろうよw」
アイオテ「本当の事だよ…ボクはここからでも一瞬であなたを倒せる」
ミネルバ(アイオテったら、めちゃくちゃカッコいいじゃない///)
国王「ウソをつくなw」
アイオテ「ウソじゃない!」
アイオテは目にも止まらぬ速さで国王に飛び込むと、片腕を切り落とした
国王「ぎぃやあああ!!」
側近「こ、この!…ぐわあああ!!」
アイオテ「聖騎士さんたちも、エリオットさんがいなきゃ、ただの雑魚だね…王様がこんなになってるのにちっとも動かないで…」
聖騎士たちはアイオテのその静かで冷酷な迫力に、体が動かせないでいた
国王と側近は片腕をなくし、苦痛と絶望感でうずくまって呻いている
アイオテ「王様…腕くらいで済んで良かったね…エリオットさんは…最後まで勇敢に戦ったのに、死んだんだ!!…やっぱりお前も死ぬべきだ!!」
アイオテはセイブザクイーンを振り上げた
国王「ま、待って!!…待ってくれ!!…すまなかった!!…もう手出しはしないから…許せ!」
アイオテ「言葉のききかた知らないんだね…死ぬかどうかの時だってのに、そんなに偉そうにして…やっぱり死んだ方がいいよ、王様」
国王「待って!待ってください!…すいませんでした!!…お願いですから殺さないでください!!」
アイオテ「…わかったよ…」
アイオテは国王の腕を持ち、切断されたところにくっつけて、光を当てた
すると、なんと、腕が元通りにくっついた
国王「お、おお!…う、腕が!」
アイオテ「側近さんも…自分で持ってくっつけて…」
側近「う、うん…おお…」
アイオテ「ボクのこの力で治るとね…いくらか寿命は縮むんだ…でもそれはあなたたちへの報いだよ?…王様…ボクはここの兵士さんたちの手足をたくさん切ってきた…治してもらいたい人たちを全員集めて並べさせて?」
国王「わ、わかった…わかりました…勇者様…」
アイオテ「カイルさん…美味しいごはんをたくさん作って?」
カイル「わかったっス!w」
ミネルバ「アタシも手伝うよw」
アイオテ「ミネルバさんはボクの隣に居て?」
ミネルバ「あ、うんw…ギュ…カッコ良かったよ、アイオテ…」
アイオテ「ミネルバさん…ギュ…グス…」
それから手足を切断された、たくさんの兵士たちは、自分の腕や足を持ってアイオテの前に並んだ
アイオテはそれを1人ずつ治していく
アイオテ「その腕は本当に自分ので間違いない?」
兵士「はい!…ゼェゼェ…間違いないです…」
アイオテ「じゃあくっつけて…」
兵士「おお…ありがとうございます!…グス」
アイオテ「…次の人」
ミネルバはアイオテの隣で、サンドイッチをアイオテに差し出しながら、惚れ惚れとアイオテを見ていた
カイルやスコット、グラハム、召使いたちもアイオテの為に食べ物を運ぶ
全員の治癒を終えると、昼を過ぎていた
アイオテ「王様…」
国王「はい」
アイオテ「ボクはこれからは静かなところで暮らすから…もうそっとしておいてください」
国王「わかりました…」
アイオテ「カイルさんたちや、ボクの両親にも酷いことしないでください」
国王「もちろんです…」
アイオテ「ではこれで…」
カイル「アイオテくん、これからどうするっスか?」
アイオテ「うーん…どっか山の中かなんかに家建てて…静かに暮らしますw」
カイル「家建てるなら、オレがいるっスねw」
スコット「オレも手伝います!」
グラハム「もちろんオレも!」
アイオテ「ありがとうw…ギュ…じゃあ一緒に来てw」
カイル「はいっス!」
スコット「はい!w」
グラハム「行きましょう!」
アイオテ「ミネルバさん…おんぶ///」
ミネルバ「あらあらw…カッコ良かったのに、結局それなのねw…かわいいんだからw」
カイル「あはははw」
ミネルバにおぶさって、アイオテはやっとゆっくりと眠った
カイル「いやあ…アイオテくん、めちゃくちゃカッコ良かったっスねえ!!」
スコット「ほんとw…まだムカつくけど、だいぶスッキリしたw」
グラハム「おうw…王様に敬語使わせるんだもんなw…こんな少女のようなアイオテくんがさw…痛快だったよ」
ミネルバ「ほんとよね~w…すっかり男らしくなったわ…」
カイル「だけど、結局はみんなを治して…やっぱり勇者は違うっスなあ…」
スコット「うん…」
ミネルバ「治してやることないのに…とか思っちゃうけどさ…でもその優しさがアイオテだよね」
グラハム「全くそうです…でも、さすがにオレはこれからあいつらと一緒に兵士なんてやってけないぜ…」
スコット「オレも…どうしよっかな…まあ、働かなくても大丈夫なほど金はあるけど」
カイル「それはまあ、アイオテくんたちの家建てながら考えるっスよ」
ミネルバ「うん…なんならあんたらも近くに家建てて住めば?w」
スコット「それもいいかもなw」
カイル「オレは、食べ物屋でもやるかな…」
ミネルバ「それいいね!…そしたらアタシらもたまに食べに行ったりとか出来るしw」
カイル「まあ…まだ先の事っスねw」
そして、エレンとミシェルと別れた森の中に着くと、2人は首を長くして待っていた
エレン「ああ!…おかえりなさい!…帰ってこなかったらどうしようって思ってたのよ…グス」
ミシェル「ああ…とりあえず良かった…でも、カイルさんたちは大丈夫だったの?」
カイル「いや、あんまりw…アイオテくんたちが来てくらなかったら死んでたっス」
グラハム「ほんとにw」
ミシェル「へぇぇ!!…アイオテも強くなったんだなあ…」
スコット「強いってもんじゃないですよ~w…王様も聖騎士隊も、アイオテくん1人にビビって動けなかったんですよw」
エレン「まあ…こんなかわいい寝顔なのに」
ミネルバ「あははw…でも本当ですよ…アイオテもアタシも…だいぶ強くなってました」
グラハム「すごいですよ、やってくる兵士の腕や足をバサバサと切り落として…あげくに王様と側近の腕まで切り落としましたから」
ミシェル「え?ええ?!…あ、アイオテ…そんな事するの?」
スコット「いくつも修羅場をくぐり抜けましたからね…」
カイル「でも、結局はみんな治してしまいましたけど」
ミシェル「え?…腕が切れてるのに?」
カイル「ええ…腕をくっつけてしまうんスよ」
エレン「すごい…グス…この子ったら…」
ミネルバ「でも、たぶん、そのせいでアイツらは長くは生きられないと思う…ま、いい気味よw」
