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第十六話 リニスの実家
しおりを挟む告白成功した私はその日は普通に過ごし、朝になった。
日課となった弓の訓練を終えてから借り家に戻ると、エーカとリニスが朝食の準備を進めていた。
「おはよ、タリー」
「おはよう、タリー君」
「おはよう、エーカ、リニス」
こんな些細な朝の挨拶でも幸せと感じる。
そんな幸せを感じながら、私は朝食を食べた。
朝食を食べた後はエーカを会場まで送り届ける為に準備した。
吸血鬼を倒したのだ。
注目される。
そんな状態の中、対策無しで街に出れば囲まれるのは目に見えてる。
だから、私が魔法を使って、会場まで送り届ける。
エーカの準備が終わり、会場に向かうとすると、リニスが止めてきた。
「待ってくれ、エーカ君、タリー君」
私とエーカはリニスの方を向いた。
「多分だが、サーワリ侯爵家の者達が接触してくると思う。だから、これを渡して置いて欲しい」
そう言い、リニスは1つの手紙を渡してきた。
「リニス。会わなくても?」
「真実を知ったが、今更お父様とかお兄様とか呼ぶのには抵抗がある。それに僕はもう成人している。独り立ちしても何も問題筈」
「分かった、リニス。もし、サーワリ侯爵家の使者が来たら渡しておく」
私は魔法を使って、エーカを会場を送り届けた。
その時に、私達は職員に囲まれてしまった。
様々なことを聞かれていたが、責任者が止めてくれてなんとかなった。
少し疲れたので、別室で休憩していると、扉がノックされた。
入室の許可を出すと、執事が入ってきた。
「失礼します」
「サーワリ侯爵家の使者の方ですか?」
「そうで御座います。えっと」
「タリーとお呼び下さい。絶縁され、既に貴族では無いので」
「では、タリー殿。我々についてきてくださるか?」
「分かりました」
私は化粧中のエーカにサーワリ侯爵家に行くことを伝え、私は執事と一緒に馬車に乗り込んだ。
20分ぐらいでサーワリ侯爵家の屋敷に到着した。
到着したら、執事に案内され、応接室に通された。
応接室の中にはリニスの面影を感じる中年の男と若い男がいた。
「初めまして、タリー殿。私はサーワリ侯爵家の現当主だ。そして、リニスの父親だ」
挨拶を終えた後、私はリニスから貰った手紙を手渡した。
「これを」
サーワリ侯爵はそれを受け取ってくれた。
「これはリニスからの手紙か」
私は頷いて答えた。
私の返事を見てから、2人はリニスからの手紙を読み始めた。
手紙を読んだ2人は絶望の表情を浮べた。
手紙を終えたサーワリ侯爵は顔色を悪くし、今にも倒れそうだった。
「申し訳無いが、リニスのことを絶縁することは無理だ。例え、何があろうと」
「分かりました」
「何も言わないのか?」
「リニスを守る為にしたことです。一概に悪いとは言えませんから」
「そうか」
「最後の質問だ。リニスとはどんな関係なのだ?後輩とは聞いたが」
サーワリ侯爵は私の目をしっかりと見て来た。
私もサーワリ侯爵の目をしっかりと見返した。
「最近まではただの後輩でしたが、先日、恋人関係になりました」
2人は机を叩き、立ち上がった。
「なんだと?」
サーワリ侯爵は私に殺気を向け始めた。
「勘違いしないで下さい。私は脅したり、強制したりはしていません」
私は2人の目をしっかりと見た。
瞳の奥に確固たる意志を持って。
「私はリニス・サーワリ嬢ではなく、王立学園時代の先輩リニスに惚れて、自身の気持ちを伝えた。これには一切の損得勘定は無く、純粋に愛情を持って」
サーワリ侯爵は殺気を消し、席に座った。
「本当のようだな」
サーワリ侯爵は私の瞳の奥まで見るように視線を向けてきた。
そして、頭を下げた。
「リニスは妻が最後に残してくれた忘れ形見だ。大切な最愛の娘なのだ。どうか、よろしく頼む」
私も頭を下げた。
「お任せ下さい。例え、何があろうとも」
サーワリ侯爵は頭を上げた。
「感謝する、タリー殿。もし、リニスに何かしらあったら、覚悟してもらう」
「そんなことはないですから、安心してください」
その後、サーワリ侯爵とリニスの兄から手紙を受け取り、私は会場に戻った。
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