ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました

竹桜

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第三十六話 ドラゴンの肉

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 その日、メスリーは私の屋敷に泊まり、朝に帰っていった。

 2日後に、セーリを連れて挨拶に来て欲しい旨が書かれた手紙が届いた。

 どうやら、メスリーがセーリのことを話したみたいだ。

 いずれナスーリ子爵にも話そうと思っていたから、挨拶に行くか。

 その手紙には日にちが書いてあったので、1週間後に挨拶に行くことを手紙に書き込み、代官にナスーリ子爵家に届けるように指示を出した。

 折角だから、お土産を持っていこう。

 その前にこのことをセーリに伝えておくか。

 執務室を出て、セーリの元に向かった。

 セーリを探して歩いていると、セーリが庭師に教わりながら、庭で花を手入れしているのを見つけた。

 私はセーリに近付き、先程のことを話した。

 セーリは少し悩んだが、最後には納得してくれた。

 良かった。

 セーリと別れ、お土産を準備することにした。

 お土産の1つは決まっているから、もう1つぐらいで良いだろう。

 木工細工なんか良さそうだ。

 最近は受注生産が上手くいって、大きな利益を出している。

 私は工房に向かい、ナスーリ子爵が好きそうな木工細工を注文した。

 1週間が経ち、今はナスーリ子爵家の領地に向かっている。

 お土産の木工細工も無事に完成して良かった。

 馬車の中ではセーリと楽しく会話を交わした。

 夕方ぐらいにナスーリ子爵家の屋敷に到着した。

 玄関にはメスリーとナスーリ子爵が待っていた。

 私はセーリをエスコートしながら、馬車を降りた。

 「初めまして、私はメスリーの父親のナスーリ子爵だ。よろしく頼む」

 ナスーリ子爵はセーリの方に手を差し出した。

 セーリは少し怖がりながらもナスーリ子爵の手を握った。

 「さて、客人をこんなところで待たせるのは駄目だな。中に入ってくれ」

 私はセーリと一緒にナスーリ子爵家の屋敷に入り、応接室に案内された。

 案内されて少し経つと、メスリーが部屋にやって来た。

 私はお土産を渡しにいくと言い、メスリーにセーリを任せ、応接室を出た。

 最初に向かったのは、メスリー子爵の元だ。

 メスリー子爵にお土産を渡すためだ。

 お土産として持ってきた木工細工はとても喜んでくれた。

 メスリー子爵に会った後はキッチンに向った。

 「こ、これはいい肉ですね」

 「ああ、相当いい肉だ。期待してるよ、料理長」

 「ええ、腕によりをかけます」

 その後は応接室に戻り、夕食まで会話を楽しんだ。
 
 夕食の時間になり、食堂に移動した。

 最初の方はセーリは緊張していたが、夕食が進む頃につれてその緊張も解けていった。

 メスリーの父親だというのもあるだろう。

 夕食は何事も無く進み、メインの肉料理が出てきた。

 私がお土産で持ってきた肉だ。

 メスリーとセーリとナスーリ子爵はあまりの美味しさに驚いていた。

 デザートを食べ終えた後に、ナスーリ子爵は料理長を呼び出して、肉の出処を聞いていた。

 料理長は私がお土産で持ってきたと答えた。

 「レーク君。この肉は何の肉は何なんだ?」

 「ドラゴンの肉ですよ」

 それを聞いたメスリーとセーリとナスーリ子爵は驚きのあまり固まってしまい、料理長は泡を吹いて気絶してしまった。

 1番最初に解けたのはメスリーだった。

 「レ、レーク。ドラゴンの肉?そ、そんな肉何処で手に入れたの?」

 「王立学園のダンジョンの異常事態時のだよ。殆どは王家に寄付したけど、少しの肉とある部分の素材は残しておいたんだ」

 「そ、そうなんだ」

 そう言い、メスリーは少し呆れ顔を浮べていた。

 その後は色々と大変だった。

 セーリとナスーリ子爵に説明や料理長の介護などで。
 
 な、何でこんな大騒ぎになっているんだ?

 私は知らなかった。

 ドラゴンの肉は高位貴族でも一生に1度くらいしか食べれない高級品だということを。
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