36 / 61
第三十六話 ドラゴンの肉
しおりを挟むその日、メスリーは私の屋敷に泊まり、朝に帰っていった。
2日後に、セーリを連れて挨拶に来て欲しい旨が書かれた手紙が届いた。
どうやら、メスリーがセーリのことを話したみたいだ。
いずれナスーリ子爵にも話そうと思っていたから、挨拶に行くか。
その手紙には日にちが書いてあったので、1週間後に挨拶に行くことを手紙に書き込み、代官にナスーリ子爵家に届けるように指示を出した。
折角だから、お土産を持っていこう。
その前にこのことをセーリに伝えておくか。
執務室を出て、セーリの元に向かった。
セーリを探して歩いていると、セーリが庭師に教わりながら、庭で花を手入れしているのを見つけた。
私はセーリに近付き、先程のことを話した。
セーリは少し悩んだが、最後には納得してくれた。
良かった。
セーリと別れ、お土産を準備することにした。
お土産の1つは決まっているから、もう1つぐらいで良いだろう。
木工細工なんか良さそうだ。
最近は受注生産が上手くいって、大きな利益を出している。
私は工房に向かい、ナスーリ子爵が好きそうな木工細工を注文した。
1週間が経ち、今はナスーリ子爵家の領地に向かっている。
お土産の木工細工も無事に完成して良かった。
馬車の中ではセーリと楽しく会話を交わした。
夕方ぐらいにナスーリ子爵家の屋敷に到着した。
玄関にはメスリーとナスーリ子爵が待っていた。
私はセーリをエスコートしながら、馬車を降りた。
「初めまして、私はメスリーの父親のナスーリ子爵だ。よろしく頼む」
ナスーリ子爵はセーリの方に手を差し出した。
セーリは少し怖がりながらもナスーリ子爵の手を握った。
「さて、客人をこんなところで待たせるのは駄目だな。中に入ってくれ」
私はセーリと一緒にナスーリ子爵家の屋敷に入り、応接室に案内された。
案内されて少し経つと、メスリーが部屋にやって来た。
私はお土産を渡しにいくと言い、メスリーにセーリを任せ、応接室を出た。
最初に向かったのは、メスリー子爵の元だ。
メスリー子爵にお土産を渡すためだ。
お土産として持ってきた木工細工はとても喜んでくれた。
メスリー子爵に会った後はキッチンに向った。
「こ、これはいい肉ですね」
「ああ、相当いい肉だ。期待してるよ、料理長」
「ええ、腕によりをかけます」
その後は応接室に戻り、夕食まで会話を楽しんだ。
夕食の時間になり、食堂に移動した。
最初の方はセーリは緊張していたが、夕食が進む頃につれてその緊張も解けていった。
メスリーの父親だというのもあるだろう。
夕食は何事も無く進み、メインの肉料理が出てきた。
私がお土産で持ってきた肉だ。
メスリーとセーリとナスーリ子爵はあまりの美味しさに驚いていた。
デザートを食べ終えた後に、ナスーリ子爵は料理長を呼び出して、肉の出処を聞いていた。
料理長は私がお土産で持ってきたと答えた。
「レーク君。この肉は何の肉は何なんだ?」
「ドラゴンの肉ですよ」
それを聞いたメスリーとセーリとナスーリ子爵は驚きのあまり固まってしまい、料理長は泡を吹いて気絶してしまった。
1番最初に解けたのはメスリーだった。
「レ、レーク。ドラゴンの肉?そ、そんな肉何処で手に入れたの?」
「王立学園のダンジョンの異常事態時のだよ。殆どは王家に寄付したけど、少しの肉とある部分の素材は残しておいたんだ」
「そ、そうなんだ」
そう言い、メスリーは少し呆れ顔を浮べていた。
その後は色々と大変だった。
セーリとナスーリ子爵に説明や料理長の介護などで。
な、何でこんな大騒ぎになっているんだ?
私は知らなかった。
ドラゴンの肉は高位貴族でも一生に1度くらいしか食べれない高級品だということを。
59
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!
雪奈 水無月
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。
ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。
観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中…
ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。
それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。
帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく…
さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる