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◯8月_一夏の罰ゲーム
しおりを挟むテストは今回いつもより点数が高かった。
やはりあの勉強会はかなり有意義だったらしい。
それにヒートの間も、山神が相手してくれたから、わりと体調万全で試験に挑めたのも大きいかもしれない。
ヒートの時、なんかすごかった気がする。
熱のせいで記憶が途切れ途切れなところもあるというか、できれば思い出したくもないものが混ざっているというか、
それではっきり覚えてるわけじゃないんだけど。
なんかすごい彼に甘えてしまった気がする。しかも性的な意味で。
「あーあ、もうやだっ!!」
小さく悶絶し、自室のベットにダイブし、枕に向かって叫ぶ。
はあ…はあ…。
少し暴れて息を切らしたが、問題ない。別にこの部屋に人がいるわけじゃないし。
その時携帯が通知を受けて震えた。
恐る恐る開くとやはりヤツだった。
いやー、まあ、今日の夏休みにある生徒会の集まりの後、
連絡先を聞かれたのだから、しかたなく。
というか、テストの勝負の結果で、何かご褒美が欲しいから、そのために連絡先教えてと言われた。
_____________
よかったら、来週温泉旅行行きませんか?
予約はもうとってあるので…
_____________
と以下の文で待ち合わせ日時や持ち物を指定された。
でも勝負に負けたんだ。
アイツと二人っきりもそんな悪くないし…
勝負は勝負だしな。
今更言い訳するのもカッコ悪いしな。
_____________
わかった。
_____________
俺はそう短く返事して、スマホを投げ捨てるように置いてまた枕を抱えた。
こんな色恋沙汰にうつつを抜かしてる場合じゃないのに…。
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