魔王を倒したが、無実の罪を着せられた俺は、これから好きに生きる

竹桜

文字の大きさ
5 / 22

第五話 ニアの追手

しおりを挟む

 ニアと会ってから、1ヶ月が経った。

 その時には、ニアの骨折は、ほぼ治っていた。

 今は、体の調子を戻そうと、体を動かしている。

 ニアは、本物の猫ように、身軽であり、木を難なく登ることが出来ていた。

 どうやら、別れは、近いのかもしれない。

 体を動かし後は、昼食を食べるため、ニアを呼び、ニアと一緒に、家の中に入った。

 昼食を作っていると、足りないものがあると気付き、取りに行こうとすると、ニアが取ってくると言い、家から出て、倉庫に向かった。

 ニアのことを待ちながら、昼食を作っていると、ニアの悲鳴が聞こえた。

 俺は、火を止め、直ぐに、家から出て、悲鳴が聞こえた方に向かった。

 そこに着くと、ニアは、黒いフードを着た見知らぬ狼の獣人に、短剣を向けられていた。

 「おい、お前、俺の同居人に、何してる?」と、聞いた。

 狼の獣人は、俺の方を向き、「うん?何だ、同居人がいたのか。俺は、この役立たずを殺しに来たんだ」と、答えて来た。

 ニアは、「 に、逃げて、ヒツヤ。ヒツヤには、死んで欲しくない」

 狼の獣人は、「随分と、あの男のことを好きらしいな。でもな、お前は、忌子ということは、忘れるなよ」

 その言葉を聞き、ニアは、顔を真っ青にした。

 「いいか、お前、こいつは、忌子なんだよ。獣人の中では、黒色の容姿で、産まれたものは、全て忌子なんだ」と言いながら、狼の獣人は、ニヤリと笑っていた。

 ニアは、顔を下に下げ、体を震わせていた。

 「それが、どうした?」と、聞いた。

 その問いに、狼の獣人は、驚いた表情を浮かべ、ニアは、顔を上げ、信じられない表情を浮かべていた。

 狼の獣人は、「そ、それが、どうした?どうもこうも、こいつは、忌子なんだぞ」

 俺は、「だから、それがどうした?獣人の中では、そうかもしれないが、俺は、人間だ。もし、ニアが、獣人の中で、忌子だったとしても俺には、関係ないことだ」

 ニアは、その言葉を聞き、両手を口元で抑え、目には、涙を溜めていた。

 狼の獣人は、「だ、だが、こいつは、暗殺者だ。人殺しだぞ。人を殺して来た奴が、日が当たる場所に行けかよ」

 俺は、「それもどうかしたか?こんな山奥に住んでいると、偶に盗賊が来るんだ。俺は、自分が生きるために、その盗賊を殺している。それは、生きるために殺しているんだ」

 俺は、続けて、「生きるために殺している俺達に違いなんてないぞ。それに、この世界は、弱肉強食だ」

 「そうか。本当は、こいつだけを普通に殺すつもりだったが。お前を殺して、こいつに絶望を与えよう」と言い、狼の獣人は、俺の前から、消えた。

 俺が気付いた時には、俺の目の前まで来ていた。

 ニアの悲鳴が聞こえた。

 だが、短刀が俺の体に刺さることは、無かった。

 なんなら、短剣の刃が折れた。

 俺は、スキルで体を鋼鉄にしていたのだ。

 俺は、唖然としている狼の獣人の右腕を掴み、スキルで握力を上げ、握り潰した。

 狼の獣人は、声にならない悲鳴を上げ、折れた短刀を右手から離した。

 俺は、地面に落ちる前に、短刀を左手で取り、狼の獣人の首に当て、引き裂いた。

 狼の獣人の首は、切られたというよりは、引き千切られていた。

 首が引き千切られた狼の獣人は、動かなくなった。

 俺が、握り潰した右腕から、手を離すと、狼の獣人の体は、地面に音を立てて倒れた。

 「ヒ、ヒツヤ、な、何者なの?」と、ニアが、耳を寝かせ、尻尾を先端を隠して、聞いて来た。


 

 

 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~

いとうヒンジ
ファンタジー
 ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。  理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。  パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。  友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。  その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。  カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。  キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。  最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。

処理中です...