【ショートショート】ひとつまみ シュールにドアをノックして

ロボモフ

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フェイク・エース

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 出るところは出る。引っ込むところは引っ込んでいる。それが理想のライフスタイルだ。スタメンには確かに俺の名があったが、試合中の俺は家で眠っていた。それでいて、スタジアムで観戦する人々の目にははっきりと俺の勇姿が映っていたことだろう。俺はテクノロジーが生んだまったく新しいフットボーラーだ。
 夢の中で俺はハットトリックを決めたが、現実もその通りに進んでいる。表彰式が始まる頃、俺の体はスタジアムに飛んだ。
(もらうものはもらうぞ)

「MVPは10番の……」
 大観衆が賞賛を込めて俺の名を呼ぶ。
「いやー、大活躍でしたね」
「いいえ。俺は何もしていませんよ」
 みんな仲間のおかげだった。
「素晴らしいゴールでした!」
「ありがとうございます」
 俺は触ってもいない。
 優勝カップにキスをして、俺はサポーター席に向けて駆け出した。
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