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物語の結末は
それから
しおりを挟むユシエルの熱烈なアプローチから始まったこの恋物語は
彼の欲しがっていた着地点に落ち着いた。
もう俺が逃げる意思がないとわかってから、外に時々連れ出してもらえることも増えた。
そしてまだ体質が変化していないうちに、人間界の家族や友人に事情を話しに行ったりしてあの出会いからあっという間に一年がたった。
そして医者が言うには、
今夜の満月で吸血をしたら、ほぼ確実に人間ではなくなると。
覚悟はもう決まっていて、
少しの名残惜しいを感じていないと言ってしまうと嘘にはなってしまう。
だが、これからもユシエルと平和な日々を送れると思えば、それも悪くないと思ってしまう。
人間界での心配事や役職とか婚約者問題とかは解決されていたことには驚いた。
さて、そろそろユシエルは帰ってくるかなと少し微睡みながら考える。
体質変化のせいか、吸血衝動よりここ最近は眠さが勝っている。
おそらく体にもそれなりの負担はあるのだろう。
最近は魔力を操れるようになったし、
だんだん自分が人間ではなくなっていく感覚を感じることが多くなった。
もう引き返せないところまで、今日行くんだ。
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