ミシェル「うん!…そのくらい当然だ…うちのアイオテとミネルバちゃんに酷い事したんだから」
ミネルバ「…アイオテ…ほら起きて…ユサユサ」
アイオテ「うー…ギュ…ミネルバさん…」
ミネルバ「かわいいw…降ろせば起きるかな」
ミネルバはアイオテを地面に降ろした
アイオテ「うーん…ボ-…あれ、お母さん…お父さん…」
エレン「アイオテ…ギュ…会いたかった…」
アイオテ「お母さん…ギュ…」
ミシェル「しかし、本当に旅に出た時と見た目が全く変わらないんだな…ミネルバちゃんも」
ミネルバ「そうですか?」
エレン「ええ…ビックリよ」
ミシェル「で…これからどうすればいいかな…」
アイオテ「…お母さんとお父さんは、宿屋に戻って暮らしても大丈夫だよ」
ミシェル「え?…そうなの?」
アイオテ「うん、もしも2人に何かあったら、ボクは今度こそこの国を滅ぼすよ」
エレン「すごいw…でもアイオテはどうするの?」
アイオテ「ボクはミネルバさんと、山の中でいい場所見つけて、誰も来ないところで静かに暮らしていくよ…もうここに居る人たち以外と接するのも嫌なんだ」
ミシェル「そっか…お父さんたちも一緒に暮らしてはダメかい?」
アイオテ「もちろんいいよ!…ギュ…ボクだって一緒に居たい…けど、不便だし、慣れるまでは大変だよ?」
ミシェル「かまわないよw…今まで15年も離れてたんだ…これからは一緒に暮らそうよ…母さんもそれがいいだろ?」
エレン「ええ…」
ミネルバ「じゃあ、そうと決まれば、まずは住むのにいい場所を探しましょ」
アイオテ「うん!」
カイル「やっぱ、川や湖の近くがいいっスよ…水がないと生活は出来ないっス」
アイオテ「たしかに…」
スコット「川ならオレ、場所わかる…小さい頃、この山で親父と釣りをしてたから」
ミネルバ「お!…じゃあとりあえずそこに案内して!」
スコット「わかったw」
一行はその場所に着くと、すぐに気に入り、今までいくつも作ってきた拠点を、川辺に作った
とりあえずその拠点に住むことにして、材木を運び、みんなでそれぞれの小屋を建てた
エレンとミシェルの住む小屋、アイオテとミネルバの住む小屋、スコットの小屋と、グラハムの小屋
結局、スコットとグラハムも家族を連れて、一緒に暮らす事にしたのだ
それからやっと、アイオテに平穏な日々が訪れた
ミネルバと一緒に魚釣りをしたり、みんなでカイルの店に週に一度は食べに行ったり…
しかし、少しも歳をとらない2人にとって、老いていくみんなを見ているのは辛い事だった
両親も亡くなり、グラハム、スコットも…そしてカイルも死んだ
それから数十年後
アイオテ「ねえ、今日は裸で川に入ろうよw」
ミネルバ「いいねw…暑いもんね~」
アイオテ「よーし!…もう今脱がしちゃう!」
ミネルバ「あはははw」
アイオテはミネルバを素っ裸にし、自分もそうなると、ミネルバにおぶさって川に向かった
アイオテ「あう~…このミネルバさんの素肌に直で当たってるだけで気持ちいいの…」
ミネルバ「出ちゃう?w」
アイオテ「出ちゃう…ビュ」
ミネルバ「あ!…ほんとに出したw…も~w」
アイオテ「き、気持ちいい…///…ミネルバさんも気持ち良くしてあげるね…モミモミ」
ミネルバ「う…こら…力入らないから…あ…」
アイオテ「うふふふw…ペロペロ」
ミネルバ「あ…イク…」
アイオテ「も~!…ちゃんと川に行かないとダメじゃん!」
ミネルバ「あんたねぇw」
アイオテ「うふふふw…だ~い好き…ギュ」
ミネルバ「かわいいねえw」
そうして川に入って、またじゃれ合っていると、川辺に急に人が現れた
シグマとフランシスだった
シグマ「や!…2人とも裸じゃない///」
フランシス「久しぶりに会ったらw」
アイオテ「あー!!…シグマさん!!…フランシスさん!!」
ミネルバ「や、やだ///…こんな時に来ないでくださいよ~///」
シグマ「あはははw…大丈夫、ミネルバちゃんはきれいだけど、ボクはエロく感じるわけじゃないからw」
ミネルバ「そ、それでも恥ずかしいっス///」
フランシス「そうよねえw」
アイオテ「フランシスさん!…ギュ…」
フランシス「かわいいわねぇ…ギュ…ナデナデ」
アイオテ「ボクたち2人をずっと待ってました…」
シグマ「うんうんw…じゃあ一緒に行こうかね?」
アイオテ「はい!!」
ミネルバ「は、はい///…その前に小屋に戻って服着ていいっスか?///」
シグマ「うんw」
フランシス「小屋から裸で来たの?w」
アイオテ「へへ///」
シグマ「まあ、ボクらもきっとそうするじゃないw」
フランシス「そうねw」
ミネルバ「そんなもんなんですか?///」
フランシス「うんw」
シグマ「じゃあボクら向こうを向いてるから、ダッシュで行って戻ってきて?」
ミネルバ「はい!」
アイオテ「はーい!」
2人はダッシュで小屋に帰り、服を着るとまた戻った
アイオテ「シグマさん…ギュ」
シグマ「うふふw…変わらないねえ…でも、強さは変わったかな?」
アイオテ「少しは///…でもまた数十年戦ってないので、弱くなってしまったかもしれないです…」
シグマ「大丈夫よw…案外そう思ってても、戦い始めると勝手に身体が動くもんだよ」
ミネルバ「そうなんですよね!」
シグマ「ここに来る前にデッドアイランドに降りて、見廻ってきたけど…今はもう、普通に人間たちが住んでいたよw…海岸もキレイになっててさ…」
アイオテ「今はもうデッドアイランドって名前ではなくなりましたよ」
ミネルバ「ブレイブアイランドって言われてます…勇者の島って意味です」
シグマ「そうw…アイオテくんの頑張った成果だねw」
アイオテ「ボクだけじゃないです…ミネルバさんとエリオットさん…カイルさんにスコットさん、グラハムさんが頑張ってくれました」
シグマ「うんうん…彼らとの別れは辛かったろうね…」
アイオテ「はい…グス…」
フランシス「だけど…わたしたちとはこれからもずっと…長い付き合いになるわよ」
アイオテ「はい!」
ミネルバ「その…アタシらもシグマさんたちみたいに『ガーディアン』に?」
シグマ「うん…ボクらもやっと仲間が出来るよ」
アイオテ「え?…そうなんですか?…他にはガーディアンは居ないのですか?」
シグマ「居るんだけど、ガーディアンには2通りあってね…ボクの方はまだボクらだけなのw…アイオテくんとミネルバちゃんは初めてのボクらの方の仲間なんだよ」
