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第四十三話 落ち込んだフリージア
しおりを挟む元クラスメイト達と白羽族達が、魔王に圧倒敗北した翌日に僕達は、街に出掛けていた。
と、言っても僕は、1人で行動している。3人は、行きつけのケーキ屋で、限定ケーキが、売られてるので、それを買いに行っている。
僕は、取り引き場に向かって、街の中を歩いていた。
街の中の雰囲気は、暗いものになっていた。
それもそうだろう、希望だった者達が、負けて、全ての国は、姫を1人ずつ差し出さなければいけないからだ。ちなみに、この国は、良い政治をしていて、国民から愛されている。
そんなことを考えていると、取り引き場に着いた。
取り引き場の中に入ると、いつもよりハンターが少なかった。
僕は、あまり気にせず、受付に行き、魔物の素材を換金した。
僕は、用事が済み、建物から出ようとしたら、「おい、熊狩り待ってくれ」と、後ろから、男の声で、言ってきた。
ちなみに、熊狩りというのは、僕が、熊の魔物の素材をよく持ってくるから、そのようなあだ名がついた。今日も熊の魔物の素材を持ってきた。
「どうしたんですか?」と、聞いた。
「熊狩りは、魔王を倒せるか?」と、ハンターの男が、聞き返して来た。
「倒せるわけ無いじゃないですか。私は、それなりに強いだけのハンターですから」と、答えた。
ハンターの男は、「そ、そうだよな。すまん、変なことを聞いてしまって」
「気にしないで下さい。皆、不安ですから」と言い、僕は、取り引き場を出た。
僕は、寄り道をせずに、家に帰った。
家に帰ると、明らかに落ち込んでいるフリージアと、必死に励ましてるクレアとテレシアが居た。
「ど、どうしたの?」と、聞いた。
「あ、雄介さん。実は、限定ケーキが、販売が、無くなってしまったです。魔王の所為で、材料が、届かなくて。その、フリージアちゃんは、凄く限定ケーキを楽しみにしていたんです」と、クレアが、答えてくれた。
「フリージアさん、落ち込まないで下さい。城に帰ってから、私が、ケーキを作ってあげますから」と、テレシアが、フリージアに声を掛けていた。
フリージアは、「うん、ありがと」
「じゃあ、私達は、ケーキの材料を買って来ますね。フリージアさんのことをお願いします」と、テレシアが、言ってきた。
「雄介さん、フリージアちゃんのこと、お願いします」と、クレアも言ってきた。
2人は、そう言い残し、ケーキの材料を買いに行ってしまった。
「フリージア、確かに、限定ケーキが、買えなかったのは、残念だけど、テレシアとクレアと一緒に作るケーキも美味しいよ」と、励ました。
フリージアは、「うん、テレシアが、作る、ケーキは、美味しい。だから、テレシアの、ケーキを、食べて、落ち込む、のは、失礼。限定、ケーキは、残念、だけど、気持ちを、切り替える」
「偉いよ、フリージア」と言い、フリージアの頭を撫でた。
撫でられたフリージアは、嬉しそうな表情を浮かべていた。
僕は、テレシアとクレアが、帰って来るまで、フリージアの頭を撫で続けた。
帰ってきたテレシアとクレアにも、頭を撫でるように言われた。
僕は、そんなことを断ることは無く、クレアとテレシアの頭を撫でた。
撫でられたクレアとテレシアは、嬉しそうな表情を浮かべた。
3人は、ケーキを作る為に、城に戻っていた。
僕は、3人に街でやる事があると言い、一旦別れた。
一応、3人には、1時間後に合流すると言ってある。
3人が、居なくなった家の中で、僕は、装着と自在の影のスキルを使い、鎧を着て、剣と鞘を作り出した。
魔王、お前は、フリージアのことを落ち込ませた。それだけで、お前を殺す理由になる。それが、ケーキが、売られてなかっただけだとしても。
それと、テレシアに不安にさせた事も含まれている。テレシアの妹さんも守ることにも繋がるしな。
後は、白色の者よりも黒色の者が、強いことを示し、この世界の狂った色差別を消すことが出来る。それを進みることで、フリージアとフレンさんが、姉妹に戻ることが可能になる。
僕は、影移動のスキルを使い、ある場所に移動した。
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