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第二十六話 脱走
しおりを挟む父親との再会とセレリア達の紹介は、何事も無く終わった。
父上は、帰るときに、映像通信することが出来る魔法具を置いていった。
父上が、帰ってから、3日が経った時に、突然、その魔法具が、鳴った。
私は、魔法具を取った。
父上が、頭を抱えながら、「まずいことになった、ニース」
「何があったのですか?父上」と、聞いた。
「王宮の貴族牢に入れていた彼奴が、脱走した」と、父上が、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、答えてきた。
「脱走ですか?見張りの者達は、何をしていたのですか?」と、驚きながら、聞いた。
「見張りの者達に、不備は無い。監視用の魔法具もつけていた。だが、脱走したのだ」と、父上が、答えてきた。
「何故ですか?」と、聞いた。
「それは、分からない。分かることは、人為的なものでは無く、人では無い何が、何かをしたとしか言えない」と、父上が、答えてきた。
父上は、続けて、「最後の映像では、黒い何かが、彼奴の体を掴み、そのまま消えた。まるで、神隠しだった」
私は、「分かりました、父上。取り敢えず、私を殺した罪で、元弟を指名手配しましょう。そして、行方を捜索しましょう」
父上は、頷いて、「そうだな。ニースは、このことを自分の恋人達に伝えてくれ」
私は、「分かりました、父上」
「うむ」と、父上が言うと、映像通信は、途切れた。
私は、このことセレリア達に伝えた。
元弟が、脱走したので、注意して欲しいと付け加えて。
セレリアとサリラは、普通だったが、リタは、少し怖がっていた。
「大丈夫か?リタ?」と、聞いた。
「は、はい、大丈夫です。ニースさんが、守ってくれますから」と言い、リタは、微笑んだ。
一応、護衛の数を増やしておくか。
「少し良いかしら?ニース」と、サリラが、聞いてきた。
「大丈夫だ、サリラ」と、答えた。
サリラは、「ありがとう、ニース。黒い何が掴んで、消えたと言っていたでしょ。私、ある程度の正体分かるかも知れないわ」
私は、「それは、本当か。サリラ」
サリラは、「ええ、本当よ。攫った犯人は、闇魔法の使い手よ。そして、使った魔法は、ダークハンド。闇で、何かを掴んで、自分の元に戻すことが出来るわ」
闇魔法だと。
闇魔法は、光魔法が、反転した者では無いと使うことが出来ない魔法の属性だ。
なので、普通の人間では、使うことが出来ない。
だから、人間では無い。
ちなみに、サリラは、闇魔法を使うことが出来る。
天使から、反転して、堕天使になったからな。
私は、映像通信が出来る魔法具を起動させ、このことを父上に伝えた。
父上は、「情報提供感謝する。ニース、サリラ嬢に、後で、礼を言っておいてくれ」
私は、頭を下げ、「父上、後は、宜しくお願いします」
「任せておけ、ニース」と言い、父上は、魔法具を切った。
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