ミネルバ「アタシらなんかで出来るもんでしょうか…」
シグマ「大丈夫だよw…アイオテくんにルーチェがある限り、『ガーディー』が導いてくれるからね」
アイオテ「ボ、ボク…上手くやれるかわからないけど…シグマさんたちと一緒に居たいから頑張ります!」
シグマ「うん…よろしくね」
アイオテ「はい!」
ミネルバ「はい!」
それから2人は、シグマの宇宙船に乗り、ガーディアンガーデンへ行き、ガーディアンとしての人生が始まった
星を二つ任されて、何度かに渡り、星を守護しに行く
そのうちガーディアンの仲間が増えていったが、あまり打ち解けられずにまた何千年と時が経った
そして…
アイオテ「師匠~♪…ギュゥ…スリスリ」
レイ「お、おま…食ってる時に来るなよw…吐きそうになったじゃねえかw」
アイオテ「へへ///」
レイ「ここ座るか?…ポンポン」
アイオテ「うん!」
ミネルバ「ごめんね、レイw」
レイ「いいって事よw…ミネルバもこっち座るか?」
ミネルバ「え?…アタシも?」
イズ「遠慮しないで座るといいですw」
ミネルバ「そ、そう?…じゃあw」
レイ「ふふw…ミネルバも美しいなあ…ナデナデ」
ミネルバ「そう?///…イズちゃんみたいにかわいげないけどw」
レイ「イズはイズ…ミネルバはミネルバ…アイはアイだろ?…なあ?…ナデナデ」
アイオテ「うん…スリスリ」
イズ「ブフww…甘えん坊ですね~w」
レイ「アイ、食わせてくれよ」
アイオテ「はい、あーん…」
アイオテはこの7番目に仲間になった『レイ』というガーディアンが大好きで、レイとイズが来てからというもの、毎日がとても楽しくなった
それはミネルバもそうだった
何千年と生きてきて、ようやく心から楽しいと思える日々がやってきたのだった
レイ「アイ、ミネルバ、ドライブ付き合えよ」
アイオテ「うん!!…やったあ!…ギュ!」
レイ「いちいち抱きつくなよw」
アイオテ「あう…シュン」
レイ「わかった…わかったから…な?…ほら、抱っこしてやるから…ダッコ」
アイオテ「師匠~…スリスリ」
ミネルバ「ごめんね、イズちゃん…レイとっちゃって」
イズ「うふふふw」
レイ「イズ、運転頼む」
イズ「はあい」
ミネルバ「イズちゃん、おっとりしてるわりに結構スピード出すのねえ」
イズ「そうですかあ?…けど、昔からレイちゃんの背中に乗ってるから、これでも遅く感じます」
レイ「だよな~…車って遅えよ」
アイオテ「でも、ボクらがデッドアイランドで戦ってる時にこれあったら便利だったなあ」
ミネルバ「そうだねw」
レイ「そのなんだっけ?…ゲキツヨさんだっけ?」
アイオテ「うん」
レイ「まるでゲームみたいだけどさ…ゲームの奴はおかしいよな…あんな目の前で身体が巨大になってさ…」
ミネルバ「ねw…急に質量が増えるはずないよね」
アイオテ「うんうん!…ゲキツヨさんは少しずつ育ってあの大きさになったんだと思う」
レイ「だよな~…今はもうゾンビは出てない?」
アイオテ「出てないです!…ボクらが居た頃と地形が変わってしまって、デッドアイランドはロアーヌにだいぶ近づいてるみたいです」
ミネルバ「もしさ、空気感染してなかったとしても、アタシらが殲滅してなかったら大変な事になってたよね」
イズ「本当ですね~」
レイ「頑張ったな…ナデナデ」
アイオテ「えへへ///…けど師匠ならきっと余裕だったんでしょうねえ」
レイ「うーん…だなあ…オレだけじゃ時間かかるけど、イズが居ればなw」
ミネルバ「凍らせて終わりかあ…」
アイオテ「魔法かあ…いいな」
レイ「けど、楽かどうかは問題じゃない…お前たちだから意味があったんだ…」
ミネルバ「どうして?」
レイ「それはオレもわからんけど…ガーディーってのは必要で、可能な者にしか起こらない…オレがもし惑星ミールに居たとしても、ルーチェには選ばれてなかったかもしれない…そういうもんだ」
ミネルバ「…へぇぇ…」
アイオテ「…ボクだから…選ばれたの?」
レイ「そうだ…だけどきっと、地球ならアイオテは選ばれてないと思う…上手く言えないけど、ルーチェってそんなんだよ」
アイオテ「そっかあ…でも、たしかにあの頃は大変だったけど、今こうして師匠たちとミネルバさんと幸せだから良かった///」
イズ「うふふw」
ミネルバ「まあ、ここまで長かったけどね~w」
レイ「だなw…でもまあ、まだまだこれからまた長い付き合いさw」
アイオテ「うん…ギュ…チュ」
レイ「だからお前…なんでチュウすんだよ…男に」
アイオテ「だってぇ///」
ミネルバ「ほんと、ちょっと甘え過ぎよ?」
イズ「ブフww」
アイオテ「えへへ///」
楽しいドライブから帰ると、アイオテとミネルバはエリオットの剣に手を合わせた
何千年経っても、毎日毎日それは欠かさない
どれだけ時が経とうとも、エリオットは2人にとって特別な存在だった
デッドアイランドで3人で戦った日々も、今となっては良い思い出となっていた
ー完ー
アイオテ「やっと…やっと帰れるね」
ミネルバ「長かったねえ…15年もかかった…もういい加減疲れたよ」
カイル「本当にお疲れ様っス!」
スコット「アイオテくんの両親も喜んでたよw」
アイオテ「早く会いたいです///」
グラハム「けど2人ともアイオテくんとミネルバさん見たら驚くだろうなw」
アイオテ「ど、どうして?」
スコット「だって2人とも外見が全く変わってないからw」
グラハム「うんうん…オレなんかハゲつつあるのに」
スコット「オレも腹が出てきたし…」
ミネルバ「あははははw…たしかに言われてみると老けたねえw…あんたらw」
カイル「オレもデブまっしぐらっスよ」
アイオテ「ブフww」
スコット「いやもう…アイオテくんは実際いくつなんです?」
アイオテ「うんと…32か33才だと思う」
ミネルバ「…その見た目で?!…改めて言われるとアタシもビックリだわw」
グラハム「少年…いや、下手したら少女ですよw」
アイオテ「そんなに女の子っぽいかなあ…」
グラハム「かわいいですw」
アイオテ「嬉しいような、微妙な感じw」
スコット「本当、この肌…なんですか、このスベスベな感じ…」
グラハム「オレも触らせて…おお…」
ミネルバ「キレイよねえ…」
アイオテ「うう///」
ミネルバ「ねえ、港着いたらすぐに城に向かうの?」
スコット「そうなりますね…」
