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第十三話 エリーゼと婚約
しおりを挟むこの世界に転生してから約10年が経ち、10歳になった。
8歳の頃から下準備をしっかりとしていたので、エリーゼとの婚約は順調に進んだ。
父上は裕福であまり野心を持っていないため、私の婚約者は自分で決めていいと言われている。
9歳の頃から父上にはエリーゼと婚約していことをやんわりと伝えていた。
父上はその意図を読み取ってくれて、アルクーバ子爵家の当主と交渉してくれていたのだ。
驚いたことにアルクーバ子爵家の当主と父上はそれなりの交流があり、話し合いはすぐに進んだ。
まぁ、うちのクロバーグ家は侯爵家で、アルクーバ家は子爵家だから、爵位的には断ることが出来ないが。
でも、アルクーバ家の当主が納得して、この話を進めてくれるなら嬉しい限りだ。
義理の家族になったときに良好の関係を築けるからだ。
話し合いの結果、私はエリーゼと婚約出来ることになった。
そして、今日は初めての顔合わせの日だ。
応接室の中で、まずは挨拶をすることにした。
「初めまして、アルクーバ家長女、エリーゼ・アルクーバと申します」
「こちらこそ初めまして、クロバーグ家長男、レイグ・クロバーグと申します」
挨拶をした私とエリーゼは父上とアルクーバ家の当主に言われて、庭の東屋に座りながら、話すことになった。
父上とアルクーバ家の当主は若い者同士の方が話も進むだろうと言い、私とエリーゼを2人きりにしたのだ。
「話す前に1ついいですか?」
「はい、大丈夫です」
「ありがとうございます。では、私のことはレイグと呼んでください。後、いつものように喋って貰って大丈夫ですよ」
私の発言を聞いたエリーゼは驚いた表情を浮かべていたのだ。
「うん、分かったよ。じゃあ、僕のこともエリーゼと呼んで貰って大丈夫だよ」
「では、エリーゼと呼ばせて頂きます」
「えっと、敬語を使わなくて大丈夫だよ」
「敬語は素なので、気にしないでください」
「そうなんだ。じゃあ、あまり気にしないでおくよ。えっと、1つ聞いても良いかな?」
「大丈夫ですよ」
「ありがと。えっと、なんで僕のことを婚約者に選んだの?レイグの爵位ならもっと良い令嬢を選べたのに」
「それは私がエリーゼに一目惚れをしたからですよ」
その言葉を聞き、エリーゼは驚きの表情を浮かべていたのだ。
「ぼ、僕に一目惚れ?僕はレイグには会ったことがないよ?」
「8歳の時の王都の御披露目会の時にたまたまエリーゼのことを見たら、笑顔を浮かべていたんだ。私はその笑顔を浮かべていたエリーゼに一目惚れをしたんです」
「そ、そうなんだ。あの時、僕のことを見てたんだ。な、なんか恥ずかしいな」
そう言い、エリーゼは少し照れていた。
「で、でも、なんだか信じられないろ。ぼ、僕に一目惚れする人がいるなんて」
エリーゼはそう呟いたのだ。
「では、条件をつけて、婚約をするというのはどうですか?」
「き、聞こえていたんだ。そ、そうだね。そうして貰えると信じられるよ」
「条件は私がエリーゼのことを貴族学院入学前に振り向かせることが出来なかったら、エリーゼに不利にならないように婚約を解消しましょう」
「えっ、ぼ、僕は何も問題無いけど、レイグには不利だけど、良いの?」
「大丈夫ですよ。私は絶対にエリーゼのことを振り向かせますから。それでは、これからお願いしますね。エリーゼ」
「う、うん、これからよろしくね。レイグ」
この日、エリーゼは私の仮の婚約者になった。
絶対にエリーゼのことを振り向かせて、私の婚約者にしてやる。
エリーゼの情報は公式ファンブックから得ているので、それらを全て活用する。
彼女は誰にも渡さない。
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