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第二十九話 もう1人の転生者
しおりを挟む主人公なんだが、多分私と同じ転生者だと思う。
前世の物をこの世界の材料で作り上げ、売り捌いて荒稼ぎをしている。
私もやろうとすれば出来るが、他の誰かが必死に努力して、作り上げた物を売ることは出来ない。
それが例え異世界だとしても。
それに主人公はゲームをやり込んでいないと手に入れることが出来ないようなアイテムや魔法具を所持している。
それとゲームの中の性格が一致してない。
決定的になったのは主人公が私に接触をしてきたのだ。
その時に問われたのが、転生者かだった。
私はバレると面倒くさいことになると思い、転生者とは聞き返した。
その答えで主人公は悟り、何でもないと返し、何処かに行ってしまった。
良かった、根掘り葉掘り聞かれなくて。
色々とあって疲れたな。
留学先で黒い何かを倒し、帝国を元に戻したり、領地を開発したり、転生者らしい主人公のことを調べてたり。
癒やしが欲しいな。
明日までの我慢だな。
明日は久し振りにゆっくりメスリーと過ごせる日だ。
昼前にナスーリ子爵家に行って、夕方までナスーリ子爵にいることが出来る。
約6時間ぐらいは一緒に入れられる。
その日は直ぐに寝つけなかった。
次の日になったら、朝に鍛錬だけをし、その後は身支度を整えた。
昼前になったら、馬車に乗り込み、ナスーリ子爵家の屋敷に向かった。
ナスーリ子爵家の屋敷に到着すると、メスリーが出迎えてくれた。
私はメスリーに案内され、庭の東屋に通された。
私とメスリーが席に座ると、使用人が紅茶と茶菓子を持ってきてくれた。
私とメスリーは紅茶を飲みながら、会話を始めた。
楽しく話していると、メスリーが何かを思い出したように表情を浮べた。
「そう言えば、レークとゆっくり過ごすのは久し振りだね」
「確かに。最近は色々とあったからな」
メスリーは優しく微笑んだ。
「色々とお疲れ様、レーク」
「ありがとう、メスリー」
「ううん、僕に出来るのはこれぐらいのことだから」
「あ、いつかでいいから、レークの領地に行ってみたいな」
「私も招待したいのだが、ナスーリ子爵が許すかどうかだ」
「泊まりだとお父様は許さないと思うけど、日帰りなら多分大丈夫だよ。後で、ううん、今お父様に聞いてくるよ」
メスリーは立ち上がり、屋敷の方に向かって歩き始めた。
10分ぐらいすると、嬉しそうな表情を浮べたメスリーが帰ってきた。
その表情のまま、メスリーは席に座った。
「お父様に聞いたら、日帰りなら大丈夫だって。長期休暇中にレークの領地にいくね。今から楽しみだよ」
メスリーは本当に嬉しそうに笑顔を浮べた。
私が自分の屋敷に帰るまでメスリーは上機嫌だった。
上機嫌なメスリーも可愛い。
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