アイオテ「ボクは城なんかいいから、おうちに帰りたいよ…」
ミネルバ「ね…でも、褒美もらわないとさ…この3人にも分け前あげないとだし」
グラハム「へへw…あざっす!」
スコット「意地汚いようだけど、家族がいる身にはすごく助かりますw」
カイル「オレは兵士をやめて、お店でも持つつもりっス」
ミネルバ「へぇぇ!…いいね!」
アイオテ「うん!…楽しみだなあ」
カイル「2人はさらに、貴族の地位と領土も与えられるっスよね?…優雅っスねえ」
アイオテ「興味ないよ…」
グラハム「けど、アイオテくんがロアンの領主になったら、みんな喜びますよ」
アイオテ「ボクはそんなの無理だよ…」
ミネルバ「アタシもそんなことより、アイオテの宿屋で普通に暮らしてたいわ」
アイオテ「うん…お母さんとお父さんに楽させてあげたい」
スコット「つつましいですねえ…やっぱり本物の英雄はそういう人なんでしょうね」
ミネルバ「いやもう…そんなんじゃなくてさ…普通に暮らしたいのよ…もうね」
アイオテ「うん…疲れたよ」
カイル「そうっスよね…本当にありがとうございましたっス」
スコット「ありがとうございました…」
グラハム「ありがとうございました…」
アイオテ「え?…えへへ///」
ミネルバ「それを言うなら、エリオットと…ついでにタロンにも言ってあげてね…」
カイル「エリオットにはもちろん感謝しかないっスけど、タロンは…」
スコット「うん…タロンはなあ…」
グラハム「襲われた本人がそう言えるのがすごいですけど…」
ミネルバ「まあねw…もう昔のことよ」
アイオテ「たしかにミネルバさんの身体に触ったのは許せないけど、それまではたくさんゾンビを狩ってくれたし…痛い思いも、怖い思いもたくさんしたから…ね?」
スコット「そうですね…」
カイル「そう考えると『死に損』っスよね…たしかにかわいそうっス」
グラハム「けど、それもふまえて契約したんだし…」
ミネルバ「そうだけどさ…誰にでも出来ることじゃないから…」
グラハム「はい…」
スコット「エリオットさんには…生きていて欲しかったな…」
アイオテ「う…グス…」
ミネルバ「ごめん、それは言わないで?」
スコット「すいません…」
そうして、港に着くと、迎えの馬車に乗り、城へと直行した
城に着くとすぐに、玉座の間に案内された
王「おお!…勇者どの!…ミネルバどの!…本当に長い間、ご苦労であったな…ありがとう」
アイオテ「は、はい…」
ミネルバ「こちらこそ、たくさんの支援をありがとうございました」
王「して…もうあの島は大丈夫なのだな?」
ミネルバ「そう思ったので帰りました…ですが、あと数年は足を踏み入れない方がよろしいかと思います」
王「なぜだ?」
ミネルバ「念のためです…もし仮に数体残っていたとしても、数年経てばエサもなくなって、奴らとて死に絶えると思うので…」
アイオテ「どうか、それはお願いします…死んだエリオットさんの為にも」
王「ふむ…わかった…あの島には見張りをつけ、むこう10年は誰も近寄らせないようにしよう」
アイオテ「ありがとうございます…」
ミネルバ「それで、陛下…報酬の1000万なんですが…早速金の話で申し訳ないですが、今ここにお出しくださいますか?」
王「ふうむ…そんなのは後に出来ないのか?」
ミネルバ「後にはしたくないのです…こういう事はきっちりと済ませておきたい」
王「…わかった…だが、50万前借りしていたから950だぞ?」
ミネルバ「もちろんです」
王「…今すぐここに持って来てくれ」
側近「は…」
そうして、現金で950万の報酬金が用意された
ミネルバ「カイル、スコット、グラハム…ここへ」
カイル「は、はいっス!」
スコット「は!」
グラハム「は!」
ミネルバ「カイル…あんたは一番アタシらを助けてくれた…あんたは200万でいいね?」
カイル「に、200…そ、そんなもらえないっス!」
アイオテ「いいから…もらって?…ギュ」
カイル「…はいっス…グス…ありがとうございます…」
ミネルバ「スコット、グラハム…悪いけど、あんたらは150万ずつ…それでいい?」
スコット「いや…多すぎですよ…」
グラハム「そ、そんなにもらうほどの事してないです…」
アイオテ「ううん、そんな事ない…2人がどれほどボクを励ましてくれたか…だから貰って?」
スコット「ああ…グス…ありがとうございます…」
グラハム「ありがとうございます…グス」
ミネルバ「アタシらは400…で、カイル…この50万で、エリオットの墓を…お願い」
カイル「はい!…立派なの建てるっス!」
王「おぬしら、2人で400で良いのか?」
ミネルバ「いいわ…十分よ…」
アイオテ「はい…それと…地位と領土もいらないです…」
王「それはこちらとしては嬉しいことだが…本当に良いのだな?」
アイオテ「はい…」
ミネルバ「その代わり、アイオテの両親の営む宿屋からの税金は今後なしにしてください」
王「ああw…よかろう」
ミネルバ「…これで肩の荷が降りたね…」
アイオテ「うん!」
王「では…これからみなを労って、食事を」
側近「は…では皆さん、こちらへ」
アイオテとミネルバは側近の案内で、会食の間に移動して、席に着いた
カイルやスコット、グラハムも、特別に席が用意されていて、一緒に食事をすることになった
アイオテは知らない人と一緒だとオドオドしてしまうし、スコットとグラハムは一兵卒なので緊張していたが、図太いカイルとミネルバは食事を楽しんでいた
食事が済むと、豪華な風呂にアイオテとミネルバは2人きりで入り、幸せなひとときを過ごした
ミネルバ「ああ~…あったかい風呂なんて何年ぶりだよ…」
アイオテ「うん…気持ちいいね~…ごはんは食べた気がしなかったけど…今はミネルバさんと2人で幸せ…スリスリ…」
ミネルバ「ほんともうかわいい///…ナデナデ…」
アイオテ「ミネルバさんもエロい///」
ミネルバ「ふふふw…でもさすがに城の風呂じゃまずいから我慢だよ?」
アイオテ「わかってるよぉ」
ミネルバ「…やっと終わったね…なんだかさ…気が緩んで眠くなってきたよ…」
アイオテ「…ボクも…」
ミネルバ「眠る前に出よっかw」
アイオテ「うん…」
2人は風呂から出ると、召使いに案内されて、豪華な部屋で休むことになった
召使い「何かお飲み物をお持ちします…お酒がよろしいですか?」
