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第三十二話 ミレイネとのデート
しおりを挟む2人と同様にミレイネとは、屋敷では無く、噴水広場で待ち合わせることにした。
僕は、約束の15分前には、噴水広場に着き、ミレイネを待っていた。
5分ぐらいが経つと、後ろから声を掛けられた。
声を掛けられた僕は、後ろを振り返った。振り返った先には、真っ白で、後ろの腰ら辺に大きめなリボンが付いているワンピースを着たミレイネが居た。
「ど、どうですか?に、似合っていますか?」と、ミレイネは、少し照れながら、聞いてきた。
「うん、とっても似合っているよ」と、答えた。
「そ、それなら、良かったです」と言い、ミレイネは、微笑んだ。
「じゃあ、行こうか」と言い、僕は、ミレイネの方に手を伸ばした。
「はい、行きましょう」と言い、ミレイネは、僕が伸ばした手を取ってくれた。
僕達は、手を繋ぎながら、街の方に向かい、歩き始めた。
街に着いた僕達は、昼食や買い物などをした。
デートしている時のミレイネは、感動と嬉しさが混ざった表情を浮かべていた。
2人とのデート同様に楽しい時間というものは、直ぐに過ぎ、夕日になってしまった。
夕日を見ながら、ミレイネは、「レティさんや菜月さんが、心配するので、そろそろ帰りましょう」
夕日に照らされ、輝いている金髪をしているミレイネに見惚れながら、「最後に一つだけ寄って帰らない?」と、聞いた。
「はい、大丈夫ですよ」と、答えてくれた。
その返事を聞いた僕は、影移動を使い、ある場所に移動した。
着いた場所は、クラリス王国からかなり離れた距離にあり、近くには、美しい海があるところだ。そして、満月が僕達のことを照らしている。
「わぁー、凄く綺麗な場所ですね」と、ミレイネは、感想を漏らした。
僕は、「喜んでくれなら良かった。ここに来たのは、ミレイネに伝えたいことがあったからだよ」
「伝えたいことですか?」と、ミレイネは、首を傾げて、聞いてきた。
「ああ、絶対に伝えないといけないことだよ」と答え、僕は、ミレイネの前で、膝を着いた。
ミレイネは、僕が膝を着いたことに驚きの表情を浮かべた。
僕は、懐から小さい箱を取り出した。
ミレイネは、僕の手にある小さい箱を見ても、何が入っているのか分からないのか、不思議そうな表情を浮かべていた。
「ミレイネ、君と出会ったのは、偶然だった。だが、その偶然の出会いは、僕にも君にも幸運を運んできた。君は、優し過ぎるんだ。君は、8年間も苦しめられたのに、あの罪人達に恨み言一つも言わなかった。僕は、そんな優し過ぎる君が、好きです。だから、僕と結婚して下さい」と言い、小さい箱からアメジストが埋め込まれた指輪を取り出し、ミレイネの方に差し出した。
「わ、私が、恨み言を言わないのは、エドさんに出会えたからです。エドさんに出会ってから、私は、幸せというものを知りました。レティさんがいて、菜月さんがいて、エドさんが居てくれば、私は、それ以外何も要らないです。だから、私のことをもっと、いっぱい、幸せにして下さい」と言い、指輪を受け取り、2人と同じくらい美しい笑顔を浮かべた。
「ありがとう、ミレイネ」と言い、僕は、立ち上がり、ミレイネの美しい金髪を掻き分け、おでこにキスを落とした。
キスされたミレイネは、徐々に顔を赤くして、最後には、湯気が出そうなぐらいにまで赤くなった。
言葉にならない声で、何かを言った後に、キャパオーバーしたのか、気を失ってしまった。
僕は、ミレイネが、地面に倒れる前に、支えた。
顔の赤いまま気を失ってしまったミレイネをお姫様抱っこして、影移動を使い、屋敷に帰った。
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