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第十一話 帰還
しおりを挟むあれからサリーサと一緒にダンジョンに逃げたのは良かったけど、転移の魔法陣に巻き込まれた。
転移した場所には、クラスメイト達と委員長がいたのだ。
危機的状況そうだったので、装衣で全滅させた。
全滅させると、後方に待機していたサリーサが私に抱き着いてきた。
サリーサの頭を撫でていると、委員長が近づいてきた。
「正樹君。無事で良かったわ」
「何とか無事だった。まぁ、色々とあったよ」
サリーサは私から離れ、委員長の方を向いた。
「正樹さん。そちらの方とは、どのような関係なのですか?」
「それは、私達が聞きたいのだけど」
「確かにそうですね。私はサリーサと言います。正樹さんとは同じベッドで一緒に寝た仲です」
「へぇ、私達が心配している間に、そんなことをしていたのね」
サリーサも委員長も笑顔を浮かべていたが、目が笑ってなかった。
な、何だこの状況は?
私は助けを求め、クラスメイト達に視線を向けたが、嫉妬の視線が帰ってくるだけだった。
わ、私が、解決しないといけないのか?
「サ、サリーサ。委員長とは、ただの同級生で、クラスメイトだ。そして、委員長。サリーサと一緒のベッドで寝たのは、安全の為だ」
2人は、納得してなさそうな表情を浮かべていた。
「と、取り敢えず、ここから脱出しよう。危険だからな」
私の意見には誰もが賛成したので、ダンジョンを上に向かって進み始めた。
前衛は私で、クラスメイト達は周りを警戒して貰った。
サリーサは戦えないため、陣形の真ん中にいる。
大体2時間くらいで、ダンジョンから出ることが出来た。
直ぐに王宮に向かった。
王宮に到着すると、王女様のところに案内された。
王女様は、私が生きていたことを喜んでくれた。
それは、非戦闘員のクラスメイト達も同じだった。
再会を喜んでいると、サリーサのことを聞かれた。
「皆様、初めまして。私、滅んだ国の元第1王女のサリーサと言います。正樹さんには、色々と助けられました。そして、正樹さんとは同じベッドで一緒に寝た仲です」
うん?
何を言っているんだ?
「サ、サリーサ?今、そのことを言わなくても」
サリーサは、何も答えず、ニコリと笑っているだけだ。
視線を感じた。
特にクラスメイトの男子達から。
嫉妬の視線を。
その後、私は隣の大陸であったことを話した。
その話には、王女様もクラスメイト達も驚きの表情を浮かべていた。
話した後は、新しく解放された装衣を実際に見せた。
皆一様に驚いていたが、1番驚いたのは王女様だった。
王女様曰く、装衣が進化するのは本当に稀みたいだ。
まぁ、色々とあったが、帰還することが出来て良かった。
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