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第八話 しおり
しおりを挟むヴェンドが転校してから2週後に期末試験があった。
結果を先に言ってしまおう。
最下層のクラスがトップ3を独占したのだ。
俺が1位で、有坂が2位、ヴェンドが3位だ。
ちなみに、4位との差は何と100点以上も離れていた。
結果を見終わり、今は教室で昼食を食べている。
全員が持参した弁当を。
あ、そうそう。
俺達は余程のことがないとこの教室から出ない。
外に出ても下に見られるだけだからな。
全員が食べ終え、今は有坂とヴェンドが話している。
すると、担任の先生が入ってきたのだ。
どうやら、ヴェンドに用があることだ。
提出した書類に関しての確認だった。
そこで俺はあることを思い出したのだ。
俺は鞄から3束の紙を取り出す。
「形にするのが遅くなってしまったが、完成した」
俺は1人1束を渡していく。
それはしおりだった。
しおりを受け取った3人は中身を確認したが、驚きの表情を浮かべていた。
キッチリとした予定が書かれていたからな。
「狼森君。も、もしかして私も一緒に泊まるのですか?」
「付き添いは必要ですから」
「確かにそうですね。なら、せめてお金を出させて下さい」
「これは私の我儘です。だから、先生がお金を出す必要はありません」
「で、ですが」
「先生、諦めるべき。狼森は頑固」
「有坂さんの言う通りです。狼森さんはけして曲げないですから」
「わ、分かりました」
先生が俺の方を向いてくる。
「狼森君。大人として協力出来ることがありましたら、何でも言って下さい」
俺は頷いて答える。
それからはいつものように学校を過ごしたのだ。
下校時間が近づいているので、今は片付けをしている。
先に片付けを終えた有坂が俺達に
「狼森、ヴェンド。今日、寄り道したい」
突然のことに驚いてしまう。
1年半ぐらい一緒だが、そんなことを言ってきたのは初めてだったからだ。
俺達は頷いて答えたが、行き場所は答えてくれなかった。
だから、有坂についていく。
電車に乗り、ある場所に到着したのだ。
なんと、そこは探索者御用達のショピングモールだった。
何の用なんだ?
まだ有坂についていくと到着したのだ。
武器屋に。
「ここに寄りたかったのか?」
「ん。武器の練習がしたい」
武器の練習?
今までそんなことは無かった筈だが。
疑問を抱きながらも有坂は武器を吟味していく。
その時の有坂は真剣そのものだった。
有坂が選んだのはナイフ。
小柄だからこそだな。
ちなみに、ヴェンドはただ有坂のことをみていた。
どうやら、武器には興味がないようだ。
帰り際に通ってしまう。
行きつけの場所を。
運が悪いことに店主が俺に気がつく。
「あれ?兄ちゃんじゃねか」
有坂達の姿を見て、ニヤリと愉快そうに笑う。
「まさか、女連れとは。兄ちゃんも隅には置けないな」
「2人とはそんな関係ではない」
「またまた」
俺は内心でため息をつきながら、この場を後にする。
「随分仲が良さそう」
「常連さんなんですか?」
「まぁな。毎週のように通っている」
その後、俺達は駅で解散したのだ。
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