ミネルバ「ううん…オレンジジュースとかそんなのがいい」
アイオテ「うん」
召使い「かしこまりました」
すぐに飲み物が運ばれて、それを飲みながら少しだけ話をすると、激しい睡魔に襲われた
アイオテ「ミネルバさん…ボクもう寝るね」
ミネルバ「アタシも…すごい眠い…」
2人はベッドに入ると、すぐに眠ってしまった
カチャ
近衛兵長「どうだ?」
近衛兵「全部飲んだようです」
近衛兵長「よし…ならば数時間は起きまい…やるぞ」
近衛兵「は」
総勢6名の近衛兵たちが、アイオテたちの部屋に入り込み、ぐっすりと眠っているアイオテとミネルバの腹に、一気に剣を突き刺した
ミネルバ「ぐあぁ!!」
アイオテ「うぶぅ!!」
ミネルバ「なん…どうし…て…」
近衛兵長「すまんな…あの島を殲滅させるような者は国にとって脅威なのでな…」
そう言って、もう一度剣を振りかぶった時、アイオテが吠え、眩い光が放たれた
アイオテ「ぐがあぁぁ!!」
近衛兵「うお!…なんだ!」
アイオテは狂戦士になりながも、自分とミネルバの傷を完治させると、近衛兵たちに飛びかかった
剣を奪い、近衛兵たちの腕や足を次々に切り落とす
部屋の中に近衛兵たちの血と絶叫が広がる
近衛兵「く、くるな!…やめてくれー!!…ぎゃあああ!!」
ミネルバ「アイオテ!…殺しちゃダメ!」
アイオテ「……」
その場にいる近衛兵と近衛兵長は、手足を切断され、呻いている
その騒ぎを聞きつけ、他の兵士たちも部屋に乗り込んだ
しかし、アイオテの強さは圧倒的で、来るものの手足を切り落としていく
ミネルバがエリオットの剣を拾い上げた時、アイオテはミネルバの方に向き直る
アイオテは剣を手放し、ミネルバを抱きかかえて、窓から飛び降りた
そこは4階の高さだったが、着地前に結界を出し、無事に着地した
ミネルバを抱きかかえたまま、城壁の方へと走ると、もう一度結界を出して城壁に丸く穴を空け、そのままどんどん走り去っていった
ミネルバ「アイオテ…ギュ…」
アイオテ「あう…ミネルバさん…」
ミネルバ「あ、良かった…戻ったね…」
アイオテ「うん…ここは…ロアンだね…」
ミネルバ「そう…おうちに帰って、ママさんとパパさんを連れて、このまま逃げよう」
アイオテ「うん!…ミネルバさん走れる?」
ミネルバ「うんw降ろしてw」
アイオテ「うんw」
2人は実家である宿屋に走り、両親を叩き起こすと、懐かしさに喜ぶ両親をおぶって、そのまま街を出て、山の中まで逃げこんだ
エレン「アイオテ…一体どういうこと?…突然帰ったと思ったら、こんなところに連れてきて…」
アイオテ「お母さん…ギュ…グス…会いたかった…」
エレン「わたしもよ…グス…ギュゥ…」
ミシェル「でも…説明をしてくれないか?」
ミネルバ「ごめんね、パパさん…アタシたち、使命を終えてね…昨日帰ってきたのよ…で、城で眠ってたら、いきなり剣を突き刺されてね…」
ミシェル「な、なんだって?!…なぜ!」
ミネルバ「たったアタシたち数人だけでデッドアイランドの化け物たちを殲滅させたから、アタシらに恐怖したみたいよ…」
ミシェル「そんな!!」
エレン「酷すぎる!!…え?!…アイオテ刺されたの?!」
アイオテ「う、うん…痛かった…」
エレン「ゆ、許せない…グス…」
ミシェル「みんなの為に15年も犠牲にさせておいて…ギリギリ」
ミネルバ「ほんとムカつく…でもそれよりアタシが気になるのはカイルたちのこと…」
アイオテ「カイルさんたち?」
ミネルバ「あいつらは殺されてないかな…」
アイオテ「ああ!!」
ミネルバ「戻る?…もう遅いかもだけど…」
アイオテ「戻る!」
エレン「そ、そんな…危険だわ!」
ミシェル「危ないよ!!」
アイオテ「大丈夫…行ってくる!」
ミネルバ「ここで待ってて?…この剣とお金預かっておいてください」
ミシェル「あ、ああ…」
ミネルバ「大丈夫…兵士たちなんか目じゃないわw…」
アイオテ「ミネルバさん、はやく!」
ミネルバ「はーい」
そうして2人は城へと戻ると、まずはカイルの部屋に向かった
その間にも騎士や兵士がやってくるが、この2人は圧倒的だった
アイオテ「道を開けて!…じゃないと君らの手足はなくなっちゃうよ!!」
ミネルバ「開けなさい!!」
その言葉通り、アイオテもミネルバも襲いかかる兵士たちの手足をあっという間に切断する
それを見ていた兵士は、この2人を恐れて近づけなくなる
そして、カイルの部屋まで着くと、カイルは中で傷だらけになりながら、抵抗していた
アイオテ「この野郎!…よくもカイルさんを!」
ミネルバ「よっ、ほっ!」
兵士「ぎゃあああ!!」
カイル「あ…お2人とも…無事だったっスね…良かった…」
アイオテ「カイルさん!」
アイオテはすぐさまカイルを復活させた
カイル「す、すごいっス!…初めて当ててもらったっスけど、ケガする前よりも元気っス!」
アイオテ「良かったw…早くスコットさんとグラハムさんのとこ行こう!…部屋は知ってる?」
カイル「案内するっス!!」
カイルを間に挟み、アイオテが先頭、ミネルバが後ろを守りながら、スコットたちの兵舎に向かう
カイル「すごいっス!…アイオテくん、めちゃくちゃ強い!」
ミネルバ「カッコいいでしょ?w」
アイオテ「どいて!…道を空けて!…君らが傷つくだけだよ!!」
普段は虫も殺さない優しいアイオテだったが、この時ばかりは容赦なく、向かってくる者の手足を次々に切り落とした
ゾンビと違い、生きてる人間はそれで止まる
ミネルバ「近寄ると手足なくなるよ!…あんたらそれでいいの?!」
兵士も騎士も道を開け、スコットたちの兵舎につくと、2人は瀕死になりながらも生きていて、兵長が2人を人質にとった
兵長「ち、近寄るな!!…こいつらを殺されたくなければ!」
ミネルバ「あんたバカだね…そいつら殺した時があんたらの最後だよ?…死にたくないならこっちに渡せ」
兵長「く、来るな!」
ミネルバ「殺すなら殺せよ…スコットたちだって死ぬ覚悟があって兵士をしてるんだ…あんたも兵士なら、そんな卑怯な手を使うな…」
スコット「オレたちはいいから!…こいつを殺しちゃってください!」
ミネルバ「ほら、ああ言ってる…3秒数えるうちに離さないなら、アタシはあんたの首を刈るよ」
兵長「うう…」
ミネルバ「3…2…」
兵長「わ、わかった…殺さないでくれ…」
兵長はスコットとグラハムをこっちに押すと、アイオテは素早く兵長の腕を切り落とした
