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第十七話 私は
しおりを挟む[ノラ視点]
私はクルスさんと一緒に王都近くの遺跡までやってきている。
見たことがないような遺跡。
何処の時代にも合わない。
それに、あの石像は。
そんなことを思っていると私は木の根っこに躓いてしまい、転んでしまう。
地面に倒れる前にクルスさんが私のことを支えてくれる。
「あ、ありがとうございます、クルスさん」
「この辺は木の根っこが多いから、気をつけてくれ」
「は、はい」
その後、私達は遺跡の中に入り、調査を開始したが特に何も見つから無い。
調査を続けていると大きな広間を発見する。
その大きな広間を冒険者の人達が先に安全確認をしてくれた。
安全確認の結果、何も無かったが、中に魔法具的な何かがあったので、私とお父様が一緒にその大きな広間に入る。
私が入るのと同時に扉が閉まったのだ。
いきなり閉まった扉の方に視線と意識を向けた時に私は手足を拘束される。
「お、お父様。な、何を?」
お父様は質問には答えず、私を大きな広間の真ん中に投げ飛ばしたのだ。
そこで気が付く。
この大きな広間は何かしらの儀式の場所だと。
そして、周りに置かれている儀式の道具らしい物は全て禍々しかった。
まるで、悪魔を召喚する用なもの。
「やっとだ。やっと、お前を生贄にして、悪魔様を呼び出される」
お父様は狂ったように笑いながら、服に隠していた何かを取り出したのだ。
取り出したものは悪魔教の逆十字架。
私は驚きのあまり固まってしまう。
その時、固まった私はお母様の死んだ時のことを思い出す。
そういえば、お母様が死んだ時、不審なことが多かった。
小さい頃には気がつかなったけど、まるで内部の者が殺したかのような惨状。
そこで私は1つの答えに辿り着いてしまう。
「お、お母様があの時死んだのは?」
「ああ、そうだ。お前の母親を殺したのは俺だ」
意図せず、私は目からは涙が流れてしまう。
今まで幸せだと思っていた生活は全て偽物であったことに絶望し。
「そうだ、その表情だ。悪魔様は絶望の表情が大好きだ。もっとその表情を浮かべてくれ」
そう言いながら、父親だった人は私が少し前に誕生日プレゼントと渡したネクタイピンを地面に投げ捨て、足で踏んで壊す。
心の何処かで情があると思っていたけど、無慈悲にもそんなものは無かった。
「う、嘘つき、嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき…………嘘つき」
「なんとでも言え。今から生贄として死ぬ奴の言葉なんて風のように軽いからな。それよりも早く悪魔様に会える興奮の方が勝っている。だから、とっとと生贄になって死んでくれ」
父親だった人は醜い笑顔を浮かべていたのだ。
手足を縛られている私には何も出来ない。
分かってる。
お母様が死んでから私は天涯孤独の身になったことを。
血の繋がりがない父親だった人は私のことを悪魔を呼び出す生贄にしか見てなかったことを。
そんな私でも思ってしまうの。
あの時、あの中級悪魔から助けてくれたあの人なら助けてくるかもって。
だから願ってしまう。
固く閉ざされた扉の先にいるあの人に。
助けて、クルスさん。
その時、大きな音が立てて、扉が吹き飛んだのだ。
吹き飛んだ扉は私と父親だった人の真ん中には大きな音を立てて落ちてくる。
自然と私達の視線は扉が無くなった入口の方に向けられる。
固く閉ざされていた扉が無くなった入口には見覚えがある斧を右手に握ったクルスさんが立っていたのだ。
ああ、私の願いは通じたんだ。
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