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第六章
閑話6 掃除と休息(前編)
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「掃除、ですか?」
「ああ、さすがにゴーレムだけじゃあ不足な場所もあるからな」
そんな話をしながら、広い廊下をヴィーさんの後を追って歩く。
この城内では、ケサランパサランと呼ばれる毛玉のような魔獣が埃落としの役目を果たし、落とされた埃を掃除用のゴーレムたちが集めて捨てている。だから表から見える部分の掃除はできている。でもそれじゃ足りないそうだ。
「ったく、セリオンのヤツ。ずっと城に居たんだから、掃除ぐらいしといてくれりゃいいのに。なあ」
ブツブツと僕に同意を求めるように言う。でもあの様子じゃあセリオンさんには無理だったろう。
僕らが冒険者の町から城へ帰った時、出掛けた時と変わらずセリオンさんはアリアちゃんのそばに居た。あれからずっと孵化器の監視をしていたらしい。あまり眠っていなかったようで、かなり疲れた様子だった。
「別に、付きっきりでなきゃいけねえわけじゃねえのにな」
「そうなんですか?」
「ああ。俺がこの城に来た時には、まだジャウマ一人だった。アリアの様に眠っていた時間があったとはいっても、目が覚めてからも時間がだいぶ経っていたはずだ。そんな長い間、ずっと眠らずに監視していたら、いくら頑丈なあいつでも壊れちまう」
ちょっと最後の言い方は、ジャウマさんに失礼なんじゃないかと思った。でもヴィーさんの性格を考えたらいつものことだろう。
「それに俺らのそんな姿を見たら、アリアは悲しむだろう。だから、あれはただのあいつの我儘だ」
ああ、確かに。それはヴィーさんの言う通りだ。
アリアちゃんが、大好きなパパたちが傷ついたり病んだりすることを望むわけがない。
そして、もちろんジャウマさんもヴィーさんも、セリオンさん一人に押し付けて出掛けたつもりはないだろう。だからセリオンさんのあの状態は、二人にとっても想定外だったということだ。
「まったく、あいつは生真面目すぎて融通が利かねえよな」
わざと、笑いながら僕にそう言う。でも多分ヴィーさんも、それだけではないことに気付いてるし、心配もしている。
「さて、こいつらが掃除をしてくれるといっても、さすがに閉まっている場所にまでは届いてない。例えば戸棚や物入れの中とかだな。こいつらが入れるような場所なら、扉を開けてやれば埃を払ってくれる」
僕らの周りでふわふわと浮いている手のひら大の毛玉状の魔獣――ケサランパサランを指差して、ヴィーさんが言った。
そして今度は、足元でぐるぐると這いずり回っている、円盤状のゴーレムに目を向ける。
「落とした埃はあいつらが片づけてくれる。あと魔力切れの魔道具を見かけたら補充しておいてくれ」
そう言って、今度は廊下の魔導ランタンを指差す。確かに、ところどころ点いていないものがある。
「わかりました。でも僕は日常魔法くらいしか使えませんが、それで足りますか?」
尋ねると、ニヤリと悪人のような笑い顔を見せる。
「魔法が使えねえからって魔力が少ないわけじゃねえよ。ラウルにだって、普通の人間以上の魔力はあるはずだ。出し方を知らねえだけだろう」
「そうなんですか?」
「ああ、俺たちは『神魔族』だからな。ま、訓練にもなるからやってみるといい」
そう言って、ヴィーさんはニヤリと笑った。
「俺はあっちをやるから、ここから台所の方までを頼む」
そう言うと、ひらひらと手を振りながら歩いていく。その後ろから、まるで忠犬のようにケサランパサランと掃除用ゴーレムが追いかけていった。
僕のところにも、毛玉とゴーレムが何体か残っている。
「うん、ひとまず手を付けてみよう。よろしくね」
言葉が通じるのかはわからない。でも浮いている毛玉たちはゆらゆらと嬉しそうに揺れた。
まず、目の前の応接間に入った。
さっそく、部屋にいくつか飾られた風景画や高そうな壺や彫刻の周りを、ケサランパサランがふわふわと撫でるように飛んで埃を落としていく。
壁際にある戸棚には洋食器やら、宝石が嵌った置物やら、古そうな本やらが納められている。ガラス戸から中をのぞくと、確かに埃がうっすらと積もっていた。ヴィーさんが言っていたのはこれの事らしい。
ガラス戸を開けようと手をかけると、期待をするように毛玉たちが集まってきた。まるで早く掃除をさせろと言わんばかりに、取っ手に掛けた僕の手に群がっている。
「大丈夫、かなぁ?」
そっと棚の扉をそっと開けてみる。一番近くにいた毛玉が、すかさずするりと入り込んだ。続けて、2匹目、3匹目と入り込む。
大小いくつかの毛玉たちは、戸棚の中の陳列物を揺らす事もなく、器用に自らの体で埃を集めている。
ガラス戸から外に出てくると、体に付いた埃を払うようにふるふると震えた。落ちた埃はゴーレムが集めにくる。そして埃を落とした毛玉は、また戸棚の中に戻っていった。
「なるほど。これだけでいいんだ」
同じように、部屋の中の戸棚や物入れの扉を開けると、嬉しそうに毛玉が中に入っていく。
ケサランパサランと掃除用ゴーレムが働いてくれている間に、部屋の中の魔導具を確認する。
魔導ランタンが10程と、時計が二つ。あと呼び出し用のベル。確認をしたら、殆どの魔導具の魔法石が魔力切れになっている。
町で生活していた時は新しい魔法石と交換するのが普通だった。でもそうでなくて、ここに直接魔力を注げばいいらしい。
魔導ランタンを点灯させたり、魔導コンロに着火するくらいの魔力なら僕にだってある。その程度の魔力じゃ、この魔法石を満たすことはできない。
でもヴィーさんは、本当は僕にも高い魔力があるのだと言った。僕も『神魔族』なのだから……
試しに、そっと指を当てて魔力を流し込んでみる。でも魔法石は全く反応しない。
「どうすればいいんだろう?」
僕もジャウマさんたちと同じように、獣の……
ふと、思い出した。
あの時…… アリアちゃんたちを助けに走ったあの時に、ジャウマさんが僕の肩に触れると、僕の内から不思議な力が沸いてきた。
あの力を自分で出すことができれば……
あの時の感覚を思い出しながら、もう一度魔法石に指を当てる。もう一度ゆっくりと魔力を流し込むと、魔法石は少しずつ明るくキラキラと輝き始めた。
====================
※フォロワー様に企画で描いていただいた、ラウルです♪
あニキ様(@akuyaku_niki)より
「ああ、さすがにゴーレムだけじゃあ不足な場所もあるからな」
そんな話をしながら、広い廊下をヴィーさんの後を追って歩く。
この城内では、ケサランパサランと呼ばれる毛玉のような魔獣が埃落としの役目を果たし、落とされた埃を掃除用のゴーレムたちが集めて捨てている。だから表から見える部分の掃除はできている。でもそれじゃ足りないそうだ。
「ったく、セリオンのヤツ。ずっと城に居たんだから、掃除ぐらいしといてくれりゃいいのに。なあ」
ブツブツと僕に同意を求めるように言う。でもあの様子じゃあセリオンさんには無理だったろう。
僕らが冒険者の町から城へ帰った時、出掛けた時と変わらずセリオンさんはアリアちゃんのそばに居た。あれからずっと孵化器の監視をしていたらしい。あまり眠っていなかったようで、かなり疲れた様子だった。
「別に、付きっきりでなきゃいけねえわけじゃねえのにな」
「そうなんですか?」
「ああ。俺がこの城に来た時には、まだジャウマ一人だった。アリアの様に眠っていた時間があったとはいっても、目が覚めてからも時間がだいぶ経っていたはずだ。そんな長い間、ずっと眠らずに監視していたら、いくら頑丈なあいつでも壊れちまう」
ちょっと最後の言い方は、ジャウマさんに失礼なんじゃないかと思った。でもヴィーさんの性格を考えたらいつものことだろう。
「それに俺らのそんな姿を見たら、アリアは悲しむだろう。だから、あれはただのあいつの我儘だ」
ああ、確かに。それはヴィーさんの言う通りだ。
アリアちゃんが、大好きなパパたちが傷ついたり病んだりすることを望むわけがない。
そして、もちろんジャウマさんもヴィーさんも、セリオンさん一人に押し付けて出掛けたつもりはないだろう。だからセリオンさんのあの状態は、二人にとっても想定外だったということだ。
「まったく、あいつは生真面目すぎて融通が利かねえよな」
わざと、笑いながら僕にそう言う。でも多分ヴィーさんも、それだけではないことに気付いてるし、心配もしている。
