ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました

竹桜

文字の大きさ
14 / 61

第十四話 ドラゴン

しおりを挟む

 ダンジョンの外には先生達が待機していた。
 
 先生達にメスリーを預けた。

 メスリーが私に何かを言おうとしていたが、その声は轟音によって掻き消された。

 轟音がした方を向くと、ダンジョンから出てきていたのだ。

 赤い鱗のドラゴンが。

 おいおい嘘だろ。

 異常事態だと思っていたが、ドラゴンが出てくるとは。

 ドラゴンは顔を上に上げ、口元からは光が漏れていた。

 上を向いていたドラゴンは私達の方を向き、炎のブレスを吐いてきた。

 炎のブレスは確実に私達の方に迫ってくる。

 後ろにはメスリーがいる。

 最悪、先生達はどうでもいい。

 だが、メスリーは守りたい。

 それなりに話をした彼女を。

 私が見惚れた笑顔を浮べたメスリーを。

 だから戦う。

 私は両手をドラゴンの方に伸ばした。

 「ドラゴンファイヤー」

 すると、火がドラゴンの形をとった。

 火のドラゴンは火のブレスの正面からぶつかり合い、制したのだ。

 火のブレスは火のドラゴンによって破れ、火のドラゴンはドラゴンに向かって飛んでいったのだ。

 火のドラゴンはドラゴンの身を包んだが、ドラゴンは殆ど無傷だった。

 ダメージが無かったのか。

 ドラゴンは怒っていた。

 私は怒って周りが見えてないドラゴンの懐に潜り込み、鋳造の剣で攻撃したが、赤い鱗に負け、真っ二つに折れたのだ。

 私は一旦距離を取り、真っ二つになった剣を地面に捨てた。

 やっぱり駄目か。

 なら、あの剣を出すか。

 私は魔法袋からある剣を取り出した。

 その剣は真っ白な尖ったものだった。

 そう、ドラゴンの骨で作った骨の剣だ。

 私が持っている中で最強の武器で切り札だ。

 私は構えた。

 ドラゴンは怒りに身を任せ、尻尾を振り上げ、勢いよく振り下ろしてきた。

 私は尻尾が私に振り下ろされるよりも前に骨の剣で尻尾を切り落とした。

 切り落とされた尻尾は砂埃を上げて地面に落ちた。

 ドラゴンは痛がり、私から距離を取った。

 距離を取ったドラゴンは私に警戒するような視線を向けてきた。

 暫く膠着している状態が続いたが、ドラゴンが先に動き出した。
 
 ブレスが駄目だと理解しているドラゴンは自身の体格を活かし、突撃してきた。

 またそれか。

 なら、真正面から受けて立つ。

 私は骨の剣の血を払い、前に構えた。

 ドラゴンは確実に私に近付き、私を射程距離内に収めた。

 そのままドラゴンは両手の爪で攻撃してきたが、その攻撃を避けた。

 仕返しとして、攻撃してきた両手を切り飛ばした。

 ドラゴンはあまりの痛みで、後ろに仰け反ってしまい、大きな隙を生んでしまった。

 私はその隙を見逃す筈も無く、ドラゴンの懐に潜り込んだ。

 骨の剣を右下に構え、上に向かって振り上げた。

 ドラゴンな骨の剣はドラゴンの体をいとも容易と斬り裂いた。

 真っ二つに。

 真っ二つに斬り裂かれたドラゴンの目には光が宿っておらず、そのまま大量の血を地面に撒き散らしながら、力無く地面に真っ二つの状態で倒れた。

 骨の剣から血を払い、魔法袋の中にしまった。

 あの時よりもそこまで苦戦しなかったな。

 やっぱり、経験がものを言うのか。

 私の兄弟も私と同じように経験を積んでいるだろう。

 そう言えば、さっきから何も音が聞こえないな。

 そんなことを思いながら、周りを見渡してみると、唖然とした表情を浮べ、私の方を向いていた。

 それはメスリーもだった。

 な、何なんだ?

 そ、そうか、ドラゴンを倒せるのはごく一部の人だけだから、唖然とした表情で見られているのか。

 ハァ、この後、色々と面倒くさいことになりそうだな。

 少し憂鬱に思いながら、空を見上げた。
 
 空は雲一つも無く、晴れ晴れした空が広がっていた。

 

 

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

処理中です...