兵長「ぎゃあああ!!」
アイオテ「ボクの親友に酷いことした報いだ!」
ミネルバ「カッコいいよ、アイオテ!!」
スコット「す、すげ~…」
グラハム「や、やった…ざまみろ…」
アイオテは素早く2人も回復させると、5人で城の門まで走った
すると、国王と聖騎士隊が待ち構えていた
国王「勇者よ…やってくれたな」
ミネルバ「やってくれたのはお前だろ?…殺すぞ?」
側近「陛下に向かってなんたる暴言!」
アイオテ「王様どうして?…ボクはデッドアイランドなんて本当は怖くて行きたくなかったんだよ…歩く死体と戦うのだってすごく嫌だった…でも頑張ってやり遂げたのに…この仕打ちはなんでなの?」
国王「それはすまんな…だが、たったそれだけの人数であやつらを殲滅させる力は恐ろしいでな」
アイオテ「ボクは…襲われなかったら何にもしないよ…戦うのは嫌いだもん…だから、ここを通して?…どうしてもボクらを殺す気なら、悪いけどみんなの手足はなくなっちゃうよ」
国王「この人数相手にそれが出来るのか?」
アイオテ「出来るよ…あなたたちはゾンビと比べたら、なんて事ないよ…遅いし、弱い」
ミネルバ「うんw…あんたらじゃゲキツヨさん一体だって倒せないだろうよw」
アイオテ「本当の事だよ…ボクはここからでも一瞬であなたを倒せる」
ミネルバ(アイオテったら、めちゃくちゃカッコいいじゃない///)
国王「ウソをつくなw」
アイオテ「ウソじゃない!」
アイオテは目にも止まらぬ速さで国王に飛び込むと、片腕を切り落とした
国王「ぎぃやあああ!!」
側近「こ、この!…ぐわあああ!!」
アイオテ「聖騎士さんたちも、エリオットさんがいなきゃ、ただの雑魚だね…王様がこんなになってるのにちっとも動かないで…」
聖騎士たちはアイオテのその静かで冷酷な迫力に、体が動かせないでいた
国王と側近は片腕をなくし、苦痛と絶望感でうずくまって呻いている
アイオテ「王様…腕くらいで済んで良かったね…エリオットさんは…最後まで勇敢に戦ったのに、死んだんだ!!…やっぱりお前も死ぬべきだ!!」
アイオテはセイブザクイーンを振り上げた
国王「ま、待って!!…待ってくれ!!…すまなかった!!…もう手出しはしないから…許せ!」
アイオテ「言葉のききかた知らないんだね…死ぬかどうかの時だってのに、そんなに偉そうにして…やっぱり死んだ方がいいよ、王様」
国王「待って!待ってください!…すいませんでした!!…お願いですから殺さないでください!!」
アイオテ「…わかったよ…」
アイオテは国王の腕を持ち、切断されたところにくっつけて、光を当てた
すると、なんと、腕が元通りにくっついた
国王「お、おお!…う、腕が!」
アイオテ「側近さんも…自分で持ってくっつけて…」
側近「う、うん…おお…」
アイオテ「ボクのこの力で治るとね…いくらか寿命は縮むんだ…でもそれはあなたたちへの報いだよ?…王様…ボクはここの兵士さんたちの手足をたくさん切ってきた…治してもらいたい人たちを全員集めて並べさせて?」
国王「わ、わかった…わかりました…勇者様…」
アイオテ「カイルさん…美味しいごはんをたくさん作って?」
カイル「わかったっス!w」
ミネルバ「アタシも手伝うよw」
アイオテ「ミネルバさんはボクの隣に居て?」
ミネルバ「あ、うんw…ギュ…カッコ良かったよ、アイオテ…」
アイオテ「ミネルバさん…ギュ…グス…」
それから手足を切断された、たくさんの兵士たちは、自分の腕や足を持ってアイオテの前に並んだ
アイオテはそれを1人ずつ治していく
アイオテ「その腕は本当に自分ので間違いない?」
兵士「はい!…ゼェゼェ…間違いないです…」
アイオテ「じゃあくっつけて…」
兵士「おお…ありがとうございます!…グス」
アイオテ「…次の人」
ミネルバはアイオテの隣で、サンドイッチをアイオテに差し出しながら、惚れ惚れとアイオテを見ていた
カイルやスコット、グラハム、召使いたちもアイオテの為に食べ物を運ぶ
全員の治癒を終えると、昼を過ぎていた
アイオテ「王様…」
国王「はい」
アイオテ「ボクはこれからは静かなところで暮らすから…もうそっとしておいてください」
国王「わかりました…」
アイオテ「カイルさんたちや、ボクの両親にも酷いことしないでください」
国王「もちろんです…」
アイオテ「ではこれで…」
カイル「アイオテくん、これからどうするっスか?」
アイオテ「うーん…どっか山の中かなんかに家建てて…静かに暮らしますw」
カイル「家建てるなら、オレがいるっスねw」
スコット「オレも手伝います!」
グラハム「もちろんオレも!」
アイオテ「ありがとうw…ギュ…じゃあ一緒に来てw」
カイル「はいっス!」
スコット「はい!w」
グラハム「行きましょう!」
アイオテ「ミネルバさん…おんぶ///」
ミネルバ「あらあらw…カッコ良かったのに、結局それなのねw…かわいいんだからw」
カイル「あはははw」
ミネルバにおぶさって、アイオテはやっとゆっくりと眠った
カイル「いやあ…アイオテくん、めちゃくちゃカッコ良かったっスねえ!!」
スコット「ほんとw…まだムカつくけど、だいぶスッキリしたw」
グラハム「おうw…王様に敬語使わせるんだもんなw…こんな少女のようなアイオテくんがさw…痛快だったよ」
ミネルバ「ほんとよね~w…すっかり男らしくなったわ…」
カイル「だけど、結局はみんなを治して…やっぱり勇者は違うっスなあ…」
スコット「うん…」
ミネルバ「治してやることないのに…とか思っちゃうけどさ…でもその優しさがアイオテだよね」
グラハム「全くそうです…でも、さすがにオレはこれからあいつらと一緒に兵士なんてやってけないぜ…」
スコット「オレも…どうしよっかな…まあ、働かなくても大丈夫なほど金はあるけど」
カイル「それはまあ、アイオテくんたちの家建てながら考えるっスよ」
ミネルバ「うん…なんならあんたらも近くに家建てて住めば?w」
スコット「それもいいかもなw」
カイル「オレは、食べ物屋でもやるかな…」
ミネルバ「それいいね!…そしたらアタシらもたまに食べに行ったりとか出来るしw」
カイル「まあ…まだ先の事っスねw」
そして、エレンとミシェルと別れた森の中に着くと、2人は首を長くして待っていた
エレン「ああ!…おかえりなさい!…帰ってこなかったらどうしようって思ってたのよ…グス」
ミシェル「ああ…とりあえず良かった…でも、カイルさんたちは大丈夫だったの?」
カイル「いや、あんまりw…アイオテくんたちが来てくらなかったら死んでたっス」
グラハム「ほんとにw」
ミシェル「へぇぇ!!…アイオテも強くなったんだなあ…」
スコット「強いってもんじゃないですよ~w…王様も聖騎士隊も、アイオテくん1人にビビって動けなかったんですよw」
エレン「まあ…こんなかわいい寝顔なのに」
ミネルバ「あははw…でも本当ですよ…アイオテもアタシも…だいぶ強くなってました」
グラハム「すごいですよ、やってくる兵士の腕や足をバサバサと切り落として…あげくに王様と側近の腕まで切り落としましたから」
ミシェル「え?ええ?!…あ、アイオテ…そんな事するの?」
スコット「いくつも修羅場をくぐり抜けましたからね…」
カイル「でも、結局はみんな治してしまいましたけど」
ミシェル「え?…腕が切れてるのに?」
カイル「ええ…腕をくっつけてしまうんスよ」
エレン「すごい…グス…この子ったら…」
ミネルバ「でも、たぶん、そのせいでアイツらは長くは生きられないと思う…ま、いい気味よw」
ミシェル「うん!…そのくらい当然だ…うちのアイオテとミネルバちゃんに酷い事したんだから」
ミネルバ「…アイオテ…ほら起きて…ユサユサ」
アイオテ「うー…ギュ…ミネルバさん…」
ミネルバ「かわいいw…降ろせば起きるかな」
ミネルバはアイオテを地面に降ろした
アイオテ「うーん…ボ-…あれ、お母さん…お父さん…」
エレン「アイオテ…ギュ…会いたかった…」
アイオテ「お母さん…ギュ…」
ミシェル「しかし、本当に旅に出た時と見た目が全く変わらないんだな…ミネルバちゃんも」
ミネルバ「そうですか?」
エレン「ええ…ビックリよ」
ミシェル「で…これからどうすればいいかな…」
アイオテ「…お母さんとお父さんは、宿屋に戻って暮らしても大丈夫だよ」
ミシェル「え?…そうなの?」
アイオテ「うん、もしも2人に何かあったら、ボクは今度こそこの国を滅ぼすよ」
エレン「すごいw…でもアイオテはどうするの?」
アイオテ「ボクはミネルバさんと、山の中でいい場所見つけて、誰も来ないところで静かに暮らしていくよ…もうここに居る人たち以外と接するのも嫌なんだ」
ミシェル「そっか…お父さんたちも一緒に暮らしてはダメかい?」
アイオテ「もちろんいいよ!…ギュ…ボクだって一緒に居たい…けど、不便だし、慣れるまでは大変だよ?」
ミシェル「かまわないよw…今まで15年も離れてたんだ…これからは一緒に暮らそうよ…母さんもそれがいいだろ?」
エレン「ええ…」
ミネルバ「じゃあ、そうと決まれば、まずは住むのにいい場所を探しましょ」
アイオテ「うん!」
カイル「やっぱ、川や湖の近くがいいっスよ…水がないと生活は出来ないっス」
アイオテ「たしかに…」
スコット「川ならオレ、場所わかる…小さい頃、この山で親父と釣りをしてたから」
ミネルバ「お!…じゃあとりあえずそこに案内して!」
スコット「わかったw」
一行はその場所に着くと、すぐに気に入り、今までいくつも作ってきた拠点を、川辺に作った
とりあえずその拠点に住むことにして、材木を運び、みんなでそれぞれの小屋を建てた
エレンとミシェルの住む小屋、アイオテとミネルバの住む小屋、スコットの小屋と、グラハムの小屋
結局、スコットとグラハムも家族を連れて、一緒に暮らす事にしたのだ
それからやっと、アイオテに平穏な日々が訪れた
ミネルバと一緒に魚釣りをしたり、みんなでカイルの店に週に一度は食べに行ったり…
しかし、少しも歳をとらない2人にとって、老いていくみんなを見ているのは辛い事だった
両親も亡くなり、グラハム、スコットも…そしてカイルも死んだ
それから数十年後
アイオテ「ねえ、今日は裸で川に入ろうよw」
ミネルバ「いいねw…暑いもんね~」
アイオテ「よーし!…もう今脱がしちゃう!」
ミネルバ「あはははw」
アイオテはミネルバを素っ裸にし、自分もそうなると、ミネルバにおぶさって川に向かった
アイオテ「あう~…このミネルバさんの素肌に直で当たってるだけで気持ちいいの…」
ミネルバ「出ちゃう?w」
アイオテ「出ちゃう…ビュ」
ミネルバ「あ!…ほんとに出したw…も~w」
アイオテ「き、気持ちいい…///…ミネルバさんも気持ち良くしてあげるね…モミモミ」
ミネルバ「う…こら…力入らないから…あ…」
アイオテ「うふふふw…ペロペロ」
ミネルバ「あ…イク…」
アイオテ「も~!…ちゃんと川に行かないとダメじゃん!」
ミネルバ「あんたねぇw」
アイオテ「うふふふw…だ~い好き…ギュ」
ミネルバ「かわいいねえw」
そうして川に入って、またじゃれ合っていると、川辺に急に人が現れた
シグマとフランシスだった
シグマ「や!…2人とも裸じゃない///」
フランシス「久しぶりに会ったらw」
アイオテ「あー!!…シグマさん!!…フランシスさん!!」
ミネルバ「や、やだ///…こんな時に来ないでくださいよ~///」
シグマ「あはははw…大丈夫、ミネルバちゃんはきれいだけど、ボクはエロく感じるわけじゃないからw」
ミネルバ「そ、それでも恥ずかしいっス///」
フランシス「そうよねえw」
アイオテ「フランシスさん!…ギュ…」
フランシス「かわいいわねぇ…ギュ…ナデナデ」
アイオテ「ボクたち2人をずっと待ってました…」
シグマ「うんうんw…じゃあ一緒に行こうかね?」
アイオテ「はい!!」
ミネルバ「は、はい///…その前に小屋に戻って服着ていいっスか?///」
シグマ「うんw」
フランシス「小屋から裸で来たの?w」
アイオテ「へへ///」
シグマ「まあ、ボクらもきっとそうするじゃないw」
フランシス「そうねw」
ミネルバ「そんなもんなんですか?///」
フランシス「うんw」
シグマ「じゃあボクら向こうを向いてるから、ダッシュで行って戻ってきて?」
ミネルバ「はい!」
アイオテ「はーい!」
2人はダッシュで小屋に帰り、服を着るとまた戻った
アイオテ「シグマさん…ギュ」
シグマ「うふふw…変わらないねえ…でも、強さは変わったかな?」
アイオテ「少しは///…でもまた数十年戦ってないので、弱くなってしまったかもしれないです…」
シグマ「大丈夫よw…案外そう思ってても、戦い始めると勝手に身体が動くもんだよ」
ミネルバ「そうなんですよね!」
シグマ「ここに来る前にデッドアイランドに降りて、見廻ってきたけど…今はもう、普通に人間たちが住んでいたよw…海岸もキレイになっててさ…」
アイオテ「今はもうデッドアイランドって名前ではなくなりましたよ」
ミネルバ「ブレイブアイランドって言われてます…勇者の島って意味です」
シグマ「そうw…アイオテくんの頑張った成果だねw」
アイオテ「ボクだけじゃないです…ミネルバさんとエリオットさん…カイルさんにスコットさん、グラハムさんが頑張ってくれました」
シグマ「うんうん…彼らとの別れは辛かったろうね…」
アイオテ「はい…グス…」
フランシス「だけど…わたしたちとはこれからもずっと…長い付き合いになるわよ」
アイオテ「はい!」
ミネルバ「その…アタシらもシグマさんたちみたいに『ガーディアン』に?」
シグマ「うん…ボクらもやっと仲間が出来るよ」
アイオテ「え?…そうなんですか?…他にはガーディアンは居ないのですか?」
シグマ「居るんだけど、ガーディアンには2通りあってね…ボクの方はまだボクらだけなのw…アイオテくんとミネルバちゃんは初めてのボクらの方の仲間なんだよ」
ミネルバ「アタシらなんかで出来るもんでしょうか…」
シグマ「大丈夫だよw…アイオテくんにルーチェがある限り、『ガーディー』が導いてくれるからね」
アイオテ「ボ、ボク…上手くやれるかわからないけど…シグマさんたちと一緒に居たいから頑張ります!」
シグマ「うん…よろしくね」
アイオテ「はい!」
ミネルバ「はい!」
それから2人は、シグマの宇宙船に乗り、ガーディアンガーデンへ行き、ガーディアンとしての人生が始まった
星を二つ任されて、何度かに渡り、星を守護しに行く
そのうちガーディアンの仲間が増えていったが、あまり打ち解けられずにまた何千年と時が経った
そして…
アイオテ「師匠~♪…ギュゥ…スリスリ」
レイ「お、おま…食ってる時に来るなよw…吐きそうになったじゃねえかw」
アイオテ「へへ///」
レイ「ここ座るか?…ポンポン」
アイオテ「うん!」
ミネルバ「ごめんね、レイw」
レイ「いいって事よw…ミネルバもこっち座るか?」
ミネルバ「え?…アタシも?」
イズ「遠慮しないで座るといいですw」
ミネルバ「そ、そう?…じゃあw」
レイ「ふふw…ミネルバも美しいなあ…ナデナデ」
ミネルバ「そう?///…イズちゃんみたいにかわいげないけどw」
レイ「イズはイズ…ミネルバはミネルバ…アイはアイだろ?…なあ?…ナデナデ」
アイオテ「うん…スリスリ」
イズ「ブフww…甘えん坊ですね~w」
レイ「アイ、食わせてくれよ」
アイオテ「はい、あーん…」
アイオテはこの7番目に仲間になった『レイ』というガーディアンが大好きで、レイとイズが来てからというもの、毎日がとても楽しくなった
それはミネルバもそうだった
何千年と生きてきて、ようやく心から楽しいと思える日々がやってきたのだった
レイ「アイ、ミネルバ、ドライブ付き合えよ」
アイオテ「うん!!…やったあ!…ギュ!」
レイ「いちいち抱きつくなよw」
アイオテ「あう…シュン」
レイ「わかった…わかったから…な?…ほら、抱っこしてやるから…ダッコ」
アイオテ「師匠~…スリスリ」
ミネルバ「ごめんね、イズちゃん…レイとっちゃって」
イズ「うふふふw」
レイ「イズ、運転頼む」
イズ「はあい」
ミネルバ「イズちゃん、おっとりしてるわりに結構スピード出すのねえ」
イズ「そうですかあ?…けど、昔からレイちゃんの背中に乗ってるから、これでも遅く感じます」
レイ「だよな~…車って遅えよ」
アイオテ「でも、ボクらがデッドアイランドで戦ってる時にこれあったら便利だったなあ」
ミネルバ「そうだねw」
レイ「そのなんだっけ?…ゲキツヨさんだっけ?」
アイオテ「うん」
レイ「まるでゲームみたいだけどさ…ゲームの奴はおかしいよな…あんな目の前で身体が巨大になってさ…」
ミネルバ「ねw…急に質量が増えるはずないよね」
アイオテ「うんうん!…ゲキツヨさんは少しずつ育ってあの大きさになったんだと思う」
レイ「だよな~…今はもうゾンビは出てない?」
アイオテ「出てないです!…ボクらが居た頃と地形が変わってしまって、デッドアイランドはロアーヌにだいぶ近づいてるみたいです」
ミネルバ「もしさ、空気感染してなかったとしても、アタシらが殲滅してなかったら大変な事になってたよね」
イズ「本当ですね~」
レイ「頑張ったな…ナデナデ」
アイオテ「えへへ///…けど師匠ならきっと余裕だったんでしょうねえ」
レイ「うーん…だなあ…オレだけじゃ時間かかるけど、イズが居ればなw」
ミネルバ「凍らせて終わりかあ…」
アイオテ「魔法かあ…いいな」
レイ「けど、楽かどうかは問題じゃない…お前たちだから意味があったんだ…」
ミネルバ「どうして?」
レイ「それはオレもわからんけど…ガーディーってのは必要で、可能な者にしか起こらない…オレがもし惑星ミールに居たとしても、ルーチェには選ばれてなかったかもしれない…そういうもんだ」
ミネルバ「…へぇぇ…」
アイオテ「…ボクだから…選ばれたの?」
レイ「そうだ…だけどきっと、地球ならアイオテは選ばれてないと思う…上手く言えないけど、ルーチェってそんなんだよ」
アイオテ「そっかあ…でも、たしかにあの頃は大変だったけど、今こうして師匠たちとミネルバさんと幸せだから良かった///」
イズ「うふふw」
ミネルバ「まあ、ここまで長かったけどね~w」
レイ「だなw…でもまあ、まだまだこれからまた長い付き合いさw」
アイオテ「うん…ギュ…チュ」
レイ「だからお前…なんでチュウすんだよ…男に」
アイオテ「だってぇ///」
ミネルバ「ほんと、ちょっと甘え過ぎよ?」
イズ「ブフww」
アイオテ「えへへ///」
楽しいドライブから帰ると、アイオテとミネルバはエリオットの剣に手を合わせた
何千年経っても、毎日毎日それは欠かさない
どれだけ時が経とうとも、エリオットは2人にとって特別な存在だった
デッドアイランドで3人で戦った日々も、今となっては良い思い出となっていた
ー完ー
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