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第十六話 優勝賞品
しおりを挟む決勝戦を終えた後、3位決定戦が、行われた。
順位が全て決まり、表彰に移った。
表彰台の上に、3人の生徒達が、並んだ。
3位の表彰台の上には、あの男子生徒が、2位の表彰台の上には、この国の騎士団の団長の息子が並んだ。
1位は、もちろん、緋月だ。
3位から、学園長に呼ばれ、表彰される。
3位までに入ると、王立学園が用意した特別な景品を貰うことが出来る。
まぁ、参加者達には、参加したとして、何かしら貰えるけど。
あの男子生徒は、それなりの額の魔法具と表彰状を貰ていた。
次は、2位が呼ばれた。
2位は、結構な額の魔法具と表彰状を貰えていた。
最後に、1位が呼ばれた。
緋月が。
緋月は、表彰状と表彰楯が、貰えていた。
そして、優勝商品は、高額の魔法具を3種類の中から、選べるようだ。
緋月は、3種類の魔法具の説明を聞くと、迷っていた。
何故か、後ろを振り返り、キョロキョロしていた。
何だろうと思っていると、緋月と目があった。
緋月は、前に向き直し、学園長と何かを話していた。
話し終えると、学園長は、近くの先生に何かの指示を出していた。
指示を出された先生は、急ぎ足で、何処かに行き、帰ってきたときに、何かを持っていた。
その何かを緋月に渡した。
緋月は、それを手に持ったまま、後ろ、いや、僕の方を向いた。
「主様。今から、優勝商品の魔法具を説明するので、どれがいいか決めて下さい。私では、決められなかったので」と、緋月の凛々しい声が、決闘場内に響いた。
その言葉を聞き、決闘場内は、ザワザワし出した。
それはそうだろう。
圧倒的な勝利を果たした美少女が、主様と言っているからな。
周りの声に耳を傾けると、皆、主様と呼ばれている生徒を探していた。
緋月は、そんな状況を特に気にせず、魔法具の説明をしていた。
魔法具の説明が、終わると、「主様、説明は、終わりました。主様は、何番目の魔法具がいいですか?」と、緋月が、聞いてきた。
僕は、周りにバレないように、手元で小さく、指で、2と、答えた。
周りには、見えていなかったが、緋月には、見えたらしい。
「分かりました。2番ですね」と言い、緋月は、後ろを振り向き、学園長に、何かを伝えていた。
それを伝え終わった後、緋月は、何故か、もう一度、僕の方を向いた。
「あ、主様、あ、後でいいので褒めて下さい。結構、頑張ったので」と言いながら、緋月は、少し顔を赤くして、モジモジしていた。
なんて、可愛いんだ。
こんな可愛い緋月は、褒めないとな。
僕は、周りにバレないように、手元で、指で、丸を作り、答えた。
すると、緋月は、嬉しそうな表情を浮かべた。
「ありがとうございます、主様」と言い、緋月は、僕だけを見て、微笑んだ。
その微笑みは、破壊力抜群で、僕の周りの人達の殆どが、見惚れていた。
僕もその内の1人だった。
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