「さて、こいつらが掃除をしてくれるといっても、さすがに閉まっている場所にまでは届いてない。例えば戸棚や物入れの中とかだな。こいつらが入れるような場所なら、扉を開けてやれば埃を払ってくれる」
僕らの周りでふわふわと浮いている手のひら大の毛玉状の魔獣――ケサランパサランを指差して、ヴィーさんが言った。
そして今度は、足元でぐるぐると這いずり回っている、円盤状のゴーレムに目を向ける。
「落とした埃はあいつらが片づけてくれる。あと魔力切れの魔道具を見かけたら補充しておいてくれ」
そう言って、今度は廊下の魔導ランタンを指差す。確かに、ところどころ点いていないものがある。
「わかりました。でも僕は日常魔法くらいしか使えませんが、それで足りますか?」
尋ねると、ニヤリと悪人のような笑い顔を見せる。
「魔法が使えねえからって魔力が少ないわけじゃねえよ。ラウルにだって、普通の人間以上の魔力はあるはずだ。出し方を知らねえだけだろう」
「そうなんですか?」
「ああ、俺たちは『神魔族』だからな。ま、訓練にもなるからやってみるといい」
そう言って、ヴィーさんはニヤリと笑った。
「俺はあっちをやるから、ここから台所の方までを頼む」
そう言うと、ひらひらと手を振りながら歩いていく。その後ろから、まるで忠犬のようにケサランパサランと掃除用ゴーレムが追いかけていった。
僕のところにも、毛玉とゴーレムが何体か残っている。
「うん、ひとまず手を付けてみよう。よろしくね」
言葉が通じるのかはわからない。でも浮いている毛玉たちはゆらゆらと嬉しそうに揺れた。
まず、目の前の応接間に入った。
さっそく、部屋にいくつか飾られた風景画や高そうな壺や彫刻の周りを、ケサランパサランがふわふわと撫でるように飛んで埃を落としていく。
壁際にある戸棚には洋食器やら、宝石が嵌った置物やら、古そうな本やらが納められている。ガラス戸から中をのぞくと、確かに埃がうっすらと積もっていた。ヴィーさんが言っていたのはこれの事らしい。
ガラス戸を開けようと手をかけると、期待をするように毛玉たちが集まってきた。まるで早く掃除をさせろと言わんばかりに、取っ手に掛けた僕の手に群がっている。
「大丈夫、かなぁ?」
そっと棚の扉をそっと開けてみる。一番近くにいた毛玉が、すかさずするりと入り込んだ。続けて、2匹目、3匹目と入り込む。
大小いくつかの毛玉たちは、戸棚の中の陳列物を揺らす事もなく、器用に自らの体で埃を集めている。
ガラス戸から外に出てくると、体に付いた埃を払うようにふるふると震えた。落ちた埃はゴーレムが集めにくる。そして埃を落とした毛玉は、また戸棚の中に戻っていった。
「なるほど。これだけでいいんだ」
同じように、部屋の中の戸棚や物入れの扉を開けると、嬉しそうに毛玉が中に入っていく。
ケサランパサランと掃除用ゴーレムが働いてくれている間に、部屋の中の魔導具を確認する。
魔導ランタンが10程と、時計が二つ。あと呼び出し用のベル。確認をしたら、殆どの魔導具の魔法石が魔力切れになっている。
町で生活していた時は新しい魔法石と交換するのが普通だった。でもそうでなくて、ここに直接魔力を注げばいいらしい。
魔導ランタンを点灯させたり、魔導コンロに着火するくらいの魔力なら僕にだってある。その程度の魔力じゃ、この魔法石を満たすことはできない。
でもヴィーさんは、本当は僕にも高い魔力があるのだと言った。僕も『神魔族』なのだから……
試しに、そっと指を当てて魔力を流し込んでみる。でも魔法石は全く反応しない。
「どうすればいいんだろう?」
僕もジャウマさんたちと同じように、獣の……
ふと、思い出した。
あの時…… アリアちゃんたちを助けに走ったあの時に、ジャウマさんが僕の肩に触れると、僕の内から不思議な力が沸いてきた。
あの力を自分で出すことができれば……
あの時の感覚を思い出しながら、もう一度魔法石に指を当てる。もう一度ゆっくりと魔力を流し込むと、魔法石は少しずつ明るくキラキラと輝き始めた。
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※フォロワー様に企画で描いていただいた、ラウルです♪
あニキ様(@akuyaku_niki)より
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