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第十五話 剣闘大会

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 今日は、剣闘大会の日だ。

 この日は、貴族、平民、関係無く、集まる日だ。

 場所は、王立学園内にある決闘場だ。

 去年は、Fクラスだったので、会場の中に入れなかった。

 今は、Aクラスだから、会場の中に入れる。

 まぁ、Fクラスだったとしても今回は、中に入れるだろうな。

 今回は、緋月が出るんだ。

 本当は、エントリーして、選考を抜けたら、参加出来るが、緋月は、強制的に出ることになってしまった。

 どうやら、決闘の後に、先生達で、会議を行ったらしい。

 会議の結果、緋月を剣闘大会に強制参加させて、実力を図ることになった。

 このことは、最初に僕に伝えられ、緋月を説得することになった。

 なので、緋月に、剣闘大会に強制参加だよと伝えると、緋月は、分かりましたと返事をしてくれた。

 剣闘大会は、選手の紹介から始まった。

 出場者は、貴族の方が多かった。

 数少ない平民の中で、一際目立っていたのは、緋月だった。

 緋月は、制服では無く、いつもの服を着ていて、腰には、木刀を携えていた。

 そして、額から2本の角を生やしていた。

 貴族側の観客席は、ざわざわしていた。

美少女の鬼人がいることに。

 選手の紹介を終えると、試合が始まった。

 試合の組み合わせは、平等にくじで決まる。

 ちなみに、出場者は、32人なので、1回も負けずに、5勝すれば、優勝出来る。

 そんなことを考えていると、緋月の番になった。

 緋月が、決闘場の中に入ると、歓声が上がった。

 結構、人気だな。
 
 まぁ、緋月は、可愛いし。

 相手の選手も入場して、試合が始まった。

 試合は、一撃で終わった。

 決闘場は、静寂に包まれた。

 相手の選手が、地面に倒れる音がよく聞こえた。

 その音で、審判の先生が、我に返り、「し、勝者、緋月」と、判定を下した。

 その声で、決闘場にいる人達は、歓声を上げた。

 やっぱり、緋月は、強いな。

 それから、2回戦、3回戦と、一撃で、倒して、勝ち上がった。

 次が、4回戦の準決勝だ。

 相手は、誰かな?

 相手を確認しようとしたが、最初に入場して来たのは、緋月だった。

 緋月が、入場すると、決闘場にいた人達は、大きな歓声を上げた。

 3回連続、一撃で決めれば、そうなるか。

 その歓声の中、相手選手が、入場して来た。

 その相手選手は、緋月に決闘を申し込んで、一撃で、やられた男子生徒だった。

 その男子生徒は、修行したから勝てると言っていたが、緋月に、一撃で決められていた。

 準決勝も勝利に終わり、決勝戦に進んだ。

 決闘戦の相手は、どうやら、この国の騎士団の息子らしい。

 周りの声に耳を傾けると、ある程度の情報が入ってきた。

 どうやら、天賦が、聖騎士で、剣術のスキルが、4あるらしい。

 強いが、相手が悪いとしか言えない。

 緋月は、刀術、短刀術、それぞれ、5ずつある。

 だから、緋月には、勝てないだろう。

 そんなことを考えていると、決勝戦が、始まった。

 結果は、僕が、予想通りだった。

 緋月は、一撃で、決めた。

 緋月は、この王立学園が、始まって以来の偉業を成し遂げた。

 平民の女の子として、初めて優勝したのもそうだが、全て一撃で倒したことが。

 
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